041 実験台
朝食を食べ終わったパンヤは洗い物を済ませるとギルドへと向かった。依頼書が貼られているギルドの掲示板を見たパンヤは言葉を失った。
なんとそこに貼り付けられた依頼書には、『私の焼きそばを食べてほしいです』という内容だった。
受付のお姉さんが受付から離れてパンヤのもとへとやってくる。
「どうかなさいましたか?」
そう言われるとパンヤは依頼書を掲示板から剥がして「なんにゃこりゃー」と言ったのだった。
〇
今日のクエストは焼きそばを食べることと決まった。どんな任務でこんなことになるのかと思っていたところ。依頼書通りにやってきた場所はなんと回復薬や解毒薬を作っている会社であった。
ラボの入り口でインターフォンを鳴らすとラボの中から白衣を着て眼鏡をかけた三十代くらいの女性が現れた。
「あなたが実験台になってくれる冒険者さんね。私の名前はボーラ・ランド」
パンヤは「実験台」という言葉に恐怖を覚えてしまう。
「あの、実験台ってなんなのにゃ?」
ボーラは眼鏡をはずして髪をかき上げる動作をすると「焼きそばを食べてもらうのさ」と言った。
ラボの中へと入ったパンヤは食堂へと案内される。普通に食事をとる場所で驚いた。なんとなくベッドが敷いてある天井や壁が白い場所にでも連れていかれると思っていた。
食堂のテーブル席へ着くとパンヤは鼻歌を歌いながら焼きそばが来るのを待っていた。
山盛りの焼きそばが届くとナイフを持った女性が近づいてきたので驚きで固まってしまう。
パンヤは恐れを抱きながら「そんなものでどうするにゃ?」と問う。
白衣を着たボーラは髪をかき上げながら答えた。
「この焼きそばは回復薬だから、回復速度を調べるために君には少し傷ついてもらう」
「にゃあ、そういう理由ならしょうがないんだにゃ」
腕を少し切られ、切られた箇所をカメラで写真に撮られるパンヤ。
「じゃあ、さっさと食べてもらおうか」
パンヤは両手の肉球を合わせ「いただきます」と言った。
焼きそばをずるずるすすると「うみゃあ、うみゃあ」と感想を言うパンヤ。
半分くらいまで食べると回復の調子を見にまた写真を撮られる。さらに全部食べ終わるともう一度写真を撮られるのであった。




