089 夕食の招待
受付のお姉さんは笑顔で尋ねる。
「で、どうでしたか? 町長のおうちは」
「楽しかったんだにゃ。今日はこれから夕食をご馳走してもらうこととなったんだにゃ」
受付のお姉さんは「いいな」と声を漏らす。
「私が誘ったら私の家に来てくれますか」
「じゃあ、そういう依頼書を出してほしいんだにゃ」
すると笑みを浮かべるお姉さん。
「そんなことして、猫の格好した変な人が来たらどうするんですか?」
「僕はそんな責任取れないんだにゃ」
「友人として、今度うちにも来てくださいね」
「その時はご馳走になるんだにゃ!」
そして一旦家に帰るパンヤ。家の扉を開くと、待ってましたとばかりにコーギーのショクパンが駆けてくる。
――ワンワン。ワンワンオ。
一生懸命アピールするショクパンの頭をよしよし撫でるパンヤ。
〇
風呂に入る前にショクパンを散歩へ連れて行った。散歩をしている途中であることに気が付く。猫が好きな家ということは犬も好きなのではないか。このまま一緒に連れて行ってもよいかもしれない。そう思いながらパンヤはリードを握って歩いていた。
家に戻るなりショクパンの足を拭いて急いで風呂に入るパンヤ。
急いで石鹸を泡立てて体をごしごし擦る。体と頭を洗い終わると風呂から出て扇風機に当たって体を乾かした。ドライヤーだと全身乾かすのに時間がかかるのである。
体を乾かし終わるとバッグにフードボールとドッグフード一食分を詰め込んで、財布と鍵を持ってショクパンと共に家を出た。
ショクパンはこれからまたどこかへ行くのかと混乱していそうだったが、パンヤは頭を撫でて「行くにゃ」と指示を出す。
〇
ハンプソン・ノラムとチャイル・ノラムの家に着いたパンヤはインターフォンを押して返事が来るのを待った。
するとインターフォン越しにチャイルの声が聞こえてきた。
――来た! ねえパパ来たよ!
興奮したチャイルの声と落ち着いた使用人のメールの声が重なる。




