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アテナ・トリガー~AIに見放された俺だけが世界最強へ~  作者: 案山子


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号砲と盤面操作

「隠れている6部隊を動かす? ……どうやってですの?」

雪那が怪訝な顔でアテナのデバイスを見下ろす。


『簡単な物理演算ですよ、雪那さん。彼らは現在、セントラル・タワー周辺に点在する崩れかけた旧市街の瓦礫や、頭上の連絡橋を遮蔽物にして息を潜めています。……ならば、そのカバーごと剥ぎ取ってしまえばいい』


アテナの言葉と同時に、雪那の視界(網膜デバイス)にセントラル・タワー周辺の3Dマップが展開された。

その中の一点、巨大な連絡橋を支える最も太い『主柱』が赤くハイライトされる。


『あの主柱の耐久値と、現在の風向き、そして上部構造の重量。私の計算通りにあの柱の【一点】を破壊すれば、連鎖的な崩落が起きます。……隠れ家を物理的に消滅させ、彼らを丸裸の広場に放り出すのです』


「……なるほど。相手のカバーを剥がすための、環境破壊というわけですわね」

雪那は口角を吊り上げ、漆黒の神槍『グングニル』を構えた。


「本当に、性格の悪いAIですこと」

『最高の褒め言葉として受け取っておきます』


『ラプラスの神眼』が起動し、アテナが弾き出した座標と完璧にリンクする。

狙うのはプレイヤーではない。無機質なコンクリートの柱だ。


「装弾数、残り4発。……外しませんわ」


ズドォォォォォォォンッ!!!!!


鼓膜を破るような轟音と共に放たれた極太の光条が、一直線にターゲットへと吸い込まれる。

グングニルの常軌を逸した貫通力と破壊力は、分厚い主柱のコアを正確に撃ち抜き、あっけなく粉砕した。


ズズズ……ッ、メキメキメキィッ!!


直後、悲鳴のような建造物の軋む音がエリア全域に響き渡る。

主柱を失った巨大な連絡橋が自重に耐えきれず崩壊を開始。何トンもの巨大な瓦礫が、周辺の遮蔽物を次々と押し潰しながら広場へと雪崩れ込んでいった。


「な、なんだぁっ!?」

「上から降ってくるぞ! 逃げろ!!」


土煙が舞う中、頭上の安全地帯を失ったプレイヤーたちが悲鳴を上げながら、遮蔽物のない中央広場へと次々に飛び出してくる。

6部隊、計18名。フェンリルから隠れていた猛者たちが、たった一発の銃弾によって全員同じ場所に引きずり出されたのだ。


「あ、あそこにも敵が!」

「クソッ、撃て! 撃てェッ!!」


パニックと極限の緊張状態。そこに「敵と鉢合わせる」という最悪の偶然が重なれば、結果は一つしかない。

誰かが恐怖から引いた引き金を合図に、広場は瞬く間に四方八方から銃弾が飛び交う【大乱戦(カオス)】へと変貌した。


『――作戦成功。盤面の大掃除が開始されました』

アテナの無機質で、どこか満足げな音声が響く。


「へへっ、アテナの言う通りになったね!」

くるみが目を輝かせながら大盾を構え直す。


「ああ。……これでグングニルの残弾は【3発】。ハルたちを引き摺り下ろすには十分だ」

朝日は眼下で広がる地獄絵図を見下ろしながら、マスタングの撃鉄を起こした。


一方、タワーの頂上(玉座)。

眼下で突然始まった大乱戦を見下ろしながら、ハルは嬉しそうに喉の奥で笑い声を漏らした。


「ハハッ……最高だ。あいつら、盤面ごとひっくり返しやがった」

「……ええ。本当に、底意地の悪い作戦ね。誰の入れ知恵かしら」

キョウもスコープ越しに広場を見つめ、微かに口元を緩める。


最強の王者と、最高にはぐれ者な挑戦者。

互い以外をすべて排除するための狂宴が、今、最高潮を迎えようとしていた。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

アテナの極悪戦術、その正体は「環境破壊による遮蔽物の全没収」でした!

グングニルという最強の矛を、「敵を倒すため」ではなく「マップを壊すため」に使うチーム・アテナの理不尽な連携です!


これでグングニルの残弾は【残り3発】。

盤面の大掃除が始まり、いよいよ最終決戦が迫ります!


「アテナの極悪さ最高!」「残弾3発でのフェンリル戦、どうなるの!?」と興奮していただけたら、

ぜひページ下部の【☆】を【★】にして応援をお願いいたします!

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