表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
43/84

第43話:漆黒の共鳴

黄金の新幹線が撒き散らした瓦礫の煙が、ネオ中央公会堂の巨大なエントランスホールに立ち込めていた。



「さぁ、各個撃破ですわ! 蘭王の幹部どもを一人残らず引きずり下ろしなさい!」



エリカの号令と共に、例示学園の面々はそれぞれ己の獲物を求め、迷宮と化した公会堂の奥へと散っていった。

腕に重い粘土をつけられたアリシアは、ココアに引きずられるようにしてイザヨイを追って地下へ。メイとアリスはオタク幹部の萌を追って右の回廊へ。レインとカシウスは無言で最上階の『王』の間へと直進していく。

そんな中、中央広場に残ったのは二人。

蘭王学園三幹部の一人――全身に包帯を巻き、右目に深紅のカラコンを嵌めた、神代暗黒(本名:田中よしこ)。

そして、例示学園が誇る、銃器愛好家、エヴェリン。



「ククク……まさか、我が『聖域(サンクチュアリ)』にここまで踏み込んでくる『迷い子(ストレイ・チャイルド)』がいようとはな……」



暗黒が包帯に覆われた腕を妖しく掲げ、関西弁のイントネーションを必死に隠しながら、ドスの利いた声で囁いた。



「我が名は神代暗黒またの名を究極の闇ダークネスインヴォーカー。現世の理を反転させ、虚無へと誘う者なり……!」



対するエヴェリンは、いつも通りの無表情のまま、愛用の超巨大なリボルバーのシリンダーをと虚空で回転させた。



「……いいえ、私の眼(プロビデンス)はすでに貴女の終焉(オワリ)を捉えているわ。私の名はエヴェリン。この世界に弾丸の雨を降らせる者――銃妄想(ガンライズ)


「な……ッ!?」



暗黒の右目が、驚愕にカッと見開かれた。



(な、なんやこの女……! 設定の練り込み度がワイと違いすぎる……! 『銃妄想』と書いて『ガンライズ』!? 語彙力のレベルが桁違いやんけ……!!)



関西のプライドをへし折られかけた暗黒は、焦りを隠すように叫んだ。



「おのれ、関東の小ざかしい魔女め! 我が固有魔法の錆にしてくれるわ! 顕現せよ――『ゴーストルール(Ghost Rule)』!!」



暗黒の身体から、ドロドロとした怨念のような魔力が噴き出す。彼女の肉体は半分霊体(ゴースト)化し、この世のあらゆる物理干渉を受け付けない絶対無敵の『幽霊』へと変貌した。



「ハハハハハ! ワイのこの姿には、どんな銃弾も、どんな物理攻撃も届かへんのや! 悔しかったら触ってみぃ!!」


「……浅はかね」



エヴェリンは静かに銃口を暗黒へと向けた。弾丸など、最初から込めていない。彼女の魔法は、自身の妄想(イメージ)を銃の形を借りて放つ、最強の概念武装。



「私の妄想たまは、肉体ではなく『魂』を撃ち抜く。――虚空穿孔」



エヴェリンが引き金を引いた瞬間、弾の出ないはずの銃口から、空間をへし折るような凄まじい「妄想の衝撃波」が放たれた。



「ヒェッ!? なんやこれ、魂が……魂が持ってかれるぅぅぅ!?」

 


物理無効のはずの暗黒が、精神的な大ダメージを受けて派手に後方へと吹き飛ぶ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ