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マジックギミックス  作者: 神神神
3章 召集-統括会-
21/35

8人目のMG

第20話です。

今回は……少し長いかな?

よろしくお願いします。

「くっそ、眠いわー。昨日12時までハツキの家ではしゃいでたからなー」

 国立桜村工業高等専門学校第1学年であり、マジックギミックスでラックとして活動しているさかきたつはそんなことを言いながら登校していた。

-約14時間前-

「それでは、鷺村さぎむら透哉とうやの初任務達成及び南雲涼と共に無事に帰還したことを祝しましてー」

「「「「「「「「「かんぱーい!」」」」」」」」」

 透哉を除いた9人がハツキの声に合わせて叫んだ。

「おいおい、透哉、ノリが悪いな。せっかく初任務達成したんだし、打ち上げぐらいはしゃごうぜ」

 涼が透哉に近づいてそう言った。

「ああ……そうだな」

(もう入隊しちまったようなもんだし。しょうがない。ここはみんなのテンションに合わせるか)

 透哉はそう思っていた。

「ねえ、涼。さっき透哉に聞いたんだけどさー。無線機むせんき積んどいたジープ、爆破したんだって? 私たちが使っている無線機ってさー、1個12000円するんだよ? それってさー、どれだけの出費かわかってる? ねえ、わかってるよねー」

 突然結城美佳が怒りと呆れが混ざった、少し笑っているように見える表情で涼に近づいてきた。

 ジープとは、軍用車の1種である。

「あ……えー、それに関しては、その……まあ、ご愁傷しゅうしょうさまでしたということで……」

「なにが、ご愁傷さまでした、よ! それのおかげで無線サポートもできなかったし、2人とも死にかけていたんでしょ!? あれ新品だったんだから! 涼、今日は料理食べるの禁止! OK!?」

「ま……まじか……」

 涼が、俺もう生きているのがつらいぜ……、と言いたげな表情で透哉に助けを求めた。

 透哉は助けようか少し迷ったが、せっかく死にかけてまで頑張った涼を見捨てるわけにはいかなかったので、

「ま、まあまあ結城、涼も頑張ったんだし……」

 透哉はぎこちない感じで涼をフォローした。

「そうですか? まあ、先輩がそう言うならいいですけど」

 桜村高校新聞部1年の結城美佳はそう言って涼と透哉の元から離れていった。

「ありがとう! 透哉、この恩は一生忘れないぜ!」

「おおげさだっての」

 涼は喜々とした表情で机の上に並べてある料理を次々と食べていった。

「やあ、初めまして、ですね。鷺村透哉さん」

 そう言って透哉に近づいてきたのは榊龍弥だった。

「たつやって呼んでください。コードネームはラックです」

「よろしく、たつや。透哉って呼んで。敬語じゃなくていいよ」

「いえ、一応年上なので」

「ええ!? たつや、もしかして高1!?」

 透哉は驚嘆した。それは、たつやの風貌が18にはなっているであろうというぐらい大人びたものだったからだ。

 身長は恐らく180cm前後で、体格こそ細いように見えるが、筋肉量はそこそこのものであり、喧嘩けんかをすれば確実に透哉が負けるであろう。

「はい、高1です」

「年上か、同い年かと思った」

「はは、よく18ぐらいに見えるって言われます。ところで、透哉さんは、これからもマジックギミックスにいるんですよね」

 たつやは透哉がさきほどまでどうしようかと迷っていたことを聞いた。

 しかし、透哉の答えはもうこの時点で決まっていた。

「もちろん、これからもいるよ……。どうやら、僕も魔術師みたいだから……」

「……魔術補助演算用デバイス、ですか。本当に使えるとは思っていませんでした。ハツキがなにか勘違いをしているんじゃないか、って……。でも、本当に使えたんですね」

 透哉に魔術補助演算用デバイスを渡すように涼に促したのはハツキである。どうやらハツキは任務が始まる前から透哉が魔術を使えるということを見抜いていたらしい。

「なんでハツキは透哉さんが魔術師だってことを見抜いていたんでしょうか」

「さあ……なにか、秘密にしていることがあるのかもしれない」

「秘密にしていること……聖剣戦争のことぐらいしか思い浮かばないけど……。まあ、とりあえず、今日は楽しみましょう。初任務達成、おめでとうございます!」

「ああ、ありがとう」

 透哉はこの組織の温かさに感化されながら打ち上げパーティーを楽しんだ。


「ほんと、1週間に一回ぐらいパーティーやるけど、いつも次の日は寝不足なんだよな……」

 登校中のたつやはまた愚痴った。

「ん? あれは……」

 たつやの目に入ったのは、住宅街の角を曲がりまくっている涼だった。

「今日もまた出会いを求めて奔走ほんそうしていらっしゃるのか……」

 たつやは声をかけずにスルーしてそのまま学校に向かった。


「よ、たつや、今日も早いな。学校が始まるのは9時からだってのに、いつも8時に来ているもんな」

 時刻は8時55分、すでに登校を終え、他のクラスの友達及び自分のクラスの友達との交流も終えて自分のクラスの自分の席で座っているたつやに話しかけたのは四宮しのみや海斗かいと、マジックギミックスのスコープであった。

「お前、もう後5分で9時だぞ。早く自分の教室に戻れ。それに、俺が早いんじゃなくて、お前が遅いんだ」

 たつやは電気工学科であるが、海斗は材料工学科である。

「遅いのはしょうがないだろ。朝は桜村高校の新聞配達があるんだからさ」

 高専は普通の高校に比べて学費が高い。

 たつやと海斗は親がいないので学費を免除してもらっているが、それでも全額は免除できないらしく、政府から支給される生活補助金やマジックギミックスのメンバーへの報酬金などをやりくりして学費を払っている。

 しかし、海斗の所属する材料工学科ではレポートなどを書く際に何かと物質という題材が重要となってくる。たまに涼に体の原子構成を変えてもらってそれをスケッチしたりして出費を抑えている。

 しかしそんな感じでレポートなどを書いたりしていてもどうしても限界がある。材料をつなぎ合わせたりする際に、涼の体を削り取るわけにはいかないからだ。

 そこで金が必要になってくるので、海斗は桜村高校の新聞配達というバイトをして、金を稼いでいるというわけだ。

「まあ、確かに新聞配達はきつい仕事だな。とりあえず、教室もどれ。そんだけ頑張ってアルバイトして学校行ってんのに、遅刻で退学になったら本末転倒ほんまつてんとうだろ」

「そうだな。じゃあまた後でな」

 海斗はそう言って教室を出ていった。

「ん?」

 突然自分の机の横にかけてあったカバンが振動したことに気づいて、たつやはカバンを机の上に置いた。

(電源切ってなかったのか……。……美佳から? 「統括とうかつかいから召集しょうしゅうが来たから学校終わったら集合」……か。また召集が来たのか。つい1週間前に来たばかりなのに……)

 たつやは携帯の電源を切り、統括会という存在からの召集頻度の多さについて考え始めた。

読んでくださり、ありがとうございました。

今回は打ち上げパーティーの回想と8人目のマジックギミックスメンバー、ラックこと榊龍弥の話でしたね。打ち上げパーティーの回想はこれからも描いていく予定です。

今回わけあって5時に予約投稿しましたが、ちょっと早く投稿したことに関して謝罪したいと思います。

感想や文章の指摘があれば送っていただけると嬉しいです。

ブックマーク等もお願いいたします。

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