ミミル様
「何やってるのよシャルナ」
「わっ?!」
その声は……と振り向くとやっぱりいた。
「ここまで来てなんの用?」
「ミミルぅぅぅ〜探したよぉぉぉ〜」
人間に変化したミミルがはぁ?と言わんばかりな表情をしていた。
「もう帰ろうとしてるんだけれど?」
「ここまで来たのには理由があって〜私の鼻に落ちてきた謎のペン持って行ったでしょ?それ貸して!」
「なんでよ」
「シャルナ?また分解しようとしてるのか?」
「え?いやぁ〜未知の物には惹かれるでしょ?普通」
「で?」
「その未知の物を調べるには、分解しかないでしょ☆」
「でしょ?じゃねーだろ!」
「日本に本当染まったよね〜ルイトってば」
「呆れた。ここまで来て何事かと思えばそんな事とはね……ルイト、コテンパンに醜い考えを捨てるようにまた埋め込んでやりなさい」
「言われなくてもやるさ」
ゴキゴキと指を鳴らすルイト。
怖いって...
「えぇ〜あ!そういえば、ミミルってなんでミミル様って呼ばれてるの?」
「確かにな...てか話ズラすなよ……」
よし!話しズラすの成功!
「元々天使だったからよ。まぁいわゆる堕天使ね」
「「えええええええええええええええええ?!?!?!」」
聞いてないんですけど?!?!?!
想像以上にびっくりする私とルイトにミミルが説明する。
「堕天使はね、天界から追放されて人間の肉体に受肉するんだけど、何かの手違いで白狐精霊獣になったワケ」
「ミミルが堕天使……」
「というか堕天使って何?」
「ソコかよ……」
「天使が使い魔なのになんで堕天使のこと知らないのよ」
「ん〜興味無いから」
「堕天使はな、神への反逆や傲慢、嫉妬が原因で天界から追放された天使のことだ」
「へ〜」
「薄……」
「それがシャルナだ」
「じゃあ天界にレッツゴー!」
「は?」
「え?神様に頼めば天使になれるんでしょ?」
「いや死ぬわよ...追放された身として。それに、別次元にあるし...天界に入ったら元に戻ないわよ?」
「そっか〜」
「じゃあ早いところ帰るわよ」
「そうそうこんなところに居たって仕方ないぞ?」
「は〜い」
次の瞬間、
ドガァァァァァァァァンンンン!
と爆音が広がると共に、熱気が伝わった。
「え...ヤバくないか?これ...」
「ちょっと...これはヤバイ」
「深部には多くのエルフが住んでるのよね...シャルナ!助けに行くわよ!」
そう言って私の手を引いて走り出すミミル。
良いけど早いって!
「危ないだろ?!」
「そんな事言ってる場合?!あんたも来なさい!」
「わかったわかった!」
こうして、森の深部へ向かうのであった。
読者のみなさん、今回も読んでくれてありがとう!
第62話は、ミミルの正体が爆弾級にデカかった回でした。
まず、シャルナの目的が
「鼻に落ちてきた謎のペンを分解したい」
という、旅の理由としては世界一軽い動機。
それに対してミミルの反応は「は?」で固定。
この温度差がすでに面白い。
そして今回の主役は、説明役に突然任命されたルイト。
ミミルが堕天使だと聞いた瞬間、シャルナの第一声がこれ。
「堕天使って何?」
そこかよ。
ミミルも呆れてる中、
ルイトが淡々と説明を始める。
「堕天使はな、神への反逆や傲慢、嫉妬が原因で天界から追放された天使のことだ」
この“教科書みたいな説明”が妙に似合うのがルイト。
シャルナの返事はもちろん
「へ〜」
薄い。
情報の吸収率が低い。
そしてミミルの追加説明で
「手違いで白狐精霊獣になった」
という衝撃の事務ミスが発覚。
天界の人事管理どうなってるんだ。
さらにシャルナの
「じゃあ天界にレッツゴー!」
いや、死ぬって言われた直後に行くな。
ミミルの「は?」が今回のMVP。
最後は爆音ドガァァァンで急にシリアスに戻るけど、
ミミルがシャルナの手を思いっきり引いて走るところが、なんとなく雑なような...まぁいいか(?)




