060 ミーロだったのかもしれない
昼食を食べ終わるとタップの姿は消えてしまった。
パンヤは「タップがどこかに行ってしまったんだにゃあ」と呟くのだった。
辺りを見回してもどこにもいない。急にいなくなるなんてタップらしくないと思うパンヤなのであった。
〇
ギルドへ戻ると受付で報酬をもらっているタップの姿があった。二匹はタップのところまで駆けていく。
パンヤが「タップ!」と声をかける。
受付の方を見ていた彼は振り返って「おっ、なんだ相棒」と言った。
「タップ、なんで急に消えちゃうんだにゃあ。いきなりいなくなったらびっくりするんだにゃあ」
タップは「は?」と言ってワドウの方を見る。
「俺が急に消えた?」
ワドウはうんと頷く。
「お前ら今日はどこにいたんだ?」
とタップは聞く。
「にゃあ、僕たちは今日西部の想像山で薬草採りをしていたんだにゃあ」
ところがタップは「俺は違うぞ」と言い出す。
「俺は今日は東道砂漠でサボテン収集していたから、想像山にはいない」
ワドウは気づいたのか「ミーロだったのかもしれないにゃ」と口にした。
パンヤにワドウが説明する。
「ミーロは人間に化けると言っていたにゃ? もしかしたら私たちが出会ったのはタップじゃなくて、タップに化けたミーロだったのかもしれないんだにゃ」
まったくミーロだとは思っていなかったパンヤは「不親切なんだにゃ」と言い始める。
「ミーロならミーロだって、言ってほしかったんだにゃあ!」
〇
家に帰ったパンヤは精神的に疲れたのかベッドに身を預けるように倒れた。
「にゃーん、ミーロだって言ってほしかったんだにゃー」
ミーロならばミーロだと名乗って一緒に仲良くしたかったパンヤなのであった。
うつ伏せに倒れるパンヤのところまで駆けていくコーギーのショクパンは彼の前足を舐める。前足を舐められるパンヤは「うーん」と唸ってお腹の方に手を回して回避した。ショクパンは何もやる気のないパンヤの横に着いて「くーん」と声を上げるのであった。




