097 簡単に許してしまうグール
アルイカ森と呼ばれる森の中に入っていくパンヤ一行。アーロは緑色の防具を纏うタップに何の鎧なのかを問うた。
「ねえ、タップさん。その鎧って何の鎧なのですか?」
「ああ、これか? これはなあ。アーパーマよりも南の町があってヨーロイズというところがあってだな、そこの町の付近に妄想山という場所があるんだ。その場所にオオイーグルという怪鳥が現れてその時に狩った記念に作った防具なんだ。結構気に入っているんだよ」
アーロは「素敵な防具ですね」と言った。
「あまり見ないタイプだったので伺ってしまいました」
〇
タップとアーロが仲良く話しながら歩いているとパンヤはグールに角を触っていいか問うた。
「グール、ちょっとその角が気になるんだにゃあ」
グールは「にゃあ? 気になるかにゃあ?」とびっくりしてしまう。
「だからちょっと触らせてほしいんだにゃ」
応じたグールは潔く額をパンヤに突き出す。
「どうぞなんだにゃ」
パンヤは手を合わせて「いただきますにゃ」と呟いた。グールの額に手を置くと角にかじりつく。
びっくりしたグールは目を丸めて「何が起こっているんだにゃー!」と叫ぶ。
しばらくかぶりついたパンヤは口を角から放して「あっー」と息を漏らした。
タップは思わず突っ込む。
「なにをやっているんだお前は?!」
パンヤはグールに謝る。
「にゃ。ごめんなさいなんだにゃ。なんか出汁が出そうで気になったんだにゃ」
グールは角を拭いながら「僕が何をしたっていうんだにゃー」と悲し気に呟いていた。
「鰹節みたいな感じだと思ったんだにゃ」
するとパンヤはタップから拳骨をくらう。
「いたっ、痛いんだにゃ」
「これはお前が悪い」
グールは角を触りながら「僕の角は鰹節じゃないんだにゃ」と訴える。
パンヤは申し訳なさそうに言う。
「今度僕がメロンパン奢るから許してほしいんだにゃ」
「にゃ? 本当かにゃ? じゃあ簡単に許そうと思ってしまうんだにゃ」




