近くの村が…どうのこうのは気にせずぶちかまします
「アルメリアにドカドカ撃ってもらいたいところだが、そうすると近くの村に被害が出るんだ」
と隊長が告げた私が魔術をドカドカ撃てないのはこんな呑気な理由だった。というか別に制御したら良くない?
「頑固結界で守ればいいんじゃないですか」
「気持ちはわかるんだが、その村の村長がね…」
「そういえば何て村なんですか?」
「リーティア村だ。シャルナ」
「…リーティア…ああ!あの、自分勝手でとにかく馬鹿な村長の村?!」
「まぁ、そうなんだけれど…少し言葉を慎んだらどうだ?」
「事実を述べただけなのに?ルイト」
「天然というか馬鹿というか…シャルナはなんなんだ…」
急に息を吐きながら早口で喋るなぁ〜情緒不安定なの?
「じゃあ早いところ終わらせてくるね」
「え?やめろって言っただろ?」
「早い方が被害少ないでしょ」
「広範囲の魔術は、やめとけよ?攻略法とか決定次第出立するから仕事奪うなよ?」
「仕事奪うって…はいはい」
ということで部屋を出て浮遊輪廻で爆速で向かう。
数分して、到着。
「ということで…広範囲見極三重詠唱ー火系統魔術ー火炎乱炎×水系統魔術ー水気流×風系統合成光武ー光風乱舞=火水風光魔致死」
前回学んだ知識を生かし、魔物だけ的中させる。
ドカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!
という轟音と共に炎が燃え盛る。
よし!成功!
後は自然がやってくれるでしょ…滅多にというかなったことない魔力枯渇…確かにしんどいなぁ…魔力枯渇って、貧血×7程と、異常な頭痛。薬も効かないからな…これ…
「おい!シャルナー!やっぱりやったか!」
「げっ…ルイトが来た…」
◇◇◇
シャルナに広範囲の魔術をやめておけと言った俺は、嫌な予感しかしなかった。
「魔物らが襲うのはここら辺だと予想するが…ルイト?聞いてるか?」
もちろんそんなの頭に1mmも入ってきてない。
やっぱり見に…
ドカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!
という轟音が響く。
やっぱりな…
「隊長!見てきます!」
「?ちょ、ルイト!戻って来なさーい!」
浮遊輪廻で爆速で音の方へ向かう。
近ずくにつれ、人のような影が見えてきた。
その影はしゃがみこんで息を荒くしているのが見受けられる。
シャルナだ。無茶したな…トコトコと歩いて近ずく…
「おい!シャルナー!やっぱりやったか!」
そう言うと、
「げっ…ルイトが来た…」
げっ…とはなんだよ
「それで?今度は一体なんの魔術を?三重詠唱くらいの威力っぽいが」
「お、オリジナル…」
「オリジナル?!全くたまげたもんだ…」
「何よ…」
「はぁ…魔力枯渇か?」
「ハァハァ…そうだけど?」
「じっとしてろ」
「え?」
じっとしてろと言って魔力を送り込む
魔力波が一人一人違って、異なる魔力を送ると、かえってダメージを負う。
指紋や耳の形(耳紋)、虹彩の模様、手のひらや足の裏の皮膚紋理(掌紋・足紋)、舌の表面の紋様、血管(静脈)のパターンと同じ感じだ。
一人一人異なる個人固有な魔力波を合わせることを努力するのはほぼ拷問のような事。でも俺にとっては拷問というかとても簡単。
シャルナの場合、魔力波が似ているのもあるかもな。
魔力を送り込むことで少し回復するが、送った分だけ回復はしない。
100%回復ではなく、1%回復くらいの回復。
少し青ざめた顔が少しずつピンクになってくる。
成功のようだな。
「ありがとう。ルイト」
「全く…無茶するんじゃないぞ?」
「はーい…自然には優しくしたから多分自然環境は、元通りになる。」
「そうか…なら帰ろう」
優しいな…神童と言われることに溺れるのでなく、努力し、優しいところがこのシャルナのいい所だな。この調子だったら体を壊してもおかしくないかもな。将来、支えて…いやいや何考えてんだ?
「ルイト、顔赤くない?」
「気のせいだ!」
俺は、魔力枯渇(少し)状態のシャルナをお姫様抱っこして、浮遊輪廻で爆速で帰還するのであった。
今回は、シャルナが「やめろ」と言われたことを秒で忘れて突撃する、いつもの(?)暴走回でした。
隊長の説明もルイトの忠告も、シャルナの中では「はいはい」で処理されていたようで、気づけば現場に直行。しかも三重詠唱どころかオリジナル魔術をぶっ放すあたり、もう誰も止められません。
そして案の定、魔力枯渇でへたり込むシャルナ。
そこへ爆速で駆けつけるルイト。
「げっ…ルイトが来た…」の一言で、読者は全員笑ったと思います。(私は、笑いましたw)
魔力回復のシーンは本来シリアスなはずなのに、二人の掛け合いのせいで妙にほっこりするのがこの作品らしいところです。
最後はお姫様抱っこで帰還。
シャルナは魔力枯渇、ルイトは顔真っ赤。
どっちが重症なんだろう…。
次回も、シャルナの暴走とルイトの胃痛がどうなるのか、ゆるく見守っていただければ嬉しいです。
読んでくださり、ありがとうございました!




