なんだこのクソゲー!? sideハゲロ
多分憑かれてるんだと思います。……ハゲに
『エターナル・グロウ・オンラインの世界へようこそ』
んあ? 目が覚めるとそこには真っ白な空間と一つの白い椅子があり、そこに一人の少女が座っていた。
俺は床で寝転がっていたようだ。どこだここ? ああ、ゲームをしてるんだったな、俺は目の前の少女に注目した。
その少女は真っ白な髪をしていた。白髪とかそういうのではない、寧ろ輝いて見えるな。若い頃の俺もあんな風に輝いてたんだろうか? そんなこと下らないことを考えていると少女は蒼い双眼を開いた。
『エターナル・グロウ・オンラインの世界へようこそ、私はエターナル・グロウ・オンラインの管理を任されているAIの一体"アイリス"と申します』
そういってお辞儀をするアイリスというAI、その人間と遜色ない動きに俺は驚いた。他のゲームのことはよく知らないが、ここまで誠実に再現するとは最近のメーカーってのは凄いんだな、そこの社員は目の前の美少女を作るためにさぞかしこき使われたに違いないクソが。そう考える美しい顔立ちも醜く見えてくるんだから不思議だ。あれだな、性格歪んでんな俺。
それから数分に渡ってエタグロの世界の説明を受けた。20あるワールド、無限に存在するジョブ、強力なモンスター……そして腕に付いた"ドライブ"。
『ドライブはあなたの内秘めた才能を開花させ、それを更に昇華させるモノです。ドライブは言うなればあなたの分身です』
分身か……
『これで説明は以上です。何か質問はございますか?』
「あ……ああ、知り合いがW7に居るらしいんだが、同じワールドにできるか?」
間違って他のワールドに行ってでもしてみろ、後で延々と愚痴言われるのが想像に容易いな。
「はい可能ですよ、ではワールドは7でよろしいですね?」
「ああ、問題ない」
『キャラクターデザインはどういたしますか?』
キャラデザか……、リアバレは避けたいが適当にしても問題ないだろ。
「あー……弄るのめんどうだし金髪に換えるだけでいい」
『畏まりました』
アイリスが手から謎のビームを出し、それが俺を包むと次の瞬間俺の髪は黒からくすんだ金髪に変わった。っておい
『では最後にあなたのお名前を教えて下さい』
さらりと無視しやがったこいつ……
こんなヤツが最初に出逢うなんて俺って対人運ねぇなクソが。
はぁ……そういえば小学校のクラス替えの時も何故か俺の隣は可愛い女子が多かった。羨ましい? バカ言うな、俺の対人運の悪さ嘗めんなよ。まあ、その女子ってのが大抵クラスのアイドル的存在で、その隣の席の俺はよく話し掛けられる訳だ。またそれを好く思わない奴らが居るんだなこれがよ。小学生ってのは加減を知らない、俺のことボコボコにしてそのまま放置だクソが。思い出したらイライラしてきた……クソ共……いつか絶対泣かす
『あのー? 名前──』
運良く入れたそこそこの大学を卒業して、そこからは就職だった。全然採用されなかったけどなクソが。まあ、唯一入れた場所があのクソみたいな会社だったのは運の尽きだな……クソっ!
『名前を──』
遂に第二の世界ってやつに行くのか……これまでクソみたいな人生だったがこれで俺は変われるのか? 俺の頭にはハゲの憎ったらしい顔がちらつく。いつかハゲさす……
そんなことを考えていたからだろうか、俺はその時口から出た言葉を何度悔やむことになるか知るよしもない。
「あのクソ上司め……禿げろ」
『……では名前は"ハゲロ"で宜しいでしょうか?』
「ん? ああ……って、ちょっと待ちや『あなたのお名前は"ハゲロ"に決定致しました』」
なんで適当に返事したクソがっ!? ハゲロって何だよハゲロって!?
「ふざけんじゃねぇクソッ!!!?」
どう考えてもプレイヤーに付ける名前じゃねーだろがクソがっ! 訂正だクソッ! 性能……いや性格悪いわこのAI!
『どういたしましたか?』
きょとんとした顔をするアイリス、あざと可愛い……クソッ! こいつわざとじゃねーだろーな? つーか何か怒ってるか? 何でだよ!?
「変更だ変更! ハゲロ何て名前知り合いに見られたら嗤われるに決まってるじゃねーかクソッ!」
『ぶはっ!? ア、アニキぃーなんすかその名前www自分の頭皮を自虐する趣味でもあったんすかwwwww』
クソッ! 絶対クソみたいに嗤われるの確定だクソがっ!?
『訂正は受付けません。ではハゲロ様エターナル・グロウ・オンラインで楽しい出逢いを──』
「そんなのお前に最初に出合った時点で最あ……ってちょっ、おまっ!? く、クソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!?」
俺は為す術無くエタグロの世界へ跳ばされた。
バステト『こいつヤバいヤツなのです』
リン「ま、まぁもう少し様子を見てみるにゃん」
『教えてバステト先生!』
バステト先生『今日も始まったのです! バステト先生が!』
リン「バステト、これシリーズ化するつもりにゃ?」
バステト先生『そこっ! 私のことはバステト先生と呼ぶのです!』
リン「ば、バステト先生……にゃ」
バステト先生『うむ、よろしいです。では早速授業を始めるのです!』
リン「ドライブって何なのにゃー?」
バステト先生『ドライブとはプレイヤーの才能を開花させる媒体であり、それを昇華させる装置でもあるのです。後、最初は腕輪の形をしているのですよ』
終わり
リン「手抜きもいいとこにゃん!?」




