086 急ぐんだにゃ
「走るんだ走るんだ! 走るんだにゃん!」
一生懸命に朝の散歩をコーギーのショクパンとジョギングをして済ませ、家に着くなり急いでショクパンの足を拭く。
「急ぐんだにゃ急ぐんだにゃ。おそらく今日はきっとあの日なんだにゃ!」
あの日とはいったいどんな日なのか、ショクパンにも分からない。おそらく本人にしか分からない。
急いでご飯を食べてトイレに入り、出すもの出したらトイレを流してギルドへ向かうパンヤ。
ギルドへ着くなり急いで掲示板を確認するパンヤ。すると、そこに貼ってありそうな案件が貼られていなかった。
「にゃ? 今日はあの日じゃなかったかにゃ?」
すると「失礼します」と言って受付のお姉さんがパンヤと掲示板の間に割って入るとある依頼書を貼り出したのだった。
その内容というのが、――黒猫さんと仲良く遊びたい。であった。
パンヤはその依頼書を受付まで持っていく。受付のお姉さんは「任せたにゃん」と言って依頼書に判を押した。
「にゃーやっぱりそろそろくると思ったあの日だったんだにゃー」
〇
アーパーマの町長の家へとやってくるとインターフォンを押して誰かしらが出てくるのを待っていた。
すると町長であるハンプソンの娘のチャイルが出たのであった。
――今行きます!
門が開き敷地内に入るのを許されると、パンヤは二本足で歩き入っていった。
家の前にはメールという使用人が立って待っていた。
「お待ちしておりました。ようこそこちらへ」
そう言って家の中に通すメール。そのままリビングへ入るとそこにはチャイルが獣との交流ができる期待感を膨らませながら待っていたのだった。
「いらっしゃい。黒猫さん」
リビングには大量の水槽が並んでおり、尚且つ全てにザリガニが入れられていた。
「にゃーこれではもうザリガニ捕りに行けないんだにゃー」
リビングでは水槽のポンプが動く音が常に鳴り響いている。
「にゃーでも大切にされているのは嬉しいんだにゃー」
パンヤはお茶を出されたのでしばらくは水槽を眺めながら飲むことにする。
「にしてもにゃ? ハンプソンはいないのかにゃ」




