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第56話 まさかの正体=司会者?!

その頃――。 カイトが3メートルの大巨人と化したグリモの超質量打撃と、己の肉体一つで真っ向から激突していた階層とは、またさらに別のフロア


ズガズガッ、ズドン!!! 


大ホールの床を豪快にぶち破られ、凄まじい衝撃と共に真っ逆さまに突き落とされたリンクもまた、ジンやカイトと全く同じように、敵の容赦ない不意打ちに力任せに押し切られる形でどんどん下の階へと落下していっていた 


「うわああああっ!?」   


リンクは落下しながら、自身の愛用するチェーンを構え、何とか致命傷を避けるために必死で身を護っていた


しかし、頭上から迫る重圧は凄まじく、何枚もの頑丈な床を突き破りながら、ビルの深部へと強引に引きずり込まれていく


だが、リンクはただただ無様に落ちていたわけではなかった。落下しながらも、リンクの武器であるチェーン(鎖)を使って敵にチェーンを巻きつける


ジャラジャララッ!!! 


金属特有の小気味良い、しかし鋭い音を響かせながら、リンクの放ったチェーンが暗闇の中で敵の体に正確に巻き付き、その動きを封じることに成功した。


そして、その反動を利用してやっとの思いである階に放り出されるように着地する


ドォォン! 激しい土煙と共に、リンクはようやくひとつのフロアへと着地し、それ以上の落下をなんとか食い止めた


「あっぶねええ!スバルを守るために咄嗟に前に出たら、まさかこんなところまでに落ちるなんて……!」 


リンクが痛む首をさすりながら、咄嗟にチェンを構えて前方の警戒する。


 リンクが敵の方を見ると、そこにはある女性が立っていた


「……?誰?」  


ゆっくりと周囲の土煙が晴れていく。その向こうから現れた敵の姿を目撃した瞬間、リンクは思わず拍子抜けしたように目を見開いた


そこに立っていたのは、リンクが知るはずもない、つい数分前まで地上の大ホールで華やかにマイクを握っていた人物だったからだ


「……びっくりしたわ……。まさか、チェーンで縛られるなんてね……」   


暗闇の中から、鈴を転がすような、しかし酷く冷たい声が響いた


そこにいたのは、なんと結婚式の司会者であったミアだったのだ


しかし、今の彼女には、先ほどまでの天真爛漫なミアとは違い、少し色気がありながらも、冷徹な表情を浮かべていた。あのハキハキとした明るい司会者の顔は完全に消え去り、そこには獲物を冷酷に見つめる人殺しの目をしていた


ミアは妖艶な笑みを浮かべ、クスクスと笑い出すミア


「…女性か…俺は女性に対してチェーンで振り回すことはできなねえよ!」


リンクがミアに向かって騎士道を見せると、ミアは口を開く


「あら、女の人相手に男のプライドを見せようとしているみたいだけど……」 


ミアは冷徹な表情を浮かべ、クスクスと笑う。 


リンクは自身の唯一の武器であるチェーンをジャラジャラと引き戻し、再び構え直した。


纏うオーラはさっきの司会者とは完全に別人のそれだった


「……気心は男前ね……。だけど、いつまでその余裕が保てるかしら?」 


ミアが妖しく目を細めた、まさにその刹那だった

ミアが短く息を吐くと同時に、彼女の姿がその場から完全に消え失せた


「――しまっ……!?」 


するとミアはいきなりスピードを上げてリンクに猛突進する


常軌を逸した超高速で、ミアはリンクとの間合いを一瞬でゼロにした


一体、彼女はどんな能力を隠し持っているのか。何を使って攻撃してくるのかはまだわからない


その底知れない不気味さが、暗闇のフロアに張り詰めた緊張感をさらに加速させる


妖艶かつ冷徹な暗殺者ミアの謎に包まれた実力を暴き、打ち破るための、命がけの防衛突破バトルが、今まさに本格開戦しようとしていた――。

次は明日の18時ごろに投稿します!

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