034 黒猫のお仕事
ギルドへ仕事を求めてやってきたパンヤ。するとまたどこかで見たことがるような依頼書が掲示板に貼り付けられていた。
――黒猫さんと遊びたいです。5歳の娘より。
依頼人はハンプソン・ノラム。5歳の娘チャイルの父親である。
パンヤは唾液を飲み込むとじーっとその依頼書を見つめた。
受付のお姉さんは受付の席から離れてパンヤへと近づいていき喉を鳴らした。
「うっ、うーん」
パンヤは受付のお姉さんの方を見る。するとお姉さんの方から話しかけた。
「今日はどんなお仕事をされるんですか?」
パンヤは「にゃー」とだけ言って掲示板の方に視線を移した。
「何かちょうどいい任務があるのではないでしょうか」
「にゃー。そんなものもあるかもしれないんだにゃー」
パンヤに一枚の貼り紙に指をさすお姉さん。
「あっ、こんなところに黒猫のパンヤさんだからこそできるお仕事が!」
「にゃー。困ったんだにゃ」
パンヤは大人しくその貼り紙を手に持って受付を済ませたのであった。
〇
広い庭つきで塀に囲まれた二階建てで赤い屋根の住居にたどり着くと早速パンヤはインターフォンを押す。
――ピンポーン。
すると子どものはしゃぐ声が聞こえてきた。
――また来たー!
「にゃあ、また来てしまったんだにゃ」
使用人に案内されるとリビングへと通され待っていたハンプソンと娘のチャイルに頭を下げた。
「黒猫のパンヤ。ここに参ったんだにゃ」
すると嬉しそうに父親の服の袖を引っ張るチャイル。
「パパ、来てくれたよ! また来てくれた!」
ハンプソンは「そうだね、ご挨拶をしなさい」と言う。
「こんいちは。かわいい黒猫さん」
リビングには大きな水槽が設けられており、以前パンヤとチャイルで捕ったザリガニが入れられていた。どうやらパンヤとの思い出は大事にされていたらしい。これにはパンヤも嬉しくなる。
「こうなったらばっちり遊んでいくにゃ!」




