第52話 耐えろ!スバル
「やあああ!」
スバルはめり込ませたガルドラの顔面をめり込ませたまま力任せに吹き飛ばす
そして、吹き飛ばされたガルドラは壁ギリギリのところで受け身を取り、致命傷をさける
「な、ぜだ……なぜ俺に攻撃を……!?」
ガルドラはスバルの左拳の跡がついたを顔面を触りながら、うろたえた声を漏らした
ガルドラの『白粘質の肉体』は、触れたものをすべて粘着させ、あらゆる物理攻撃を無効化する絶対無敵の能力のはずだった
それなのに、右腕で触れられると肉体がまるで泥のようにふやけ、崩壊していき、左腕で触れられると硬くなってしまう
「なぜお前が、俺の肉体に攻撃を……」
ガルドラはスバルが攻撃を与える方法を何も持っていないと思い、簡単にスバルが間合いに入ることを許し、攻撃を与えられてしまった
ガルドラはうろたえながら、必死に頭を回転させようとするが、目の前の現実がそれを拒絶する
スバルに殴られたところが痛み、信じられないと言うような表情になるガルドラ
スバルは不敵に、そして意地悪くニヤッと笑ってみせた
「お前が気づかなかっただけだ、ガルドラ……俺の右腕に温泉のお湯がついているなら、左手もお湯がついているわけじゃねえ……」
と叫ぶスバルを聞いたガルドラはさらに驚愕の表情になる
「何?…」
スバルは左拳をさらにガルドラの顔面に深く押し込みながら、楽しげに声を上げた
「……俺の左手には、お前を倒すための『もう一つの弱点』を塗ってたんだよ、ガルドラ!」
――時計の針は、ほんの数分前へと巻き戻る。
*
【数分前、39階、お風呂場にて】
「あっちぃぃぃ!!! なんだよこのお湯、熱すぎて我慢できねえよ!」
パレット・カンパニー本拠地の39階にある巨大な大浴場。その一角で、スバルは右腕にあっつあつの温泉のお湯に自分の右腕を浸し、文字通り悲鳴を上げていた
「スバル! 左腕もお湯につけんのか!?」
リンクが不思議そうに尋ねる
「いや、風の能力を使わねえならもう一つの弱点の熱を使いてえんだ左腕を熱くさせれるところとかねえのか?」
カイト達の方を向き、聞くスバル
「うーん…あっ そうだ」
何かを考えた後、何かを思いついたように声を上げるジン
スバルは表情がパッと明るい表情にしなり、口を開く
「そうか!じゃあそれはどこだ?」
するとジンは大浴場の奥にある「別の扉」を指差した
「ああ、あそこだ」
ジンの指差す先を見たカイトは呆れたような、しかし納得したような声を漏らした
スバルも指差すほうを見るとそこにはもう遠目からでも分かる、もうもうと熱気がこもった『サウナ』の扉があった
「え? サウナ……? それ、それがどうかしたのか、ジン?」
スバルが首をかしげる。ジンは不敵に笑いながら、スバルの背中をポンと叩いた
「風の能力を頼らないって言うなら、熱をまとうしかないだろ?だったら、スバル。お前はその熱気がこもったサウナに突っ込んで、左腕を極限まで熱してこい」
「え?ほんとにここに入んのか?…」
驚く表情を浮かべ、拒否するような顔になるスバル
それを見たカイトはため息をつき口を開く
「早くしろ、エリスが結婚しちまうだろうが」
そう言うと、カイトはスバルを蹴って無理やりサウナに入れさせる
ガチャン!
と扉が閉められ、スバルは超高熱のサウナ室へと閉じ込められた
「アッツアッツッ!!! 死ぬ!死ぬ!!! めちゃくちゃ熱い――!!!」
サウナの中からスバルの絶叫が響き渡るしかし、スバルはガルドラを倒すため、エリスを救い出すため、ただじっと耐え続けた
「めちゃくちゃ熱い――!でもガルドラを倒すためだ、うおおおーーーー!」
超高熱のサウナの中で、スバルは左腕を熱気のこもったストーブの目の前に近づけ、熱を極限まで蓄積させていった
右腕はお湯による「溶解」、そして左腕はサウナによる超高熱の「乾燥」
即席かつ最凶の『ガルドラ絶対倒す仕様』の右腕と左腕が、ここに完成したのだ。
次は明日の18時ごろに投稿します!
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