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28歳の息子と13歳の母の異世界冒険譚  作者: 相沢春人
第9章 還る竜と少女の決断

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幕間 とある異世界転移者の独り言

 今から二ヶ月前――


「痒みを止める魔法ばかりだったけれど、希少な魔法を収めた魔導書も見つかった。きっとこの魔法なら――!」


 この世界に似合わないスーツ姿のその男は、廃国の王宮図書館の地下にて、一人、興奮気味に話していた。


「ふふ、これで、あの子――あの子たちを助けることが出来るぞ!」


 満足げに魔導書をアイテム鞄にしまうと、男は、辺りを見渡した。


 チリや埃で白くなった床の上に、自分の大きな足跡がくっきりと付いている。


「これはいけないな。この時代の三国の探査部隊に見つかると厄介だ。痕跡を消しておかないと! あれ?」


 魔法を使おうと思った男は、胸ポケットを漁った。が、そこには穴が空いており、指が底を突き抜けてしまう。


「ありゃ、杖ペン落としちゃったか……まあ、でも――」


 男がバサっとスーツの前を開くと、内ポケットに収まる夥しい数のペン。


「たっくさんあるしね!」


 男は、それを一本取り、すらすらと中空にペンで魔法式を書いていく。


 そして、式と答えを記し終わると、最後に=で繋ぎ、魔法を発動させて、チリが積もる床に残っていた足跡を綺麗に消して見せた。


「よし! 我ながら完璧な痕跡消去だ! これで、ここに僕が来ていたことを知るものは誰もいないぞ!」


 男は、自信満々な足取りで王宮を後にした。

 

 希少な鉱石プレートを一枚落としてしまっていることに全く気付かずに。

「面白かった!」

「続きが気になる、読みたい!」

「今後どうなるの!!」


と思ったら


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