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28歳の息子と13歳の母の異世界冒険譚  作者: 相沢春人
第8章 エルフの里、再び

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ウィンリィと恋①

 ある日のお昼過ぎ。

 プラシーくんに野いちご狩りに誘われたウィンリィは、「サムの好物、たくさん取ってくるね!」と言って嬉々として出かけて行った。


 ルートさんは不機嫌そうではあったが、結局、ウィンリィが乗り気だったので、反対はせず、笑顔を貼り付けて二人を見送ったのだが――


「サムさあ、二人の様子、見に行ってくれない? 僕さ、今日、アプリの魔法訓練、夕方まで見てあげる約束してるから」

「心配しなくても大丈夫だと思いますけれど……」


 プラシーくんは、明確な好意をウィンリィに向けているけれど、まだ告白とか、大きな行動に出られるほど長い時間を共に過ごしていないと僕は思う。


「お願い! サムの認識阻害なら、きっと見つからずに済むと思うから!」

「うーん……遠くから、そっと覗くだけですよ」


 とはいえ、娘の魔法訓練を見てくれているルートさんたってのお願いを無下にするわけにもいかず、僕は、様子を見に森へと向かったのだった。


「たくさん取れたね」

「うん! サム喜ぶかな!」


 森の中をウィンリィの魔力を頼りに進み、難なく二人を見つけた僕は、木の影に隠れてこっそり二人を観察した。


 野いちご狩りを終えた二人は、切り株に腰掛けて、各々、野いちごが山盛りに入った籠を膝に乗せていた。


 そして、野いちごを摘まみつつ、談笑するその様子は、普通に仲の良い友達に見えて、僕は、ルートさんの心配は杞憂なんじゃないかと感じた。


 ほっとしたところで、僕の隣にある灌木の枝が揺れているのに気付く。


 隙間から見えるのは、生成り色。

 それは、魔力の子たちに支給しているエルフの里産の木綿で仕立てられた服の色と同じだった。


 僕は、そっと灌木の前に屈み、認識阻害を解くとともにその人物に小声で声を掛ける。


「君も盗み聞きかな?」

「っ! っくりしたあ……サムさん……何のことです?」


 灌木から這い出してきたのは、透き通るような輝く銀髪に灰銀色の瞳、風のエルフの耳よりも短く下向きの耳を持つ少女。


 光属性のエルフ――アルテだった。


「アルテ、僕も同罪だからさ、取り繕わなくていいよ?」

「サムさんもですか? ウィンリィが心配……ああ、ルートさんの差金ですかね? あの人も相当ですよねぇ……マヴロ、あんなのに勝てるのかなあ」


 聞くと、マヴロスくんに頼まれて、プラシーくんが変なことをしないのか見張りに来たとのこと。


「ふふ、見返りとして、今後、マヴロの分のアイスは私のものになる予定なんです……ふふふ……」

「そうなんだ……」


 アルテは、50人の魔力の子の中では、早い段階で全快した子なのだが、体が弱いとのことで、ほとんど家に引きこもっていると聞いていた。


 しかし、考えを改めるべきかもしれないな……肌は陶器のように真っ白だけど、アイスを貰えることを想像して、頬を染める様は、健康的な普通の女の子に見えたから。


 と、その時、ガササッ!! と僕らが身を隠す灌木を掻き分けて、ウィンリィが飛び出して来た!


 よほど慌てていたのか、僕らに気付くことなく、ウィンリィは森の入り口に向かって走り去って行く。


「ウィンリィ……」


 後を追って灌木の前まで来たプラシーくんの声が僕らの真上で聞こえた。


「で? 二人は何をしているんですか?」


 やっぱり、バレバレだよねぇ……と僕らは観念して、立ち上がる。


「……ごめん、プラシーくん。ルートさんに言われて、様子を見に来たんだ。でも、僕が盗み聞きしていたのは確かだから、その、本当にごめん」

「私はマヴロに言われて、見てただけ。悪いのはマヴロだから、アイスに釣られた私のせいじゃないと思う」


 背筋を伸ばして、胸を張り、堂々と語るアルテ。


 僕はそのふてぶてしい態度に、やっぱり、病弱という噂は間違っていたんだと苦笑した。


「サムさんは、きちんと謝罪をしてくれましたので、責めません」


 話しつつ、僕の手に野いちごの籠を手渡すプラシーくん。受け取りつつ、お礼を言うと、彼は僅かに微笑んでから今度はアルテに厳しい目を向けた。


「アルテ、反省の色のない君の性根は叩き直さないといけないね。

明日から三日、僕ら栽培部は、田植えをするんだ。

君は、それに参加すること。せいぜい泥と汗にまみれて労働を味わうと良いよ」

「そんなの、絶対やんな――」


 アルテが抗議の声を上げるのを遮って、プラシーくんは、小柄な彼女を、ひょいと肩に担ぎ上げた!


「今夜はうちに泊まりなよ。明日朝、早いからさ」


 嫌だああああー!とアルテの叫び声が響いたが、僕はそれにただただ手を振り、見送る。


「とてもじゃないけど、ウィンリィと何があったのか聞ける雰囲気じゃなかったなぁ……」


 走り去る時のウィンリィの顔を思い出す。


 口元に手を当てて、何かにショックを受けているかのような戸惑いの色が浮かんだその表情から予測できることといえば――告白だろうか?


 それとも、キスされた??


 二人の間に何かがあったことは、確かだが、アルテと話しているうちにそれを見逃してしまった僕に、ルートさんは落胆するだろうか……


 一人その場に残った僕は、彼に何て報告しようかと考えながら帰路についた。

「面白かった!」

「続きが気になる、読みたい!」

「今後どうなるの!!」


と思ったら


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面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当に嬉しいです。


何卒よろしくお願いいたしますm(_ _)m


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