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「とある少女の『旅』物語」~これは『魂』の声を聞く一人の少女が、自分の『旅路』と向き合う物語~  作者: たっけん


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面白い新人

目の前に広がる廃坑の入口をアウレアが眺めている。

「さて、行くか。一体ここで何があったのか、、、。はっ!楽しみったらありゃしない」


アウレアは、辺りの気配に注意を払いながら廃坑の道を進んでいく。

だが、近くに鉱石竜が居るような気配はしない。

「鉱石竜はどっか行っちまったのか、、、?」


薄暗い廃坑の中をさらにしばらく進んでいくと、少し開けた空間に出る。

魔導灯の淡い光が辺りをぼんやりと照らしていた。

空間の奥にある通路の入口からは、濃い瘴気の気配が漏れ出ている。


「、、、ここか?」


空間の一角の影になっている場所から、瘴気が溜まっているような気配が漂っている。

気になってそちらの方へと歩いて行くと、大きな塊のようなものが地面に転がっている。

「、、、まさか。はっ!マジかよ。想像以上に面白いことになりそうだ」


大きな塊、、、鉱石竜に近づいてみるが、確かにもう死んでいる。

「致命傷は、、、これか。なるほど、あの影狼がやったのか」


鉱石竜の首元には、大きな獣が噛みついたような牙の痕が残っている。


「だが、これは別にどうでも良いな。そんなことよりも、面白いのはこっちだ、、、」

鉱石竜の堅い鱗。

それが、あちこち抉れて焦げている。


「、、、魔法、か。 焦げていることを考えると、炎系か雷系のやつか」

アウレアは、何かを考えこむようにその傷跡に触れる。

「Fランクの新人が鉱石竜の鱗を魔法で貫いたってか? それも、魔導士ですらないのに?」

アウレアは、口元に笑みを浮かべる。


魔導士ならば、【魔力操作補助】と【魔力増幅】の職業技能を持つ。

その名前の通り、魔力操作の精度と魔力の出力を底上げする能力。

それは、魔法の扱いを極める魔導士にのみ与えられる特権。

もちろん、契約術士は持たない技能。


「、、、本当に面白いな」


その時、視界の端に魔導灯の光を反射して光る何かに気が付く。

試しにその方に向かうと、それは地面に転がる一振りの剣だった。

そして、その周りには固まった血の跡が広がっている。

「あの嬢ちゃんのか、、、」

何かが引っかかる。

何か大事なことを忘れているような感覚。


話に聞く限り、その新人は瀕死でギルドに運び込まれたはずだ。

それに、あの嬢ちゃんは「最後どうなったのか分からない」と証言したと爺さんは言っていた。

そして、契約獣の影狼が主人を助け街まで運んだ。


「契約術士が、契約獣より先に倒れた、、、?」

もし、あの影狼が鉱石竜との戦闘を拒み主人を見捨てたのならまだ分かる。

しかし、鉱石竜にトドメを刺したのは影狼、、、。

あの傷の他にも、鉱石竜にはいくつも爪や牙の痕が見受けられた。

それはつまり、、、

「主人のあの嬢ちゃんが先に倒れて、それでも影狼が戦い続けてトドメを刺した、、、?」


調べて考える程、どんどん面白いことが出てくる。

「ま、後は本人に会わないと分かんねーな。帰ったら爺さんに嬢ちゃんに会わせてもらえるように頼んでみるか。今は、仕事の続きだな」

アウレアは空間の奥、瘴気の漏れる通路に目を向ける。

「ちゃんとあっちの様子も見に行かねーとな。早く帰りたいがしょうがない」

そういって、彼女はのんびりと歩き出した。


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