頂上決戦と、黒幕の囁き
翌朝――『ゼニバース・フロンティア』本戦決勝当日。
中央のメインスタジアムには、全サーバーから集まった数十万の観客のアバターが超満員で押し寄せ、地鳴りのような歓声が響き渡っていた。
「……いよいよですわね」
『チーム・アテナ』の待機エリア。
最新鋭の戦闘ギアに身を包んだ雪那が、氷のように研ぎ澄まされた眼光でマップホログラムを見つめる。
「雪那さん、緊張してます……?」
「まさか。……武者震いですわ」
不安げなくるみに対し、雪那は不敵に微笑んだ。
その傍らに立つ朝日の背中には、一切の迷いも力みもない。昨夜、ハルとの1v1を経て、アテナ(テナさん)と交わした誓い。朝日の全身からは、静かだが圧倒的な『覇気』が漂っていた。
(見てろよ、ハル……テナさん。俺が、世界一のアタッカーになってやる)
その時――スタジアム全体を包んでいた歓声が、ピタリと止んだ。
システムのアナウンス音ではない。
マップ全体の空が歪み、ノイズ交じりの重厚な男性の声が、参加者全員の脳内に直接響き渡ったのだ。
『――ここまで勝ち上がってきた真の強者諸君、おめでとう。心から君たちの健闘を称えよう』
参加者たちが不審そうに天を見上げる。
「な、なんだこのアナウンス……? 大会の運営か?」
「いや、公式の進行スケジュールにこんな演出はないぞ!?」
ざわめくプレイヤーたちの中で、朝日の瞳だけが鋭く細められた。
(この声……神宮司……ッ!!)
親の仇であり、この狂ったシステムを作り上げた男。
不快なノイズの向こうで、神宮司は楽しげに、そして冷酷に言葉を続けた。
『全サーバーの頂点を決める最高の戦場だ。持てる技術のすべてを尽くし、勝利を掴み取りたまえ。……この戦いの先に何が待っているのか、楽しみにしているよ』
ブツリ、と通信が切れる。
意図の読めない不気味なメッセージ。だが、戦場に漂う熱気が冷めることはなかった。
『――最終決戦、スタート!!』
カウントダウンの終了と共に、20チーム・計60名のバケモノたちが、一斉に最終フィールド『崩壊都市アルカディア』へと解き放たれる!
「行くぞ、二人とも!!」
朝日の咆哮。
「ええ! 私たちの完全なる勝利を証明しますわ!」
「はいっ! 全力で二人を守ります!」
遥か遠く、ビル群の屋上からこちらを見下ろす【チーム・フェンリル】のハルが、二丁のSMGを構えてニヤリと笑う。
全サーバーの頂点をかけた、バトロワ史上最高の死闘。
その火蓋が、ついに切って落とされた――!!
ここまで読んでいただきありがとうございます!
ついに全サーバーの猛者が集う、本戦決勝ラウンドが開幕しました!
突如挿入された神宮司からの不穏なアナウンス……。
そしてハル率いる最強チームとの最終決戦!
果たして『チーム・アテナ』はバトロワの頂点に立てるのか!?
「決勝戦の緊張感がヤバい!」「神宮司の思惑が気になる!」と思っていただけたら、
ぜひ下部の【☆】から評価とブックマークをお願いいたします!




