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第30話 エリス、謎の過去

「じゃあ話してくれ、全部…」


スバルがそう言うとエリスが口を開く


「まず何から喋ろうかな…知ってるだろうけど」


「パレット・カンパニーだろ?」


そこに割って言うスバル


「そうよ、この街は農作物、経済、兵器、名声、全てがこの東大陸の全部が集まってる……全てがね、そしてこの街の市長、ガルドラはこの街を裏で動かしている支配者よ」


「支配者?支配されるのか?結構いい街に見えるけどな」


不思議そうに言うスバル


「言ったでしょ、裏でって、表では慈善事業やこの大陸の経済、いわば英雄扱いよ、裏では兵力を担い、

裏社会の権力者、」


「あいつは何をしようとしてるんだよ!」


「私もわからない、やつが何をしてるのかは誰にもわからない」


かそんで聞きてえことがもうひとつあんだよ、なんで

俺らをつけてたんだ?」


スバルがエリスに聞く


「あいつは自分の目的のためならなんでもしようとするあいつは慎重だからね 、全ての可能性は捨てたいのよ、自分に降りかかる脅威は…あなた確かシルバー星1でしょ?」


「えっ何それ?」


何も知らずきょとんとするスバル


「あなた知らないの?!あなた最近危険数値をつけられてたわよ?」


「えっほんとか!よっしゃー!」


無邪気に飛び跳ねるように喜ぶスバル


一パレット・カンパニー本社一


パレット・カンパニーの本社の社長室でガルドラが

机で音量機からエリスにつけた盗聴器からスバルとエリスの会話を盗聴する


「フッ…やはり裏切ったか…おい!兵士ども!」


兵士を呼ぶガルドラ


「はっ!ここにいます!」


屈強な男が兵士と共に社長室に入ってきて跪く


「フュード…お前らの隊を送り込め…C一104番地の

路地裏にある一人の男を殺してエリスを連れてこい…」


「承知いたしました!いくぞ!お前ら!」


「おう!ー」


フュードが兵士たちに鼓舞するように言うとそれに応える兵士たち


一その頃スバルは一


「そうか!シルバー星一付けられたのか!よっしゃー! 俺もう名前が売れたのか!」


飛び跳ねるように喜び続けるスバル


「はあ・・・数値をつけられるのって世界か

ら狙われることになるのよ?わかってるの?」


呆れたように言うエリス


「まあ俺は世界の全てを見に行くって決めたんだそのくらい覚悟ができてるさ、お前が困ってるなら世界がを敵に回したって助ける!それがダチって言うもんだろ?」


「……!」


それを聞き何かを思い出すようにエリスの頭の中に溢れ出す過去の記憶


脳裏に蘇るのは、まだ背の低かったエリスの幼い頃の記憶 


一12年前一


夕日に照らされた厳格な書斎で、ある男はエリスとルカを見下ろしながら、静かに、だが重みのある声で語りかけてきた


「エリス、ルカ……」


「なあに?」 


エリスが無邪気に小首をかしげると、隣に立つルカはすでに神妙な面持ちで前を見据えていた


男は二人の瞳を真っ直ぐに見つめ、静かに言葉を紡ぐ


「お前達は、この街を守らなければならない」


「なぜですか?」 


疑問を口にしたのはルカだった

幼いながらも物事の本質を見抜こうとする彼の瞳に、男は低く笑って応じる


「それが、この家に生まれてきた責任というものだ」


一度そこで言葉を切ると、男は少しだけ表情を和らげ、どこか遠くを見るような目を添えた


「……しかし、絶対とは言わない」


「責任というのは、果たさないといけないものなのではないのですか?」


ルカが不思議そうに眉をひそめる。子供らしく、しかしませた純粋な疑問に、男は


「ははっ!」


声を立てて笑った、その笑い声には、どこか自嘲気味な響きが混ざっていた


「やはりルカは賢いな。――だがな、責任というのは身勝手なものだ。口先だけなら『責任を取る』なんて簡単にできる。しかし、全てをまともに抱え込もうとすれば、いつか必ずしんどくなる。だからな、逃げたい時に逃げればいい」


「……逃げても、いいんですか?」 


エリスの言葉に、男は優しく首を振った


「だけどね、全てから逃げればいいってもんじゃない。だからこそ、自分の人生の目的を見つけろ。それが私からお前達に言える、唯一の『指標』だ」 


男は大きな手を二人の頭に置き、くしゃりと髪を撫でた


「でも、実際に生きるのはお前達だ。自分たちの道は自分たちで決めろ。人の上に立つのもよし、人の下で働くのもよし!」 


拳を握り、あの人は熱を帯びた声で言葉を続ける。その教えは、今でもエリスの胸の奥に深く突き刺さっている


「もし上に立つのなら、指導者として従者達のことをちゃんと考えるように。そして、もし誰かの下につくというのなら――全力で指導者を選べ。お前らが選んだ相手なら、私は間違い無いと思う。こいつだ、と思うやつを選べ! そして迷わず突き進め!」


「「はい!」」 


エリスとルカの声が、綺麗に重なって書斎に響いた。 ――それが、あの人が遺した最後の教えだった。


意識が急速に現実へと引き戻される


一現実一


薄暗く、泥臭い路地裏の空気


目の前に立つスバルの姿を見て、エリスは胸の奥から湧き上がる確信に突き動かされていた


「っ……!」 


思わず、込み上げる感情のままに声が漏れる


「どっどうした!大丈夫か?」


「だっ大丈夫よ…会えたのがあなたでよかった」 


(エリスの心の中)


あの人の言葉が本当なら、この人こそが、自分が命を懸けてついていくべき指導者…!


エリスは歩み寄り、さらに言葉を重ねようとした。


「もう一つ、重要なこと教えるわ。それは――」 


「――ガタガタガタッ!!!」


突如、静寂を切り裂くような激しい駆動音が路地裏に響き渡った。激しく車輪を軋ませながら、一台の馬車が狭い路地へと強引に突っ込んでくる。


「いたぞ! あいつだ!」


「囲め! 逃がすな!」 


怒号とともに、馬車から、あるいは周囲の屋根や路地の影から、一斉に男たちが飛び出してきた

その数、およそ二十人。全員がギラリと鈍い光を放つ刀を抜き放ち、スバルとエリスを完全に包囲する


「こいつら、ガルドラのとこか……?」 


スバルは即座に身構え、鋭い視線で敵の紋章を睨みつけた。 予想外の大軍を前に、エリスの身体が一瞬すくむ


「た、多分……」 


喉がぎゅっと縮まり、少し怯えるようにルカの背中の後ろへと身を隠しかけた。冷たい汗が背中を伝う 


スバルは一歩前に踏み出し、拳を構える


「じゃあ……いっちょやるか!」 


二十人の刃を正面から見据え、スバルは不敵に唇を釣り上げた。


次は明日の18時ごろに投稿します!

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