杖を買います
こんなに準備が大変だとは聞いてないッ!
私達は今、杖屋に来ています。
「な〜にが!杖よぉぉぉ!無しでいいでしょ!」
「いやいるだろ一般的に…」
「人間が杖を使わずに魔術を放つのは初めて見るわ。シャルナ」
「地味に高い…78万ユーリンとは…」
《1ユーリン=1円》
「俺はもう買ったぞ?ほら」
そう言って買った杖を差し出すレオン。
茶色の枝を職人技で綺麗に剃り揃えた先端のくぼみにエメラルドグリーンラッツと言われる魔石が埋め込まれている。
なんとも言えない…というかそこまで欲しくない…
「シャルナは、神童だし、白狐精霊獣が使い魔だし、このホワイトペールラシュー木で作られ、クリスタルクオーツラッツの魔石が埋め込まれているこれはどうだ?」
「確かに…そこそこ綺麗…」
「はい、決定〜値段は…ゲッ…178万ユーリン?!まぁ、ホワイトペールラシュー木は、貴重だしな…」
「まぁいっか…じゃあそれで」
「金銭感覚バグったの?シャルナ」
「バグってないよ?ミミル」
「絶対バグってるね…」
代金を払い、杖屋を出る。
「次は…仕立て屋…」
「よし!制服買うぞ〜」
「待って〜ハァハァレオン〜」
急に走らないでよ!ただでさえ私運動音痴なのに…
ひぃ〜
「置いていくわよシャルナ」
「早いってミミル!動物…魔獣だからって速いぃ!」
「ヒィヒィ…ハァハァ…ヒィハァ…ハァ」
「シャルナってホント走れないよな」
「体力ないわよシャルナ」
「わかってるって!」
クソォ〜あっ!風系統魔術使お!
「風系統魔術ー浮遊輪廻」
はい浮いた〜これで負担が大幅に減るッ!
「おい、シャルナ。ズル(魔術使った)しただろ」
「してないよ〜も〜レオンはすぐうたg…」
「浮いてるぞ」
なんでわかるのよっ!
「顔に出てんぞ〜」
むすっ…
「運動苦手なんだから魔術で補助は定番でしょ!」
「一般的にしないぞ?それ」
そう言って歩き出すレオン。
そうだ!バレたんならこうしよう!
「風系統魔術ー浮遊輪廻ー弱」
一旦1cm浮かせて、次は
「風系統魔術ー軽減平穏無事」
《体重を軽減できる魔術で、体格変化がなく、自由に操れるのでとても便利》
「バレてんぞ〜」
「なんで?なんにも変わってないでしょ?レオン」
「いやいやミミル。お前鈍くないか?1cm浮いてるの気づかないか?」
「言われてみれば確かに…」
何よその目は…!
「はいはい、止めればいいんでしょ?わかったわかったわかった」
なんでその目向けたままなのよ
「わかったって!術式解除!」
うっ、重い…
「じゃあ仕立て屋行くぞ〜!」
この後、仕立て屋で地獄を見るのを知らないシャルナであった。




