014 専用の依頼
朝の支度が終わるとギルドへ向かいどんな依頼が来ているか確認しに行くパンヤ。
「にゃー今日はどんな頼み事が来ているかにゃー」
冒険者ギルドでは様々な依頼が集まってくる。畑を荒らすモンスターを討伐してほしいやら、馬車の荷物を襲う山賊から守ってほしいなど、薬草を取ってくる依頼もある。本当に様々な依頼が飛び込んでくる。
そんな中パンヤは掲示板の一枚の張り紙が気になりじーっと見つめていた。
するとタップという冒険者仲間の男がやってくる。
「よおパンヤ。お? なんだなんかよさげな案件があったのか?」
パンヤが見つめる張り紙に視線が行くと、タップは「おいおい」と声を漏らす。
「これ、お前専用じゃん?」
依頼書には「冒険者の黒猫さんと仲良くなりたいです」と書かれ黒猫の絵が描かれた紙が貼りだされていた。依頼人は年齢が5歳の女の子の父親で、仲良くなりたいのは5歳の女の子らしい。
タップの方を見るとパンヤは「困ったにゃ」と言う。
「僕、こういうの困るんだにゃ」
タップはパンヤの頭を豪快に撫でまわす。
「いいじゃねえか。仲良くするだけで依頼達成だぜ? しかもお前専用で他の誰にも取られない仕事だ」
「にゃー困ったんだにゃー」
〇
タップとともに受付のお姉さんにその依頼書を持っていくと「任せたにゃん」と言って依頼書に判を押した。
「にゃー、任されてしまったんだにゃー」
依頼の受注が完了すると住所の紙を渡された。矢印通りに進むと依頼者が済む住居にたどり着けるということらしい。どうやら同じアーパーマ町に住んでいるようである。これはご近所さんだ。
広い庭つきで塀に囲まれた二階建てで赤い屋根の住居にたどり着くと早速パンヤはインターフォンを押す。
――ピンポーン。
すると子どものはしゃぐ声が聞こえてきた。
――本当にきたー!
「僕は本当に来てしまったんだにゃ」
そんな中インターフォン越しに紳士な声が聞こえる。
「やあ、来てくれてありがとう。今、案内に行かせる」
パンヤはインターフォンの前でひたすら待った。




