092 世知辛い世の中
アーパーマという町に新しくスーパーができた。今までは物資補給所でしか買い物ができなかったが、これで買い物の楽しみもできるというものだ。
パンヤはさっそくスーパーに出かけてくる。
「にゃんにゃん、にゃんにゃん、買い物なんだにゃー」
財布を持って悠々と町を歩いていくのだった。
〇
スーパーに着いて買い物かごを持って中に入るパンヤ。すると棚にたくさんの商品が並んでいる光景を目にする。
「すごいんだにゃ。品ぞろえがはんぱないんだにゃあ」
まずはフルーツコーナーを見るパンヤ。
「バナナがあるんだにゃ」
バナナを見つけると買い物かごの中に入れるパンヤ。すると次はお総菜やお弁当のコーナーに足を運ぶ。
すると警備員に声をかけられた。
「ねえ君、君は猫だよね?」
「にゃ? 言う人はそう言うんだにゃー」
すると警備員は喉を鳴らし「君の保護者はどこかな?」と聞く。
「にゃ? 保護者なんていないんだにゃ」
警備員の目つきが鋭くなる。
「ここは猫が居ていい場所じゃないんだ。猫には出て行ってもらうこととする」
「にゃ?! そんなこと言われたくなかったんだにゃー」
こんなやり取りをしていると知った顔がやってくる。
「どうしたんだ相棒?」
タップである。
パンヤはタップに警備員に言われたことを言った。
「僕一人で来ちゃ駄目って言われたんだにゃー」
パンヤはタップの足に抱き着き「なんとかしてほしいにゃー」と言う。
するとタップは「俺がいるんで、今回は買い物させてくれませんか?」と言った。
警備員は「保護者がいるならしょうがないね」と言って歩いていく。
パンヤはタップに「いいところに来たんだにゃ」と言ってお総菜のコロッケをかごに入れる。
「よかったなあ、俺がいて。いなかったら追い出されてただろう」
パンヤは顔面を前足で拭うと「世知辛い世の中なんだにゃー」と呟くのであった。




