アクアペルムでの異変と5年前の悲劇
雅一達はその内容を聞く。
レイラ「調べてほしい事?」
元正「あぁ、実はアクアペルムでとれる海産物がここ最近全く来なくなってな。」
元正「もう魚の在庫が無いんだよ。」
メル「そういえば、今各地で魚介類の物流が止まってるって言ってたっけ。」
元正「あぁ、アクアペルムは巨大な港町でほとんどの魚介類がそこから水揚げされて、
各地へ運ばれるんだが・・・。」
雅一「それが全く無いと・・・。気候が変わって魚の生息環境が変わったとか?」
元正「最初は俺もそう思ったが・・・。漁師の話によると、海中に巨大な影があるとかないとか。」
レッド「巨大な影?」
元正「その影はウミヘビのように細長くて、漁船の数十倍の大きさがあったという話だ。」
雅一「情報はそれだけなの?」
元正「残念ながら、現時点で伝えられる内容はここまでなんだ。」
元正「みんな影は見たという話はしているが、実際にその現物を見たものはいないらしい。」
ラフェスタ「アクアペルム周辺の海域に何か潜んでるのかも・・・。」
レッド「まぁ、その影が本当なら原因はおそらくそいつだな。」
レッド「メルさん、ギルドで何か別で情報入ってたりするのか?」
レッドがメルさんに質問するとメルは顔を赤らめながら返答する。
メル「ふぇぇ?」
レッド「め・・・メルさん?」
メル「あぁ、大丈夫大丈夫。ちゃーんと聞いてるからぁ・・・。」
元正「あーあ、またかよ。あんたお酒そんな強くないんだから・・・。」
メルは食事に出されたお酒で酔っ払っていた。
メル「ギルドでの情報ぉ?アクアペルムからの荷物が最近来ていないのとぉ・・・。」
メル「後、アクアペルムの取引業者から妙なことを聞いたのよねぇ・・・。」
雅一「妙な事?」
メル「それは~・・・。」
しかし次の瞬間メルは横になりすっかり寝てしまった。
元正「あぁあ、いわんこっちゃない。」
雷閑「一番肝心な所で寝るとは・・・。」
レイラ「仕方ないわ。まだ時間はあるし、また明日にでも話を聴きましょう。
元正「あぁ、済まないな。」
雅一達は食事を済ませて各自部屋へ戻ろうとする。すると元正雅一だけを呼び止める。
~雅一と元正の対談~
部屋には雅一と元正だけの二人だけになった。元正はお茶を出し、両者座って話をし始める。
雅一「それで元正さん、なぜ俺を呼び止めたの?」
元正「実は、君にはあることを伝えておこうかと思ってね。」
元正「バイラズ帝国の現当主ブラッドについて。」
その事に雅一は少し食い気味に話を聞く。
雅一「な、何か知っているのか?」
元正「雅一、悪いことは言わねぇ。今すぐバイラズ帝国との戦いを諦めてくれないか?」
その事を聞いた雅一は流石に疑問に思う。
雅一「どうして、そんな事を言うんだ。今バイラズ帝国がやっていることを見て見ぬ振りを
しろとでも?」
元正「あぁ、そうだ。」
しかしその提案に雅一は反対する。
雅一「それは出来ない相談だね。そもそも俺はすでにバイラズ帝国の刺客と2回も戦ったんだ。」
雅一「それに、ラフェスタとも約束したんだ。それを今更やめますなんて出来るわけない。」
元正「まぁそうだろうな。でも今から聞く話はおそらく彼らにはショックがでかすぎる。」
元正「だから雅一だけに話そうと思ったんだ。」
雅一は少し考えるが話だけは聞くこととした。
元正「あれは今から5年前、この世界に私を含めて30人ほどの人が日本からこの世界にやってきた。」
元正「彼らをこの世界に集めたのは、バイラズ帝国の陰謀を阻止して世界を救うこと。」
元正「提示された報酬はとんでもない額で、彼らはそれに目がくらみ、バイラズ帝国に
戦いを挑んだ。私も正直その一人だ。」
雅一「じゃあ元正さんにも何かしら能力が?」
元正「いや、私は特に何も能力はなかったんだが、その場の流れに流されてね。」
元正「話を戻そう。その後私を含めて30人の異世界人集団はその圧倒的な能力を使い、
次々と敵を蹴散らしてついに最高幹部の所までたどり着いたんだ。」
雅一「それで戦いはどうなったんだ?」
元正「最初は優勢だと思われたんだ。こちらの戦力には、【圧倒的な回復能力スキル】や、
【言った言葉が現実となるスキル】【相手の能力を100%奪うスキル】さらに【敵の攻撃を数百倍に
跳ね返すスキル】など正直、負ける要素なんて何一つなかった。」
元正「俺はその戦いを岩陰から見ることしか出来なかったけど、俺も負ける可能性なんて
全く考えてもなかった。」
元正「だけど・・・。」
~5年前:バイラズ帝国近郊~
異世界人A「な、なんでだよ!おかしいだろ!」
フローエル「おかしい?一体何のことかな?」
異世界人B「あんな攻撃を食らって傷一つついてないってどうなってんだ!?」
異世界人C「俺の言霊スキルも全然効いてないし・・・!」
異世界人達は自分達の能力が全く持って最高幹部に対し効果が無い事の現実を目の当たりにし、
混乱し始める。
豪儼「前情報だと、圧倒的な能力持ち集団が攻めて来ると聞いて少しは期待したんだが。」
ファルン「どうやら、全くの期待外れ。なんなのさっきから「潰れろ!」とか「死ね!」とか。」
ハグラ「あぁ、それはただの言葉さ。なんの効果もない。」
異世界人D「ちょっと、あんたのスキルでアイツラの能力奪えないの?」
異世界人E「何度もやってる!でも全く奪えないんだよ!なんでだよ!100%だろ!?」
フローエル「はぁ~。本当に醜いね。結局アホな能力にしか頼れない者達は結局この程度
ってことね。幻滅。」
ファルン「どうする?このまま見逃す?」
豪儼「コイツラが先に仕掛けてきたんだ。けじめつけてもらおうか。」
異世界人F「畜生、なんでコイツラに俺達のチート能力が通じねぇんだよ!」
ハグラ「なんだ?まだわからないのか?」
ハグラ「答えはいたって単純さ。お前達が弱すぎただけだ。」
その次の瞬間豪儼がこん棒の一撃を一人に入れる。するとその一人は一瞬のうちに
跡形もなくなってしまった。
異世界人D「ぎゃああああああ!!」
異世界人A「おい!嘘だろ!?あいつ絶対防御魔法でどんな攻撃も聞かないんじゃ!」
豪儼「これが?ブラッドの絶対防御魔法と比べたら脆いものだ。」
異世界人E「お、おい、早く蘇生を!」
異世界人G「だ、駄目!全く・・・効果がない!なんで!」
ハグラ「はぁ、勝負あったな。フローエル、豪儼。もう手出さなくても良いか?」
フローエル「ふふん、後の残飯処理は任せて。」
豪儼「こんな奴らお前達の手を借りるまでもねぇ。」
ハグラ「じゃあ、帰ってご飯でも食べるか。ファルン行くぞ。」
ファルン「はいはい。」
二人はさっさとその場を離れた。
フローエル「さーて、さっさと終わらせよう。」
異世界人達「う、うわああああ!!」
~現在~
元正「その後のことは・・・あまりにも地獄だった。彼らは一人また一人と殺されていった。」
元正「あまりにもエグい光景に俺はすぐにその場から逃げてなんとか助かったが・・・。」
雅一「30人の・・・チート能力持ちが・・・全滅・・・。」
元正「あぁ、この世界は俺達のような転生者に希望を抱くものは数多い。だが、
この件がきっかけでバイラズ帝国に誰も歯向かおうとしなくなったんだよ。」
雅一「そ・・・そんな事が・・・。」
元正「嘘のような話に見えるが、これが現実さ。」
元正「俺がお前にバイラズ帝国に挑むのとやめたほうが良いと言う理由もわかるだろ。」
雅一は元正からの話を聞いて流石に震えが止まらなくなった。




