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我が家を社会科見学 ~やらかしピンク頭の実家を見てみますか~  作者: ロミ


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辺境伯家のたくらみ

いじめのシーンがあります。でもやり返します。

 


「ハハハハ。疑うのも無理はない。この婚約、婿入り、辺境伯には利益がないように見える。実際、今のままならマイナスだ・・・。

 アイザックが、男爵家の娘に一目惚れしてな、どうしても婚約したいらしいと言ったら信じるか」


ブンブン。

 私達家族は、頭を横に振る。


「そうだろうな。婚約、婿入りの理由は、何個かあるのだ。

 だが、理由を聞いたら、今までの生活には戻れない。知って婿入りを認めるか、知らずに婿入りを認めるか選べ。知ったからには協力してもらうぞ」


 そう、辺境伯から婚約、婿入りの申し込みが来た時点で、男爵家に拒否の選択肢はない。


「「「・・・。」」」

 私達家族は顔を見やわせた。


「・・・知りたいです。もう、知らないところで人生が変わってしまうのは嫌。

 婚約する事が決まった事なら、私にも知る権利があると思います」

 私は、辺境伯様の目を真っ直ぐ見つめた。


「ハハハハ、お前はそう言うと思っていた。

 理由一つ目は、お前のその目だ。婚約破棄から5年。私は見てきた。

 誰にも屈しないその目、他者に踏みにじられようとも負けないその心。災難にみまわれても挫けな姿。

 貴族には珍しい。このまま朽ちさせるには惜しいと思った」


「二つ目は、ここの土地だ。王都から馬車で半日の場所、枯れぬ大きな川と、広大な農地。領民も穏やかで働き者。貴族は男爵家をバカにしているが、領民からは慕われていた、いい領主だった。

 辺境伯領へは、道を繋ごうと思えば障害物が少ない、いつでも繋げる土地だ」


「3つ目は、その容姿だ。第一王子を誘惑した姉と同じピンクの髪に、身長が低く、童顔で雰囲気がほんわかしている、庇護欲をくすぐる容姿。アイザックをたらし込む設定にピッタリだ」


「たらし込む設定?」


「ああ、お前には、学園でアイザックをたらし込む演技をしてほしい。

 お前の色香に惑わされ、アイザックが道を外す設定だ。だからお前とアイザックの婚約は、まだ秘密だ」


「なぜ、そんなことをするのですか」


「それは、まだ言えない。こちらの準備ができたら話そう。

 この婚約は、お前達の裏切りを防止する為でもあり、お前たちの命を守る為でもある」

 辺境伯様は微笑んだ。何を聞いてもこれ以上は答えないだろう。


「わかりました。どうせこちらに拒否権はない。この婚約謹んでお受けいたします」

 父が腕を出し握手を求めた。辺境伯様と握手を交わした。


 私は、茫然と婚約者となったアイザック様を見ていた。

「ナナ・クルーガ男爵令嬢。私の婚約者になっていただけますか」

 アイザック様は、女受けする顔で微笑んでいる。


「・・・はい。謹んでお受けいたします」

 これからが大変になりそうだ。






 ◇◇◇






バシャ!。

 教室にある花瓶の水が私にかけられた。


「あなた、いい加減にしなさい。厚かましいにもほどがある。愚か者を出した家の分際で。

 アイザック様はお優しいから、かわいそうで接してくださるの、好意ではないわ。勘違いしないで」


 花瓶の水をかけた令嬢は、取り巻きの令嬢達と去って行った。


 残された、床の水と濡れた私。

「ざまぁ。調子に乗ってるからよ」

「聞いた、姉と一緒で、頭も股も軽いらしいわ」

「こんなのがいるから、貴族の品格が落ちるのよ」

 教室の女子生徒達が、聞こえるように私をなじる。


 私は、女子生徒達を睨み、床の水を拭き始めた。

 こんなことは、日常茶飯事、もう慣れた。


 昼休みには、アイザック様の所に行って、甘える演技。

 私はアイザック様の腕にしなだれながら、

「アイザック様、今日こんなことがあったんですー。ナナ怖かったー。

 ナナが可愛いからって、みんな酷いですよね。え~ん(泣きまね)」

「それは、怖かったねナナ。俺から抗議しておこう」

 アイザック様が私の頭をなでるまでが、デフォルト。


 帰りは、アイザック様が、我が家まで馬車で送ってくれる。

「大丈夫か、ナナ男爵令嬢。いじめがエスカレートしているようだが」

「ええ、これくらい大丈夫です。それより家の畑でトウモロコシが大量に収穫できたんです。持って帰りませんか、今年は豊作。凄く甘くて食べ応えありますよ」

「ああ。もらおう」

 アイザック様と私は意外と仲良し。やさしい従兄のお兄ちゃん感覚だ。







 そんなある日の帰り。

 アイザック様にどうしても外せない用事ができて、私は1人図書館で本を読みながらアイザック様を待っていた。数人の男子生徒から声をかけられた。


「これは、これは、ビッチの妹殿。俺達暇してるんだよね、一緒に遊ばない」

「遊びません。変な事すると、人を呼びますよ」

「呼んでみれば、誰も来ないから。さあ奥に行こう」

 両脇を抱えられ、図書館の奥に引きずられる私。

「誰か助けて!、誰か!」

 叫んだが誰も来ない。

 くそ、図書委員何してやがる。こうなれば奥の手。

 私は全身の力をすべて抜き、ぐったり。自分で立たない。力の抜けて重くなった私を男子学生は支えられず、私は床に転がった。その隙に自分の喉の奥に手を突っ込む。

ォウェ~、ォウェ~。

 昼食べたものを嘔吐。周りには悪臭が漂い。私は吐しゃ物まみれ。


 男子生徒ドン引き。私から一歩引いた。

 その隙に、私は全力疾走。図書館内に私に付いていた吐しゃ物が散らばるが、私には関係ない。


バシャン!

 走りに走って、吐しゃ物にまみれた私は、そのまま正面玄関前にある噴水にダイブ。


 勢いよく噴水にダイブした私を、校舎内に居た生徒達が見ている。

「あいつ、何やってるんだ」

「ピンク頭は気がふれたのか」

 ざわざわざわざわ。生徒達が集まって来た。


 そこに騒ぎを聞きつけたアイザック様が来た。

「アイザック様、私怖かったですー。図書館にいたら襲われそうになって、吐いて逃げてきちゃいました。てへぺろ」

「大丈夫か」

 慌てた様子のアイザック様は自分のコートを私にかけて支えてくれた。

 その後保健室で、替えの制服に着替えて、馬車へ。男爵家へ送り届けてくれた。








 ◇◇◇







 ここは、王都にある辺境伯所有のタウンハウス、アイザック執務室。

「どうだ、ナナを襲った男子生徒達はわかったか」

「はい、吐しゃ物にまみれていたので、すぐに判明しました」

「その家の内情を探れ。モロウ侯爵家と繋がっているはずだ」


 今の王都は腐っている。

 モロウ侯爵家の独壇場と言ってもいい。


 今、王都の食糧自給を掌握しているのは、モロウ侯爵家。

 以前はクルーガ男爵家を筆頭に、子爵家以下の貴族が王都周辺に農場地帯を持っていたが、難癖をつけ、畑を没収したり、弱みを握り、最安値で農産品を卸させている。

 みんな、クルーガ男爵家の惨状を目の当たりにしているため、明日は我が身。強くでれない。


 5年前にやらかした第一王子のおかげで、王家から賠償金をたんまりせしめたモロウ侯爵家。

 大量の資金で、賄賂をばらまき、政治を我が物にしている。


 婚約破棄後より、モロウ侯爵家から婚約の申し込みがある俺。断り続けているが、びれを切らしたのか、辺境伯の寄子の領地にも手を出し始めた。

 懐の仲間を害する人間は許さない、辺境伯の気質。

 親父が怒りだし、武力に訴えようとしたので、兄と一緒に全力で止め、まずは調査を開始した。


 調査を開始したら、モロウ侯爵令嬢は、よほどピンク頭が気に食わないのか、クルーガ男爵家を執拗にいたぶっていた。

 13歳になった姉と同じ容姿のナナ。学園に入学させたら、裏で手を回しナナを陥れようとする。

 ナナには申し訳ないが、それを利用して、モロウ侯爵家と繋がりのある貴族をあぶり出している最中だ。




 もうすぐ、俺の卒業式が近づいている。

 パートナーをナナにする予定の俺。モロウ侯爵家が動きだすだろう。












挿絵(By みてみん)

白河・DG・夜舟様より頂きました。

虐められるナナ。誰にも屈しない目。









次で最終話です。

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 こっちはセーフらしい。  この画像のURL:https://51660.mitemin.net/i1270093/  ユーザーID 51660  Iコード 1270093
 ロミさん、こんにちは。 「我が家を社会科見学 ~やらかしピンク頭の実家を見てみますか~ 辺境伯次男のたくらみ」拝読致しました。  理由。ひとめぼれ。うそだぁ。  聞いたからには、協力して貰うぞ。…
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