神の目と、自動追尾の弾丸(オートエイム)
『――試合開始!!』
カウントダウン終了と同時に、崩壊都市アルカディアの各所に20チームが降下する。
「降下完了。――くるみ、東側300メートル、ビル群の陰で『チーム・グラディエーター』と『チーム・ヴァルキリー』が早くも交戦を始めましたわ」
着地と同時に、雪那の冷徹な声がインカムに響く。
高所を取った雪那のバイザーには、戦場全体の敵の配置、射線、生存数がリアルタイムで処理されていた。
「相手は決勝の猛者たち……手加減は不要ですわ。くるみ、あそこへ最大火力を叩き込みなさい!」
「はいっ! 『イージス・ボンバードメント』、発射します!!」
くるみが展開した大盾から、空へと放たれる無数の誘導光弾。
激しい銃撃戦を繰り広げていた2チームの真上から、光の雨が降り注ぐ!
ドカァァァンッ!! ズガガガガッ!!
「なっ……!? 上から爆撃だと!?」
「クソッ、どこのチームだ!?」
大混乱に陥る戦場。そこへ――。
パーンッ!!
「がハッ……!?」
雪那のアンチマテリアルライフルが火を吹き、混乱する敵チームのIGL(指揮官)の頭部を一撃でぶち抜く。
『――【チーム・グラディエーター】1名脱落!』
「次ですわ、朝日! 混乱に乗じて全滅させなさい!」
「へっ……了解だ!!」
二丁の拳銃『マスタング』を握り締め、赤い閃光となって敵陣へ躍り出る朝日。
だが、今回の朝日の戦い方は、これまでと決定的に違っていた。
(……頼んだぜ、テナさん。俺の『視界』と『動き』、全部持っていってくれ)
脳内に、アテナの静かで透き通った声が響く。
『――イエス、朝日。あなたの肉体動作を完全アシスト。サブウェポン:アサルトライフルのエイムアシストをシンクロさせます』
朝日は背中に背負ったアサルトライフルを引き抜き、マスタングとの変則二丁構えを取った。
朝日の意識はマスタングによる超絶怒涛のドッグファイトに100%集中する。そして、背中や死角から迫る敵に対しては――。
ズガガガガガガッ!!
「な、なんだアイツのエイムはぁぁぁっ!?」
朝日の手元にあるアサルトライフルが、まるで生き物のように敵の急所へ吸い付いていく。
朝日が敵を見ることすらしていない。完全にアテナへ演算を委ねたことで、死角からの敵すらも吸い付くような【100%精度のオートエイム】で瞬殺していくのだ。
「うそ……朝日さんの弾、一発も外れてない……!?」
くるみが目を見張り、雪那も思わず息を呑む。
「……あいつ、自分の感覚を完全にAIと同調させていますの……!? 自分の機動力と、AIの精密射撃の完全融合……!」
スタジアムの解説席では、元プロゲーマーの解説者がマイクに向かって叫んでいた。
『な、なんだぁぁぁあの立ち回りはッ!? 【チーム・アテナ】の朝日選手! マスタングでの超機動アタックと同時に、別方向の敵をアサルトライフルで正確無比に撃ち抜いていく!! 撃ち合いの次元が違いすぎる!!』
『予選を勝ち上がってきたあの最弱チームが……完全に【化け物】へと進化しているぞぉぉぉっ!!』
ズドンッ!!
『――【チーム・グラディエーター】全滅!』
『――【チーム・ヴァルキリー】全滅!』
開始わずか2分。
決勝の猛者2チームが、アテナ・トリガーの圧倒的な戦術とエイムの前に、跡形もなく消し去られたのだった。
こまで読んでいただきありがとうございます!
決勝初動! くるみの爆撃から雪那の神IGL、そして朝日の『オートエイム』による怒涛の無双劇でした!
テナさんにすべてを委ねた朝日のアタッカー性能は、もはや誰にも止められない……!?
このまま勢いに乗って、チャンピオンまで駆け抜けます!
「オートエイム連携カッコよすぎる!」「解説の手のひら返しが最高!」と思っていただけたら、
ぜひ下部の【☆】から評価とブックマークをお願いいたします!




