開戦
第12話です。
今回は短いです。
よろしくお願いします。
薄暗く、狭い部屋……恐らく尋問部屋だと思われる部屋の椅子に透哉は座っていた。
その部屋には透哉のほかに2人の緑の軍服を着た男がいて、その男達は恐らく透哉の素性を透哉自身の口から割り出そうとしている。
「おい、だからお前は誰だ? どこから来た? どこの所属だ? 正直に言えば良いものを、嘘ばかりつきやがって。革命軍なんだろ? そう言ったら一瞬で殺してやるからよ」
透哉から机を挟んで向かいにいる2人の男のうち、1人が透哉にきつい口調でそう言った。
「だから違うって言ってんだろ……椅子用意してくれて机もあって、歓迎してくれんのかと思ったらそんな穏やかじゃねえことばっか言いやがって……」
透哉が対抗するようにきつい口調で言った。
するともう1人の男が口を開いた。
「残念ながら敵を歓迎するほど我が国は優しくないんでね」
「はっ! せっかく応援に来てやったのに敵って、よくもまあそんなことを言えるな」
透哉がしびれを切らして言った。
「ふんっ! なんとでも言うがいい。革命軍のボスは全ての人間を欺くやつだ。たとえ仲間でもな。そんな者と同じ組織の者を信用することはできん。それに、お前弱そうだし」
「弱そうってなんだよ! ったく、そのボス……どこのオオカミ少年だよ。お前らの行動も含めて、お子様に聞かせる話にはいいかもな!」
皮肉を混ぜて透哉が言った。
と、そこで部屋の扉がキイーっという音をたてて開き、白い軍服を着た男が入ってきた。
それに気づいた男の1人が急に立ち上がり、敬礼して言った。
「ち、長官! いらっしゃったのですか!」
「ああ。革命軍の捕虜を捕まえたとの連絡が入ってな。それでちと気になることがあってここに来たのだが……やはりか……」
長官……と呼ばれるその男が困ったような顔をして言った。
「は……なにが……でしょうか」
「今すぐその少年を解放しろ。でないと貴様らは国際犯罪者とみなされるぞ」
長官男が険しい顔をして言った。
「え……どういうことでしょうか……」
何かを察したもう1人の男が、それでも自分の行動が正しいという希望を確かなものに変えるために言った。
「さっきも言っただろう! その少年が日本から来た応援だ! 貴様ら話を聞いていなかったのか!」
長官男が声を荒げて言った。
「は、はい! すいませんでした!」
透哉はその男達からの呪縛から解き放たれ、部屋を出た。
-3分後-
「すまなかったな、応援軍よ。貴公には悪いことをした」
「いえ、分かってくれたのならそれでいいんです。でも、なんで分かったんですか?」
透哉がなぜ自分が日本の応援軍だと分かったのか、そしてなぜそれを確認しに来たのかという意味で聞いた。
「ああ、10分ほど前の話だが、貴公と一緒に私の部下が捕まえてしまった少年が私の部下をなぎ倒して自分は日本軍だと訴えてきたのでな。事前に送られてきた写真などを確認したのだよ」
(涼のやつ……なぎ倒したのか……軍人を……)
透哉は呆れたが、涼のことを少し見直したという感情もあった。
「そうだったんですか。……あの、涼はどこに……」
「ああ、貴公を解放すると約束した途端、外に飛び出して行ったぞ」
「そ、そうなんですか……。あ、そういえばここって……」
透哉は自分が今いる場所を訊ねた。
「ああ、言い忘れていたな。ここは革命軍対抗戦線……そしてこの建物はロシア自衛軍の拠点のようなところだ。今は周辺の革命軍の掃討作戦中だ。貴公の友は恐らくそれに参加しに行ってくれたのだろう」
血の気が多い奴だ……と、透哉は思ったが、とりあえず涼のところへ行かねばと思って、外へ行こうとした。
「それでは、俺は涼と合流します。ありがとうございました。えーっと……」
「ああ、名乗り忘れていたな。私はカメルダ・ディアラルだ」
「ありがとうございました。カメルダさん」
透哉は礼を言ってから外に出た。
-3分後-
広い荒野……ロシア自衛軍の建物から革命軍陣地側へ少し行ったところで透哉は涼と再会した。
「おお、透哉。やっと出てきたか」
「あれ、涼、掃討作戦に参加してきたんじゃないのか?」
透哉がそう問いかけると、涼は得意げな顔で答えた。
「ふふふ、もう全員倒してきたぜ」
「は?」
早すぎる。恐らく涼が外に飛び出してから今まで10分ほどしか経っていないだろう。なのにもう全員倒したと涼は言っている。
透哉はそんなことが可能なのかと考え、ある可能性を思いつき、訊ねた。
「もしかして敵の数が少なかった、とか?」
「少ないかどうかは知らんが、大体120人ぐらいいたかな」
「多いわ!」
透哉は涼に怒るように言った。
「そうか? 魔術使ったら楽勝だったけどな」
「そうかよ。で、その倒した人たちってどうしたんだ?」
「ああ、一応捕まえたし、連れて行った軍人には殺すなって言ったんだが、その後どうなったかは知らん」
こいつが本当にやりたいのは戦闘なのか……と透哉は思ったが、口には出さなかった。
「で、これからどうするんだ?」
「敵陣に乗り込む、と言いたいところだが、どうやら第2波が来たみたいだな」
革命軍陣地のほうからざっと150人ぐらいの軍勢が押し寄せてきた。
「な、た、戦いは任せたぞ、涼!」
「何言ってんだ。ほら、これ使え。お前も戦えよ」
涼は透哉に銃口がない銃を渡した。
「え、おい、これ、銃口がない……って俺も戦うのか!?」
「当たり前だ。ほら、行くぞ」
「え、ちょ、ちょっと待てって!」
透哉は銃口のない、使い方もわからない銃を持って、先に走って行った涼を追いかけた。
読んでくださってありがとうございました!
県内、県外共に私学入試が終わり、残すは国立入試のみ! あと10日、頑張ります! と言ったところの神神神です。
最近投稿が遅れたりしてましたが、今日は間に合いました。
前回までの投稿遅刻、本当にすいませんでした。
前回のネガティブ発言も申し訳ありませんでした(汗)。
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より良い小説執筆のために頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします。




