第47話:不屈の村娘、爆裂キック
「腕が動かないなら、まだ動くところで戦えばいいだけだもん!!」
アリシアの宣言と共に、地下の閉鎖空間に凄まじい風圧が吹き荒れた。
両腕はイザヨイの『変幻自在』による超重量粘土で地面に縫い付けられたまま。だが、アリシアには、毎日朝から晩まで薪を割り、畑を耕し、ハイパー東京への通学路で鍛え上げられた『世界最強の脚力』が残っていた。
「ハッ、口だけは一人前やな! 動けん身体で何ができるんや、いけぇッ!」
イザヨイが手をかざすと、地下水路の壁や床からドロドロとした粘土の触手が数十本も湧き出し、一斉にアリシアへと襲いかかる。
「ふんッ!!」
アリシアは腕を支点にして、器械体操のように身体を真上に跳ね上げた。
放たれたのは、超高速の逆立ちサイクロンキック。
襲いかかる泥の触手すべてを、一瞬の足技だけで粉々に粉砕してみせる。その凄まじい蹴りの風圧だけで、地下の頑丈なコンクリートの壁に放射状のヒビが入った。
「なっ……なんちゅう脚力や!? 腕の重りは何十キロ、いや何百キロにまで跳ね上げとるんやぞ!? それを逆立ちの支点にして振り回すやなんて、どんな筋密度しとんねん!」
イザヨイが驚愕に目を見開く。
「私の筋肉を舐めないでよね! 村のイノシシはもっと重かったよ!」
アリシアは逆立ちの体勢のまま、腕の粘土を『アンカー』として利用し、バネのように身体をしならせた。狙うは、驚きで足が止まっているイザヨイの顔面。
「いっけえぇぇぇ! 薪割り流・対空カカト落としーーーっ!!」
「しま――ッ!?」
回避は不可能。イザヨイはとっさに自身の前に分厚い粘土の盾を幾重にも展開する。
しかし、上空から降ってきたアリシアの剥き出しの生足は、スパーク財閥の防弾ガラスをも一撃でブチ抜く一撃。
地下水路全体が地震のように激しく揺れ動き、イザヨイの泥の盾が木っ端微塵に爆散した――!




