~浦山太郎、落姫と暮らす~
太郎と落姫の同棲生活は、作者として語るべき、必要な部分だけ描写していきます。行間で起こったこと、起こってないことの解釈は読者の皆さんにそれぞれお任せします。答えはないです。可能性は無限です。
1週間、太郎と落姫は一緒に生活し、一緒に釣りや動画の製作をしました。落姫が人間ではないというのは本当らしく、彼女は食事は一切とらず、睡眠は太郎に合わせる為に横になってるだけで、必要というわけではなさそうでした。
水に触れて、清潔さを保つ必要はあるらしく、毎日お風呂には入っていましたが、人間らしい行為といえばそれくらいでした。
しかし、気持ち良さそうにお風呂から上がってきた湯上がり姿、その時だけ垣間見せる人間らしさが、太郎には魅力的に見えて仕方ありませんでした。
そして、仮に人間でなかったとしても彼女の仕事振りは太郎にとっても有益だったし、食事の世話までしてくれる。そんな彼女を美しい、愛おしいと思う太郎の気持ちは揺るがず、むしろ深まっていくばかりでした。
そして落姫と暮らし始めて1週間後、落姫は太郎にとある場所まで舟を出して釣りをしてほしいと言ってきました。
言われた場所で釣りをすると、非常に大きな魚がつれました。
太郎もみたこともない魚だったので、どうしたものかと悩んでいると、落姫は
落姫「それです。太郎様、持ち帰りましょう。」
そういってきたので、そのまま帰ることにしました。
家に帰り、落姫はその魚を捌き、胃袋を取り出すと、胃袋の中からお札が入りそうなサイズの漆塗りの箱が出てきました。
太郎は意味がわからぬままに、落姫の様子をみていると、その箱の中には、先日太郎が預けた30万円と、竜宮城の名前で太郎から30万円を受け取った事を証明する領収証が出てきました。
太郎には意味がわかりませんでした。
落姫「太郎様、こちらの30万円は、決っして預金はせずに、タンスに入れて生活費としてお使いください。」
太郎「えぇ、無用心では?」
落姫「その用心のために、私もおります。よいですか、預金しないことが大切です。いいですね。」
太郎「わ、わかった。」
落姫「はい。では、こちらの領収証と経費については私が記録いたします。お任せください。」
太郎「うん、ありがとう。」
もともと竜宮城でも経理をしていた落姫は、太郎のそうした部分のサポートもしてくれてました。
そうして、不思議な浦山太郎と落姫との生活は続きました。
30万円は、あの後も定期的に竜宮城に預けたり戻したりを繰り返しました。
何度か繰り返してるうちに、太郎にわかったことは
・あの見たこともない魚は竜宮城からの使いで、落姫は竜宮城側と連絡をとることで太郎に釣り上げさせていること
・30万円を行き来させて、領収証を手に入れることがどうやら大事っぽいということ
あと、これは意外でしたが、試しに浦山太郎がこの魚を捌いて料理してみたら、非常に美味しくて、これを売ってみたら、これまた非常にうけて浦山太郎の収入を増やすことにもなりました。
肉厚な身は天ぷらにすると濃厚なうま味と食べ応えがあり、内蔵も炒めてみると酒のアテにぴったりの珍味となり、骨は煮込めばトロリと溶けて旨いダシになったのです。この魚の活用方法は落姫も知らなかったらしく、普段は冷静で丁寧な口調と態度の落姫も
落姫「すごい…まさか、こんなに美味しくなるなんて…本当に素晴らしいです!」
と、興奮気味に誉めてくれたのを、浦山太郎は照れ臭くも嬉しく、誇らしく思いました。
そして、この収入アップはどうやら竜宮城流の節約術をするにあたっても都合がよかったらしく、亀も太郎を称賛しました。
そうして落姫と暮らす1年はあっという間に流れました。
太郎は亀との出会いで確かに生活はよくなりました。
そして、当初の約束通り、お試し無料の1年契約について亀と語る日がきたのです。
亀「太郎さん、この1年どうでしたか。」
浦山太郎「不思議だね。亀さんと出会って、落姫さんと暮らして、その中で手に入れ、出会ったものが確かに僕を豊かにしてくれたよ。」
亀「はい。でも、これは紛れもなく太郎さんの釣り人としての力です。いやー、まいったまいった。私たちの節約術を実感してもらう前に太郎さんが自力で自分を救ってしまいましたな。」
浦山太郎「そんなこと言わないでよ。僕は、あなたとの縁があったから、この生活があったと思ってるよ。」
亀「おや、では…」
浦山太郎「うん、契約更新で。あの魚料理も注文が増えてきて、これからは、ますます落姫さんの力が必要だ。改めて、これからは正式に、一緒にやっていきましょう。よろしくお願いします、亀さん。」
亀「はい、どうぞよろしく。」
こうして、浦山太郎と亀の契約が成立しました。
ご覧いただきありがとうございました。ここまで導入部分かな。起承転結の起の部分を書き終えた感じです。




