第33話:祭りの終わりと、見知らぬ迷子
大熱戦を繰り広げた例示学園の体育祭も、ついに閉会式の時間を迎えていた。
グラウンドの中央、巨大な電光掲示板に両組の最終得点が弾き出される。
『……最終結果発表! 今年の体育祭、勝者は――白組!!!』
「やったーーーーー!!!」
「おーっほっほっほ! 当然の結果ですわ!」
大玉転がし1位のレイン&サクラペア、そして玉入れで大勝利を収めたタンポポらの大活躍により、結果は白組の圧勝。11位という絶妙なリザルトを残したアリシアとエリカも、同じ白組として
「なんかよく分からないけど勝った!」
と肩を組んで喜びを爆発させていた。
こうして、激動の体育祭は幕を閉じた。
その日の夕方。
夕日に染まる静かな住宅街を、アリシアは一人、クタクタになった体操着袋を揺らしながら歩いていた。
「あーあ、結局11位だったなぁ……。お肉、もっといっぱい食べたかったのに、参加賞のポ〇リとモキュの塩焼きだけじゃ全然お腹にたまらないよ……」
ぐー、と盛大に腹の虫を鳴らしながら角を曲がった、その時。
「あかん、完全に迷子や。なんやねんこの高級住宅街、どこの家も門構えが要塞みたいでナビがバグり散らかしとるわ……」
前方の電柱の陰で、頭を抱えてしゃがみ込んでいる人物がいた。
例示学園のきらびやかなお嬢様たちとは明らかに違う、どこか着崩した制服。そして、静かな関東の住宅街にはあまりにも不釣り合いな、筋金入りの『関西弁』
アリシアが思わず足を止めると、その人物はガタッと勢いよく立ち上がり、こちらを振り返った。
「あ! 補導員のお姉さん!? ……あ、ちゃうわ、制服……いや体操着? 補導員にしてはゴリゴリに泥まみれやな。なぁ自分、ちょっと道教えてくれへん?」
夕暮れの街角で突如として始まった、未知のエンカウント。
この関西弁の人物はいったい何者なのか、そしてアリシアの『最強の悪役令嬢への道』にどう絡んでくるのか――!?




