048 漫画探し
テーブル席で待っているとテリヤキゴリラバーガーが運ばれてくる。
「にゃ。ありがとうなんだにゃ」
お礼を言うと従業員の猫は「ごゆっくりにゃん」と言うのだった。
包み紙を剥がして露わになったのはテリヤキソースに包まれたパティとシャキシャキなレタスを挟んだバンズ。明らかに美味しい内容である。
「にゃーん、いただきますなんだにゃ」
テリヤキゴリラバーガーにかぶりつくパンヤ。むしゃむしゃ食べながら「美味しいんだにゃ」と声を漏らす。
ポテトも食べたくなったパンヤは左手にテリヤキゴリラバーガーを持ったまま右手でフライドポテトを掴んで口まで運ぶ。
「このポテトもちょうどよい太さでホクホクしていて美味しいんだにゃあ」
そしてりんご味のサイダーを喉に流し込む。このシュワシュワがたまらない。
〇
昼食を食べたパンヤは行きつけの本屋へと向かい何か良い漫画がないかを探した。
「にゃーん、癖が強いものを読みたいんだにゃあ」
パンヤのお目にかなう漫画本はなかなかない。
漫画本コーナーで探していると見知った顔の猫が近くに寄ってきた。三毛猫のワドウである。
ワドウが「やあ」と言うとパンヤも「やあ」と返す。
「何を探しているんだにゃ?」
「特に何を探しているとかはないんだけれどもにゃ。何か面白そうなものはないか見ていたんだにゃあ」
ワドウは腕を組んで「昨今の漫画は癖が強い漫画が少ないんだにゃあ」と言った。
「そうみたいだにゃ。僕は『ああこんなところに』も『どこに行ってもかつ丼』も大好きな漫画なのだけれども。なかなかこういった漫画は見つからないんだにゃあ」
「私は『ああこんなところに』の漫画もはしゃぎすぎなところがあると思うんだにゃ。もう一方の『どこに行ってもかつ丼』は確かに癖が強いと思うんだにゃ」
パンヤは「こんな漫画が好きな僕に何か良い漫画を恵んでほしいんだにゃ」と懇願する。
ワドウは腕を組んで本屋の本棚をじーっと見つめる。
「これなんかどうかにゃ?」
本棚から取り出した漫画本の題名は『きっと食べ残しても』というグルメ漫画なのであった。
パンヤは思った。……グルメ漫画なのに食べ残すのか。




