我が主のことだから心配ない……かしら?
レオンはシャルナが消えてからずっと走って呟いてるの。
[何処だ?……シャルナ……戻ってこいよ]
ってね。馬鹿みたい……シャルナはこの世界線に居ないのにね。
まぁ、私にとっては、シャルナが居ないと1日始まらないし……というかシャルナとルイトが消えてから1日しか経ってないのにね……そっちで楽しくやってるの?シャルナ……
我が主であるシャルナは、歴代史上最強魔術のトップクラスに匹敵するんだし……なんなら越してるっぽいしね……そっちの世界に魔術が無いなら終わってそうな顔してそうね。
なんなら死んでたり……それは無いに等しいか……
今日は、散歩でもしておこうかしら……窓から景色を眺めておこうかしら……暇ね……シャルナが居なかったら……騒がしくなくて……静かで……生活音しかしなくて……レオンが焦ってて……ヤミルは学園長のところに行きっぱなしだし……
「神童シャルナ!今度こそ勝つ!!!!」
?!びっくりするじゃない……
「シャルナは居ないわよ」
「なんでだよ」
「え〜っと?誰だか知らないけれどシャルナは消えたって噂……聞かなかったの?」
「なんで誰も俺様の名前を覚えてないんだよぉぉぉ!俺様は、シグル=ブライドだ!シャルナが居ないって……消えたって言う噂は知ってる……誰かが流したデマだろうと思ったがな!」
「なんでそんなに強気で居られるのよ」
「そうしないと学園の雰囲気悪くなるだろ!」
「語尾うるさい……シャルナ探し手伝ったらどうなの?」
「シャルナは出てこないのか?!」
「馬鹿と話してると馬鹿になりそう……」
「俺様は馬鹿じゃねぇ!!」
「はいはい」
うるさいわね……まぁ、にょこっと出てくるか……シャルナのことだし……モグラみたいに……
今回のミミル視点は、学園の“静かな崩れ方”がよく分かる回でした。レオンは走り続け、ヤミルは学園長のところに張り付き、ミミル自身も落ち着いているようで内心はざわついている。シャルナがいないだけで、学園全体のバランスがここまで崩れるんだな…というのがよく見える話でした。
そこに突然シグルが乱入してきて、空気が一気に騒がしくなるのも、この世界らしいところ。みんなやり方は違うけれど、結局は“シャルナがいない”という現実に振り回されているんだよね。
静かさと騒がしさが交互に押し寄せるこの感じは、ここから先の展開の前触れでもあります。少しずつ、学園側の空気も変わっていくので、その揺れも楽しんでもらえたら嬉しいです。




