15 夏休みとサリバン
サリバンが来て1ヶ月。
8月1日土曜日、夏休み真っ盛り。
舘山にある「人魚の家」に海キャンプに来ていた。
昨日の夕方に来てテントを張ったから
今日は朝一番に海に出て一日中海で遊べる。
俺も長男も次男もそしてサリバンも朝5:00起き。
長男は普段朝が遅いが
キャンプとなると1番早く起きて
朝食を作るための炭を起こすのが慣わしとなっていた。
サリバンは焼きとうもろこしに
刷毛で醤油を塗りながら
足の甲の火傷が治ったことを嬉しそうに話している。
その刷毛、いつ用意したんだ?
サリバンが自分のバッグに入れて来たのか。
俺のキャンプ用調理道具にはない。
サリバンなりにキャンプを楽しんでるのはいいことだ。
サリバンが火傷をしたのは7月18日、19日、20日の三連休の海キャンプでだ。
日焼けにによる火傷。
サンバーン。
どうやら足の甲だけ日焼け止めを塗り忘れたらしい。
海の日に毎年行く根本海水浴キャンプ場。
ここも舘山にあり
海が美しく夜見上げる星空はプラネタリウムそのものだ。
そして何よりも格安でテントが張れる。
7月4日土曜日の富士山登山から2週間後、長男の塾が夏休みに入ったから今年も行くことにした。
本当は夏期講習に行かせたかったが
妻の死で予算が難しく、
自習で頑張ってくれと長男に頼む。
「夏期講習行かなくていいの? ラッキー!」
と喜んで見せた長男。
俺を気遣っての反応なんだと思う。
塾の友だちも皆行くから行きたかったはずだ。
学童と家のどちらでも塾の問題集を繰り返し解いていると次男から聞いている。
俺はそれを聞いたとき危うく泣くところだった。
グッと来たってやつか。
「夏期講習行かなくてラッキーだった。」
長男に心から思わせてやりたい。
だから俺の土日と盆休みはずっとキャンプで予定を埋めた。
サリバンは今回の海キャンプも前回と同様、ヨガウエア
のような水着にベージュのラッシュガードを羽織っている。
プラス、マリンシューズも新調していた。
よほど日焼けに懲りたんだな。
サリバンは自分の火傷のことを絡めて昔の坊さんの話を長男と次男に聞かせていた。
長男はまた始まったかという顔をし、
次男は怪談めいた坊さんの話を怖がって長男にしがみつく。
サリバンはなかなか話上手で
優しい語り口から突然人をゾッとさせる。
正直俺も怖かった。




