091 お土産のミルクレープ
夕食をとり終わるとチャイルはショクパンと遊んでおり、その間にパンヤはハンプソンと話をしていた。
「パンヤ君、君の働きはギルドからも伺っていてね。大変よく働いてくれていると聞く」
「それはそれは光栄なんだにゃ」
「よかったらなのだが、うちで働かないか?」
「それはどういう意味ですかにゃ?」
ハンプソンはパンヤにこの家の使用人として働かないかと聞いているのである。そうすれば危険なクエストもやらなくて済み、命の危険もなく仕事をしてお金をもらうことができる。
いい話ではある。だが、――タップやワドウの顔が脳裏に浮かんだ。
「いい話で、とても嬉しいんだにゃ。でも僕もうちょっとこの仕事をやってみたいんだにゃ。皆で助け合ったりして、結構寂しさとは無縁で嬉しいこともたまにあるんだにゃ?」
ハンプソンは「そうか」と言い笑顔をパンヤに向けた。
「では君の仕事が、よりよいものになっていくよう、祈っているよ」
ハンプソンとパンヤは握手を交わした。
話も終わったところでそろそろ帰ることとする。
〇
ショクパンにリードを繋いで帰る準備をしていたところ、チャイルは「お土産にどうぞ」と白いケーキボックスを持ってきた。
「美味しいケーキなんです」
ハンプソンが「どうか受け取ってほしい」と言うのでパンヤは遠慮なくいただいていく。
「ありがとうなんだにゃ」
家から出るとハンプソンとチャイルとメールが門の外までやってきて見送りをしてくれた。
パンヤは思った。……いい家族なんだにゃあ。
〇
家に帰るとショクパンの足を拭き手洗いうがいを済ませるパンヤ。そして早速いただいたケーキボックスを開けるのであった。すると中に入っていたのはミルクレープであった。
「クレープだったのかにゃ」
そう言いながら食べていく。味は言わずも知れたうまいに尽きる味だったのであった。




