079 パン屋
楽しそうに歩くグールの姿。まるで危機感がないその態度にパンヤは自分らの護衛なんて必要ないんじゃないかと思ってしまう。
町を歩いているとパン屋が見えてグールは指をさして言った。
「お昼をここらでとろうと思うんだにゃ!」
パンヤはパン屋を前にして呆然とした。
「まるで狙われているようには思えないんだにゃ」
そう言うとグールは「それは重要なことじゃないんだにゃ」と言い出す。
「今を楽しむことを忘れたら、それは魔女の思うつぼなんだにゃ」
タップはグールの言葉に呆れ返った。
「魔女の思うつぼとはまた話が違うと思うが」
パンヤも同意だ。
「魔女は仕返ししたいだけなんだにゃ?」
タップとパンヤの言葉を受け流しパン屋へと入っていくグール。
〇
パン屋の中に入るとたくさんの調理パンが並んでいた。グールはたくさん重なっているトレーを取ってトングを手にした。
グールは「僕はメロンパンが食べたいんだにゃ!」と言ってメロンパンをトングで掴んでトレーにのせる。
「皆も好きなの頼むにゃ? 教団のお金でご馳走するんだにゃ!」
パンヤは嬉しそうにグールに伝える。
「僕はソーセージパンがいいんだにゃ!」
タップは「焼きそばパンを頼む」とグールに伝える。
「お安い御用なんだにゃー」
グールは嬉しそうに選んだパンをのせたトレーをレジまで持っていく。
〇
会計を済ませると公園へ行ってそれぞれ買ったパンを手に持ちベンチに腰掛けた。
メロンパンを頬張るグール。
「にゃあ、メロンパンなんだにゃあ」
美味しそうに食べるグール。パンヤもタップもそれぞれ買ってもらったパンを食べ始める。二名は奢ってもらったお礼をグールに伝えるとグールは「どうってことないんだにゃ」と言うのであった。
だがそんな彼らに近づく影があった。




