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娘を置いて異世界へ――飛ばされた夫婦の帰還冒険譚  作者: 相沢春人
第4章 変えられぬ過去と選ぶ未来

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番外編おまけ 雪うさぎ

「アプリ、おいで」


 猛吹雪の最下層を歩いて、やっとたどり着いた屋敷。


 の中の、暖かな暖炉の真ん前特等席に私を座らせた彼女。


 後ろから抱きしめる形で、座った彼女は、歯をカチカチと鳴らしている。


「あったかいねえ……アプリ」


 うん、あったかい、主に背中がね。


「寒すぎて氷になっちゃうかと思ったよ!」


 本当にね、強い魔導士とは言え、あの吹雪の中は、人の身では、辛かったと思う。


 それなのに、君は私の暖を優先しているね。

 突然出来た、優し過ぎる姉貴分、それが君だ。

 でも、でもね、ウィンリィ、私は……


「あ! アプリ、これ持ってて、火にかざすとね、熱を吸収して、ホッカイロみたいになるんだ!」


 えと、私は……


「ジンの魔力結晶なんだけど、一つしかないから、みんなには、内緒だよ?」


 私、実は……雪うさぎの獣人なんだよね……

 だから、寒さには、めっぽう強かったりする。


「……ありがとう、ウィンリィ」


 でも、でもね、今は、君の優しさに甘えていたいから、黙っておく。


 本当は、年齢も、私の方が上なんだけど、君の妹分を満喫したいから、それも黙っておこう。


「はあ〜アプリは、温いな〜」


うん、私も、心が温いよ。


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