魔術補助演算用デバイス
13話です。
少し短いです。
よろしくお願いします。
「50人目!」
荒野のど真ん中、南雲涼は革命軍を殴りながら叫んだ。
そこからロシア軍陣地のほうへ20mほど戻ったところ、その岩の陰に鷺村透哉は隠れていた。
「くそ……どうやって撃つんだよ、これ……」
涼から渡された銃口のない銃を見て透哉はそうつぶやいた。
と、そこで涼が戻ってきた。
「おーっと、危ない、当たるとこだったぜ」
涼はスライディングしながら岩の陰に隠れた。そのとき、敵の銃弾が涼の服にかすったが、涼自身には当たらなかったようだ。
「お、おい、涼、これどうやって使うんだよ……」
涼に銃口のない銃を突き出して透哉が言った。
「ああ、それ、なんか鈴が作ったらしいんだが、初希に、透哉に渡しといてーって言われただけで、使い方とかは全く分からねーんだ」
「は!? ちゃんと聞いとけよ!」
透哉は怒りを露わにして言った。
その銃は銃口がないこと以外は普通の銃なのだが、リロードするところ、つまりマガジンを入れるところがどこにもなかった。
「なんてもん渡しやがるんだ……」
「とりあえず俺は暴れたりねーからもう行くぜ。こっからは本気モードだ」
涼は腰にさげていたアサルトライフルを持って岩の陰を飛び出した。
(くそ、どうすんだよ……ん? これなんだ?)
透哉は銃のグリップの部分にセーフティとは違う何かの切り替えレバーがあるのに気がついた。
それは下の「no supply」の部分にあったので、透哉は上の「supply」の部分にレバーを上げた。
すると、銃身の少し掘り下がっている部分が光った。
「な、なんだよ、これ……」
透哉がとまどっていると、バン、という音と共に岩が崩れ、向こう30mほどのところから銃口をこちらに向けている男がいるのに気がついた。
「くそ、やるしかない!」
透哉は銃をその男に向けて引き金を引いた。
すると、銃の先に読み取れないような文字が円形に並んだ、魔法陣のようなものが出現し、レーザーのようなものが魔法陣から飛び出した。
レーザーは男の腹に直撃し、男はぐあっ!という声を出して3mほど吹っ飛んだ。どうやら気絶したようだった。
「な……これ、なんなんだ……」
透哉は驚いて銃をもう1度見た。
だが、そんな暇はなかった。敵の撃った銃弾が透哉の右腕のすぐ右を通り過ぎた。
「ッ! あぶねー……とにかくこっから逃げないと……」
透哉は11時の方向へ20mほど走り、そこにあった岩に隠れた。
そして再び銃を見た。
「銃から魔法陣……レーザー……どっかのアニメであったような……」
透哉は某アニメ化小説を思い浮かべた。
しかし、そんな暇もなく、その岩も崩れた。
「く……岩に隠れるより……立ち向かったほうが、副主人公としての株も上がるってもんだよな!」
透哉は岩から飛び出し、1時の方向にいた男をレーザーでなぎはらい、前方にいる涼の元へと向かった。
しかしそのとき、涼が後ろから殴られかけていた。
(! 危ない!)
透哉はとっさに銃を構え、引き金を引いた。
「しまった!」
しかし、レーザーの軌道上には敵の姿はなく、かわりに涼の姿があった。
透哉は涼を撃ってしまったと思ったが、そんな心配は必要なく、レーザーは涼に当たると同時に散開し、涼を包んでバリアのようなものを形成した。
涼のことを殴ろうとした男は銃を掲げて涼の頭めがけて振り下ろしたが、レーザーによるバリアに弾かれた。
それに気づいた涼は後ろを振り向き、ライフルで男の腹を殴った。
そして男はその場に倒れた。
「あ、あぶねー……誰が助けてくれたんだ?」
「涼、大丈夫か?」
透哉が涼の元へ駆け寄って聞いた。
「透哉……もしかしてお前が?」
「ああ、そうだぜ。まあ、照準ミスっただけだけど……」
「そうなのか。ありがとう。礼を言うぜ。今のはマジで危なかった」
涼が冷や汗をかいて言った。本当に危なかったのだろう。
「ああ。ところで、この銃……なんなんだよ、これ。レーザーとか出たぞ。レーザーとか」
「レーザーか……それは多分、魔術補助演算用デバイスだな。詳しい話は初希とかから聞いてくれ。俺は持ち主の魔力を使って魔法陣を形成する機械みたいなもんだってことしか知らないんだ」
涼が少し困った顔で言った。
「そうなのか。じゃあいいや。で、敵はあと何人ぐらいいるんだ?」
「え? 今ので最後だぜ」
俺が敵をほとんど倒してたのちゃんと見てなかったのかよー、と言いたそうな口調で涼が言った。
「さ、最後?」
「ああ。あとは敵陣に乗り込むだけだぜ」
透哉は早すぎる……と思ったが、それは先ほどの第1波と同じなのであえて言わなかった。
「じゃあまあ、透哉も戦えるようになったみたいだし、すぐに敵陣に乗り込むか」
「は?」
すぐに……という言葉に透哉は戸惑った。
「あー……一応聞いとくけど、それってカメルダさん……あの長官さんからの命令か?」
「いや、独断だけど?」
(……やっぱりな……)
と透哉は心の中でつぶやいた。
「独断で動くのはやめろよ。さっきみたいに後ろからやられるかもしれないんだぜ」
「だから大丈夫だって。ほら行くぞ!」
「え、ちょっ、おい!」
涼は敵陣の方向へ全速力で走って行った。
仕方ないので透哉も涼の後を追いかけて行った。
「なあ、革命軍の拠点ってどこにあるんだ?」
先ほどの戦場から400mほど進んだところで透哉は涼に訊ねた。
「もうちょっとだ。……ここだ」
荒野の真ん中……何の変哲もないところに、地下へと続く階段があった。
「奴らの拠点はこの奥にある」
涼は少し真剣な面持ちになって階段の奥を見据えていた。
「この奥か……ここまで来たら、行くしかないよなー……」
透哉が少し怯えたような声を出した。
「今さら戻ろうったって無駄だぜ。さ、行くぞ!」
涼が透哉を奮い立たせるように言い、2人は階段を下りて行った。
読んでくださり、ありがとうございました!
今回も少しパッとしない話でしたが、ここから盛り上げていこうと思っております!
ですので、今後ともよろしくお願いします!
感想や文章の指摘があればぜひお願いいたします。
評価もつけていただけると嬉しいです。
重要なお知らせ
活動報告でも記載したのですが、本命の高校入試が2月21日にあるので、この作品の投稿を1週間ほどお休みさせていただきます。
まことに勝手ですが、どうかこの作品を見捨てないでください。
次の投稿は2月24日午前1時2分です。




