第49話 弱点
「ボンドに……弱点がある? そんなのあるのか?」
病院のベッドの上で、スバルがポカンとした顔でジンに問いかけた
その隣では、カイトとリンクも同じように首をかしげている
「ああ、奴の能力が本当にボンドなら、ボンドには明確な弱点がある
……昔、親父が俺のために玩具を作ってくれた時、俺も手伝ってたんだが」
ジンは少し懐かしむように目を細め、言葉を続けた。
「俺は間違えて、ボンドが手にべっとりと付いちまった。どうしようと思った時に、親父が言ったんだ
『おいおい、どんくせえな。ボンドがついちまったのか、じゃあここに浸けろ。そしたらすぐ取れる』
そう言って、親父はお湯を張った桶を持ってきて、俺の手をその中に入れさせたんだ。そしたら、ボンドがすぐに取れたんだ」
「つまり……お湯ってことか?」
リンクが驚いたようにジンの顔を見つめる。ジンは深く考えるように頷く
「ああ、そういうことだ、つまり、ボンドの弱点はお湯…そしてもう一つ、もう一つ弱点がある」
ジンがそう言うとみんながジンの方を向く
「えっ?!本当かよジン!」
スバルが驚くように言うとカイトとリンクも口を開く
「お湯以外にもあるんだな」
「ああ、思ったより弱点ってあるもんだな」
とカイトとリンクも驚いたように言う
「ジン!もったぶらずに早く言ってくれよ!」
と、スバルがウキウキしながら言う。それを聞いたジンは口を開く」
……あぁ、それはな……」
*
場面は戻り、現在の結婚式会場
「――ってな感じが、俺たちの秘策だ! お前の弱点はお湯! お湯にあたったら、お前のネチョネチョした腕はふやけて水みてえになる!」
スバルが大声でガルドラに言い放つ。 ホール全体にスバルの声が響き渡る中、ガルドラは一瞬の静寂の後、嘲笑し始めた
「ふっ……ハハハハハ! 俺の能力がボンドだと気づくとは、たいしたものだ! まさか俺の能力の弱点がお湯だったとはな……!」
ガルドラは涙を流しながら嘲笑する
「つまり、お前の右腕にはお湯がついているのか……? そんなもんが、どこからかっぱらってきたんだ!」
ガルドラが声を上げると、スバル達はそんな嘲笑を、不敵な笑みで受け流した
「ここに来るまで……一個下の階、39階のお風呂場から取ってきたんだよ!」
スバルがニカッと笑って、自分の右腕を掲げてみせる
そう、彼らが最上階の一個下の39階で、スバルが
何か忘れてる、お風呂場……?
とボヤいていたあの瞬間。スバルはジンの言葉を思い出し、風呂場に行き、そのお湯を右腕にたっぷりと浸してきたのだ
「そうやって右腕に塗りたくってきたんだ!」
スバルがそう答えると、カイト達も口を開く
「まさか、そんな弱点あるなんてびっくりだぜ」
「俺なんて、俺から提案した案なのに忘れてた」
「結構あるもんだな、弱点って」
カイト達が、呆れ半分、感心半分といった様子で肩をすくめる
ガルドラの顔から、みるみるうちに余裕の笑みが消えていき、少し真剣な顔になる
「フッ……なるほどな。しかし貴様らは大事なことが抜けている。それは守りはあっても攻めがない……! どれだけ貴様らが攻撃を受け流そうとも、俺に攻撃が当たることはない!」
ガルドラが鼻高々と言い放つ
ボンドの腕が液体化して攻撃が無効化されようとも、
ガルドラ自身の俊敏性やチート染みた身体能力があれば、スバルの攻撃を避けることなど造作もないという理屈だ
しかしそれを聞いたスバルは不敵に笑って見せる
それを見たガルドラがイラつくような顔を見せる
「なんだ?何がおかしい?」
「……もう一つあんだよ!お前の弱点はよ!」
スバルは、ジンのニヤッと笑う顔を横目で見ながら、ガルドラに向かって一歩を踏み出した
「俺はまだお前に言ってねえんだよ、ボンドのもう一つの弱点をよ!ガルドラ!」
次回は明日の18時ごろに投稿予定です!
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