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世界ログ:観測者ゼロ  作者: Y.M
真・最終章

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49/55

「読者がいる世界」

「お前の物語、

 まだ終わってないぞ」


その言葉に。


ノア


の瞳が、

大きく揺れた。


今まで。


ずっと。


終わったと思っていた。


誰もいなくなって。


世界は灰色になって。


空には終末しか残っていなかった。


でも。


今。


瓦礫の街には、

人々が立っている。


「ノア様!!」


「よかった……!」


「まだ、

 消えてなかったんだ……!」


その声を聞いた瞬間。


ノアの頬を、

涙が伝った。


空へ、

新しいログが浮かぶ。


【UNKNOWN STORY】

状態更新:


“再連載状態”へ移行


クロウが吹き出す。


クロウ


「再連載ってなんだよ!!」


アキが肩をすくめる。


白紙アキ


「物語的にはかなり重要」


ユイが少し笑う。


白銀ユイ


「なんか、

 打ち切り漫画みたい」


ノアだけは、

まだ信じられない顔をしていた。


「……戻れるの?」


レンが頷く。


「戻す」


「お前の世界を」


その瞬間。


空の巨大な“作者の手”が、

再び動いた。


今度は明確な敵意。


世界を、

強引に閉じようとしている。


最終観測者が、

低く響く声で言う。


『未完結の延命を確認』


『修正難度:

危険域』


空の裂け目が広がる。


その向こうに。


巨大な白い空間。


無数のページ。


無数の物語。


そして。


ぼやけた“人影”。


レンが目を細める。


「あれが……

 本当の作者か」


アキは首を振った。


「違う」


静寂。


アキは、

珍しく真面目な顔で続ける。


「“作者たち”だ」


その瞬間。


空間全体が震えた。


裂け目の向こうには。


無数の影。


机へ向かう者。


途中で消える者。


ページを閉じる者。


何かを書き続ける者。


物語を書いた存在たち。


クロウが息を呑む。


「マジかよ……」


ユイも、

圧倒されていた。


「あんなにいるの……?」


アキは静かに言う。


「世界は、

 誰かが書いた数だけある」


「でも全部が、

 最後まで続くわけじゃない」


ノアが、

震える声で呟く。


「……私の作者は」


アキは答えなかった。


その沈黙だけで、

十分だった。


その時。


裂け目の奥から、

低い声が響いた。


『なぜ、

終わった物語を引き戻す』


世界が震える。


文字そのものが、

圧力になる。


レンは、

白いペンを握る。


怖い。


相手は、

世界を作る側だ。


自分たちは、

作られた側。


本来なら、

逆らえるはずがない。


でも。


レンは、

ノアを見る。


住民たちを見る。


ユイたちを見る。


そして。


静かに言った。


「終わってないからだ」


空気が止まる。


レンは続ける。


「読者がいる」


「続きを望んでる奴がいる」


「だったら、

 それはまだ生きてる」


その瞬間。


UNKNOWN STORY全体へ、

光が走った。


住民たちの周囲へ、

白い文字が浮かぶ。


【続きを希望しますか?】


住民たちは、

迷わなかった。


「生きたい!!」


「終わりたくない!」


「この世界を残したい!!」


叫び。


願い。


感情。


それら全てが、

空へ撃ち上がる。


【観測者数:


387 → 12094】


クロウが叫ぶ。


「増えすぎだろ!!」


アキが笑う。


「世界全体が読者化してる」


崩壊率が、

急速に下がっていく。


【51% → 28%】


そして。


初めて。


空の“作者たち”が、

沈黙した。

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