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第十二話
学校に着き、下駄箱に向かう。
夏休みなので、下駄箱には僕しかいない。
いや、細くすると僕以外の補習を受ける者はもう来ているということだ。
それでも、いつもは人がいっぱいな所が、自分一人だと何故かテンションがあがるものだ。
そのあがりかたは、幼少期ブランコを乗ろうとしたら、すべてのブランコが空いていたときの
うれしさに値する。
かかとを踏みすぎて、もう靴ではなくスリッパのようになった
元上履きを、更にかかとを踏み潰しながら履く。
ふと顔をあげると、職員室があるほうから、コツコツと靴の音がする。
僕のスリッパはペコペコとしかいわないのに。
「おはよう、川村」
運悪く、朝一番に出会ったのは、大嫌いな教師だった。




