↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/10

大学祭

夏休みも終わり気づけば10月半ば。ここ最近暑さは全く感じなくなり少しずつ肌寒くなってきていた。


「綾人君、里枝ちゃん大学祭へ行こう!」

そして里枝ちゃんの家庭教師の日、勉強が終わった後里枝ちゃんのお母さんが作ってくれたご飯を食べていると先生がいきなりそんなことを言ってきた。


「いきなりなんですか?」

「いや~実は今度の休みの日にね私が行ってる大学で大学祭があるんだよ。だから綾人君や里枝ちゃんに来てほしいなと思ってね」

そういえばもうそんな季節か。最近そこら中の学校で学園祭が行われているんだよな。


「いいですねー。私はもちろん行きますよ!先生も行きますよね!?」

里枝ちゃんは俺に話を振ってきたがさてどうするか。正直言うと休みの日は布団の中で寝ていたいんだよな。


「それとね大学に進学を考えている綾人君には丁度いい機会だと思うの。大学がどういうところか知れるしね」

確かに先生の言うとおりだ。一応俺は大学進学を視野に入れてるし今までに大学へ入った事がない。

先生が通っている大学は女子大だけど大学のことを知るのには絶好な機会かもしれない。


「わかりました。今度の休みの日に行かせてもらいますね」

「さっすが綾人君!それじゃあ、はいこれ」

先生は俺だけに長方形の紙を渡してきた。

受け取った紙を見てみるとどうやらこの紙は大学祭への招待状のようだ。


「めんどくさいんだけど男性が大学祭に入るにはこの招待券が必要なんだよね。うちの大学女子大ってこともあって男性が大学に入るには結構ガード堅いから」

「ありがとうございます。忘れないように持っていきますね」

俺は受け取った招待券をしっかりと自分の財布にしまった。


「ところで先生はなにか大学祭でやるんですか?」

「ん~クレープとか売るだけだよ。ちゃんと店番の交代はあるから綾人君達と合流できるはず!」

「そうですか。だったら昼ぐらいには合流できるといいですね」


この後俺達はご飯を食べながら大学祭についての話をして今日の家庭教師の日を終了した。










そして大学祭当日。


「ごめん待ったかな」

「いえいえ私も今来たところですよ」

俺と里枝ちゃんは先生が通っている「高嶺女子大学」で待ち合わせをしていた。


「それにしても人多いね」

「そうですね~。それに大学の建物も大きいですし」

俺が通っている椿原高校も大きな方なのだがそれよりも更に大学の方が大きい。これが大学なんだなと改めて考えらされてしまう。


「それよりも先生何か私に言う事ないですか?」

「何かって?」

今さっき里枝ちゃんよりを待たせた事は謝ったはずなんだけどそれ以外になにかあったかな?


「本当にわかってないんですね。今日の私ですよ」

そう言うと里枝ちゃんはその場でくるりと一回転回ってみせた。服装って言ってもよく一緒にデパート行くときに見てるカーキ色のワンピースの気がするんだが。それにストールを首に巻いている。


でもよく見るといつもとどこか違う気がするような。


「あ、もしかして里枝ちゃん化粧してる?」

「えへへ~正解です♪」

里枝ちゃんをよく見ると化粧をしているのがわかる。


「どうですどうです!似会ってますか?」

「うん、似会ってるよ。というか驚いた」

化粧をしている里枝ちゃんは俺よりも大人なような気がした。


「もっと気の利いた言葉が欲しいんですけどギリギリ合格ということにしておきます。それに実際先生に褒められて嬉しいですし♪」

俺としても気の利いた言葉を言ってやりたかったが特に思いつかなかった。


「ここで立ち話もなんだしさっさと大学に入ろうか。先生も待ってるだろうし」

「そうですねそれじゃあ行きましょう」


大学に入るときは男の俺だけが招待券を出して入場した。


大学内へと来るとそこには大勢の人達が居た。そして露店がたくさん並んでおりそこにはカップルや家族連れなど多くの人が列を作っていた。

それにしてもやっぱり目を引くのは女性の多さだ。女子大ということもあって女性たちが本当に多くいる。


「さてと、まずは先生のところに行かないとな」

「確か体育館の方でクレープ屋さんしてるんですよね」

「うん。体育館はわかりやすいからすぐに行けると思うよ」

とりあえず俺と里枝ちゃんは先生の居る体育館の方へとむかう事にした。

それにしても本当に大学って広いんだなぁ…。









「うわぁ体育館の中も人が凄いな」

体育館の中は外と同様で人がたくさんおり店も結構な数が出ていた。


「そうですねぇ。あ!先生あれって遥さんじゃないですか?」

里枝ちゃんが指差した方を見てみるとそこにはクレープ屋さんで売り子をしている先生を見つけた。


というか何故先生はメイドの服を着ているんだろう。



「遥さーん!」

先生を見つけると里枝ちゃんは先生のところまで走って行った。俺も里枝ちゃんに続いて先生の元へむかった。


「里枝ちゃんに綾人君ちゃんと来てくれたんだ~」

「当たり前じゃないですかそれよりも遥さんメイドさんの服凄く似会ってますよ!」

「ありがとう里枝ちゃん♪」

先生は里枝ちゃんに褒められて凄く嬉しそうにしていた。まぁ普通に似会ってるけどね


「ねぇねぇ綾人君はどうかな?」

「え?」

「え?って私のメイド服姿だよ~」

今さっき考えていた通り先生は普通にメイド服姿が似会っている。

でも口にして感想を言うのは難しい。里枝ちゃんの服装の感想を言った時のように素っ気ない事を言うのもなんだしなぁ。

とにかく俺なりに伝えるしかない。


「えっと、凄く似会ってますよ。なんていうかそのメイド服姿は先生以外考えられないっていうか…とにかく凄く綺麗ですよ」

なんとか感想を言えた。正直自分でなにを言ったかは覚えてない。


「そ、それって本当に!?」

先生は突然強く俺の手を握ってきた。先生の顔を見てみるとどこか興奮しているようだ。


「本当ですけど」

「綾人君がここまで言えるなんて…。嬉しいよ綾人君!ますます綾人君の事好きになっちゃったよ♪」

先生は俺の手を握ったままぶんぶん振り回している。でも、俺が言った感想はなんとかよかったようだ。



「もー先生ってば私の時と全然違う反応じゃないですか」

「あはは…そう言われてもな」

隣に居る里枝ちゃんは頬を膨らませて怒っている。やっぱり里枝ちゃんと先生との感想の差を広げすぎちゃったかな?





「こらこらー遥なにサボってるのよ」

俺達が喋っていると誰かが声をかけてきた。


「あ、ごめんね乃亜ちゃん」

「しっかりしてよね。ん、この子たちは遥の知り合い?」

「そうだよ~。家庭教師していた時の教え子の綾人君とその綾人君の教え子の里枝ちゃんだよ」

「どうも」

「こんにちはです!」

先生は俺達は紹介をしたので俺と里枝ちゃんは頭を下げた。

「こんにちは私は遥の友達の白鳥乃亜です。よろしくねふたりとも」

先生の友達の白鳥さんはわざわざ丁寧に自己紹介をしてくれた。

白鳥さんはポニーテールの髪を派手なシュシュで結んでいるのが特徴だ。そして服装は先生と同じでメイド服だ。白鳥さんもメイド服姿が似会ってるさすが大学生と言うべきか。


「それにしてもこの子が綾人君か。遥からたくさん話は聞いてるよ」

話は聞いてるって先生は俺の事どんな風に話しているんだ?


「遥の携帯で綾人君の写メ見せてもらったけど写メで見るよりずっといいわね」

「そうでしょそうでしょ!でもあげないよ~」

先生は俺の写メを勝手に見せたのか…。というかこの人はいつの間に俺の写真を撮ったんだ?


「まぁいいけどね。私は遥と違ってショタじゃないから」

「ショタって何なの乃亜ちゃん」

「あんたは知らなくていいわよ」

俺と里枝ちゃんの事を放って結構盛り上がっているのだがこの二人の話を聞いていると俺もなんだか疲れてくる。


「おっとここで長話してる場合じゃなかった。そろそろ戻らないとね。遥今日はここら辺でいいわよ」

「いいの?乃亜ちゃん」

「アンタ午前中は恐ろしいぐらいがんばってたからね。まぁなんで頑張ってたかは今わかったけどね」

白鳥さんは俺の事を何故か見てきた。一体なんだろう?


「というわけで行ってきな。あ、でも片付けの時は戻ってきなさいよ」

「ありがとう乃亜ちゃん!」

「綾人君、里枝ちゃん。この子がはしゃぎまくって迷惑かけるかもだけど大学祭楽しんでいってね」

「はーい、楽しませてもらいますね」

「お仕事がんばってくださいね」

白鳥さんはそれだけ言うとクレープ屋へと戻って行った。なんだか先生と違ってしっかりした人だな。


「それじゃあ綾人君、里枝ちゃん行こうか」

「え、先生その格好で行くんですか?」

「そうだよ~」

そうだよってさすがにこの格好で店とかまわってると結構目立つ気が…


「いいじゃないですか先生。それよりも私お腹空きましたよ」

「それじゃあお昼ご飯にしようか。私割引券持ってるし」

「待ってました!ではでは、早速行きましょう!」

2人はメイド服の事など気にせず足早に次のところへと向かおうとしていた。うーん、俺が考えすぎなのかな?








「うーん、おいしいですねぇ♪」

「そうでしょそうでしょ~里枝ちゃんもっと食べていいよ。私昨日いっぱい割引券もらったから」

里枝ちゃんは幸せそうにフランクフルトにかぶりついていた。それにしても凄い食べるな。

今さっきから焼きそばやたこ焼き、綿あめなど結構食べているがさすがに俺も限界だ。


それにしても食べ物より先生のメイド姿なのだが意外と溶け込んでいる。他の売り子の人達も衣装などを着ているのでそこまで気にならない。

でもたまに先生をチラチラと見る男も居るけど。これはこれでちょっとな…。


「ほらほら綾人君ももっと食べなよ」

「いや、さすがに俺はもういいですよ」

「え~そうなの?」

先生からフランクフルトを差し出されたがさすがに俺はもう限界なので断った。

というかこの二人が食べすぎだろ。


「ところで先生。この後はどこに行きますか?」

「えへへ、次は絶対に行かなきゃならないところがあるんだよ」

「行かなきゃならないところ?どこなんですか?」

「それは行ってからのお楽しみだよ。それじゃあ早速移動しますか」

「あ、私は後から行きますね。まだイカ焼きとうどんを食べてませんから」

里枝ちゃんはまだ食べるつもりなのか。この子の胃袋はどうなってるんだよ。

「じゃあ後でメールするね里枝ちゃん。ではでは行きますか綾人君」

どこか気分が良さそうな先生に連れられて次の目的地に移動することになった。

一体先生はどこに連れていくつもりだろうか?








そしてしばらく歩いてきた場所はまたしても体育館だった。


「先生なんで戻って来たんですか?まさかまだ何か食べるつもりとか」

「違うよ、これからあのステージであるイベントが行われるんだよ。それに私たちも参加しようと思ってね♪」

「私たちってまさか俺も…。いや、それより何のイベントが行われるんですか?」

「これだよ~」

先生は俺に紙を渡してきた。俺はその渡された紙を読んでみることにした。


「ラブラブなカップル達よ集まれベストカップルコンテスト?」

俺はこの文を読んだ時頭の中がハテナとなった。一体どういうことなんだ。


「それに今から参加するんだよ」

「えっと、それって誰と誰が?」

「もちろん私と綾人君に決まってるじゃない♪」

先生は笑顔なのだが俺には意味がわからなかった。


「なに言ってるんですか!俺と先生はラブラブなカップルなわけないじゃないですか!?」

「え~十分ラブラブなカップルだよ~」

「違いますって!とにかく俺は出ませんからね」

ただでさえ人の前に出るのも嫌いなのにそのうえラブラブでもないカップルと偽って出るなんて考えられない。


「大丈夫だから私がちゃんとフォローするよ」

「駄目ですって。俺は出ません!」

「…原付あげたのに」

突如先生は俯いて小声でそう言った。


「あの、先生?」

「…原付あげたのに」

俺にとって最も痛いところを突かれた。というかまさか先生がこんな脅しめいたことを言ってくるなんて。

原付の事を言われたら先生には頭が上がらないんだよな。原付をくれたことは大きな借りだし。



「わかりましたよ出ればいいんですよね」

俺は渋々とベストカップルコンテストに出る事を承諾した。

「え、本当!?」

「でも先生が恥かくだけかもしれませんよ?それでもいいなら」

「いいに決まってるじゃない!それじゃあ早速受付に行こう♪」

さっきと違って先生のテンションは凄く高くなっていたのだがそれと対照的に俺のテンションは下がっていた。

まさかこんなことになるなんて、一体どうなるんだろう。


俺は不安になりながらも先生と受付を済ませてコンテストへの準備をするのだった。







「衣装とかはどうすればいいんですか?」

受付で参加手続きを済ませると俺達は待機所でコンテストが始まるまで待つこととなった。

ちなみに俺達の出番は8番目らしい。


「ん~このままでいいんじゃないかな?それに綾人君は十分素敵だよ」

「はぁ、ありがとうございます」

。

まぁ先生の場合十分メイド服が衣装となっているのだが問題は俺なんだよな。

先生は大丈夫とは言ってくれているが俺の服装はVネックの白いシャツの上に黒のカーディガンを羽織り下は普通のジーパンといういつもの私服姿だ。

さすがに先生のメイド服姿と合わない気がするんだが。




「ベストカップルコンテスト開催です!!」

俺が考えていると外の方から大きな声がしてそれと同時に多くの人達の声が聞こえてきた。

どうやらついにベストカップルコンテストが始まったようだ。

今さら服装の事なんて考えている暇もない、仕方がないがこれでいくしかないようだ。









ベストカップルコンテストが始まりしばらくたった。今は5番目の人達が自分たちの事をアピールしている。それぞれのカップルの年齢はバラバラで俺と同じ高校生から40歳ぐらいと思われるおじさんなども参加している。

これまでのカップルのアピールなどを見ていると本当に凄いと思う。というかカップルの人達が本当にラブラブしていて見ているこっちが本当に恥ずかしくなった。

俺はここに居ていいのだろうか?


「綾人君緊張してるの?」

「当たり前じゃないですか。先生は緊張していないんですか?」

「ん~そうだね特には。だって綾人君が居てくれるもの♪」

言葉通りこの人は全くといって緊張している様子はないな。先生のこういうところは見習わないとな。




「お疲れ様でした。素晴らしいラブラブっぷりを見させてもらいました。それではどんどん次へと参りましょう!エントリーナンバー8番、遠藤遥さん20歳と鳴海綾人君16歳です」

緊張している自分を落ち着かせていると気づけばいつの間にか俺達の番が回って来ていた。


「それじゃあ綾人君行くよ!」

「は、はい!」




ステージに立つと一気に俺の緊張感はMAXとなった。なにせステージから見える人達の数が半端ない。

まさかここまで観客の人達がこんなに居るとは。


「えー、遠藤さんはうちの大学の2年生ということですね。そして鳴海君は椿原高校の1年生ということで4歳差のカップルですね。歳も少し離れている二人は一体どのような出会いでお付き合いすることになったのでしょうか?」

司会の人が俺の方にマイクを向けてきたが実際は別に付き合ってもいないのでどう答えようか困ってしまった。


「実は私たちは家庭教師とその生徒という関係だったんですよ」

俺が緊張感と言う事で困っている時先生が俺の代わりに質問に答えてくれた。


「なんと!おふたりは先生と生徒という禁断の関係。ということはその家庭教師をしている時にお二人は愛を育んだということですね!」

「そういうことです♪」

「なんとも羨ましい。では、出会いのきっかけを教えてもらったところでお互い好きなところを教えてもらいましょうか、それでは遠藤さんから彼氏さんの好きなところをお願いします」


「ん~綾人君のこと全部好きなんだけどやっぱり可愛いところかな♪」

そう言うと先生は俺の腕に抱きついてきた。

そして俺達の前にいる観客たちは「おー!」と意味のわからない声を上げていた。


「せ、先生!こんな人前でやめてくださいって!」

「おーっと、なんと大胆な!だが彼氏さんのほうはだいぶ照れているようですね」

「そこが可愛いんですよ♪」

先生はがっしりと俺の腕に抱きついており放そうとはしないみたいだ。


「いいですねぇ。では、そんな彼女さんの好きなところはずばりどこですか彼氏さん?」

こんな状態で司会の人は俺に聞いてきた。付き合ってもいないのに先生の好きなところって言われてもな…。

とにかく生徒としての俺からみて先生のいいところを言えばいいか。


「その、凄く気が利くところとか、それと優しいところですかね」

「おーっと彼氏さんは彼女さんと違って凄く普通なことを言いましたね」

普通な事と言われてもこれが先生のいいところなのだから他に言う事がない。


「ほんとに!?私すっごく嬉しいよ!」

そんな普通の事を言ってから先生はさらに俺の腕を強く抱きしめてきた。先生の柔らかい感触が当たっているのだが…。


「それでは最後にお二人の仲が良いということを言葉ではなく体を使って表してください」

「は?どういうことだ?」

「どういうことってそのまんまの意味だよ。さぁ綾人君私に抱きついてきちゃいなさい」

「おーっと、まさかの彼女さんが抱きしめるほうだー!」

先生は腕を広げて俺が抱きついてくるのを待っているようだがさすがにこれは…。


「さぁ、どうしたのでしょうか彼氏さん!まさか緊張のあまりここではできないというのか!?」

司会の人が俺を焦らしてくる。だが、ここでしないのも先生に悪い。

先生はこのイベントを楽しみにしていたのだ、台無しにするわけにもいかない。それに大きな借りもあるし。

ここは気合いを入れてやるしかない。



「先生、失礼します」

俺は半ば投げやりな気で先生に体を委ねることにした。

先生に体を預けると柔らかい感触と甘い匂いがしてきた。


「えへへ~綾人君温かいね♪」

「これはこれはなんとも羨ましい!」

司会の人は俺達のこの状況を見てかなり盛り上がっているようだ。それに観客席からも凄い声が聞こえてくる。

というかやっぱりこれって普通逆だよな。普通は男性が女性を抱きしめるんじゃないのか?


「綾人く~ん」

「わっ、ちょっと先生!?」

先生はなぜか頬ずりをしてきた。やばい、これは色々とやばすぎる。



「なかなか楽しいことをしている最中悪いのですがそろそろ終わりでよろしいでしょうか」

「えー、もうちょっとこのままで居たかったのに~」

司会の人のおかげで俺はなんとか助かった。というか早くこの場から去りたい…。



「なんとも素晴らしく、そしてラブラブなカップルでしたね。それでは以上で遠藤、鳴海カップルは終了です!皆様大きな拍手をお願いします」

観客席から大きな拍手がしてきた。やっと地獄な時間は終わったんだな。

先生は観客席に手を振ったりしていたが俺はさっさと早歩きで会場から出ていった。




「緊張した…」

「綾人君お疲れ様。凄く楽しかったね!あとはベストカップルの結果を待つだけだね」

先生は言葉通り実に満足しているようだが俺は全然だった。というか先生って意外と図太い性格しているよな。


「先生!遥さん!」

ステージ裏に居る俺と先生の元に手にイカ焼きを持った里枝ちゃんがやってきた。

里枝ちゃんはまだ食べていたのか。


「里枝ちゃんよくここがわかったね」

「先生たちを探している時に先生と遥さんがステージに見えたのでここに居る事がわかったんですよ。それにしても二人ともひどいじゃないですか、私を置いてこんな楽しそうなイベントに参加するなんて!」

里枝ちゃんはわざとらしく怒っているように頬をふくらませている。でも俺にとっては全然楽しいイベントではなかったけどな。



「ごめんね里枝ちゃん。でも、これ以外にも楽しいイベントとかあるから他も回ろ」

「仕方ないですね~。わかりましたそれで我慢しましょう」

「でも先生このコンテストの結果はどうなるんですか?」

「それは大丈夫だよ。コンテストの結果発表は学園祭が終わる前にやるらしいから」

「そうですか。それじゃあ時間もありますし行きましょうか」

「それでは次はクレープ屋に行きましょう!」

「え、里枝ちゃんまだ食べる気なの!?」

「次で最後ですよ!それにデザートはまだ食べてなかったですし」

本当にこの子の胃袋はどうなっているんだろう?


「それでは行きましょー!」

里枝ちゃんは俺と先生の手をとって勢いよく走りだした


この後俺と先生それに里枝ちゃんは他の店を回っていった。

他の店と言っても行った店の大半が里枝ちゃんの要望による食べ物屋で里枝ちゃんはまた更に食事をしていた。

俺と先生も里枝ちゃんに勧められてお好み焼きなどを食べていったのだが俺と先生はすでにお腹いっぱいでやばい状態であった。



こうして大学祭のほとんどは食事だけだった。

そしてそろそろベストカップルコンテストの結果発表の時間が近づいてきたので俺達は再び体育館へとやってきた。



「ふぅ、満足満足!」

「よかったね里枝ちゃん」

里枝ちゃんはお腹に手を当てて言葉通り満足げな笑顔をしていた。


「さてとそろそろ結果発表か」

「ワクワクするね綾人君!」

「あ、はい」

先生はどうやら緊張よりワクワクしているらしいが俺はめちゃめちゃ緊張している。

まぁ俺が緊張していても別に受賞でもするわけないけど…。



「さぁて、皆さんお待たせしました!いよいよ結果発表のお時間です!」

ついにベストカップルコンテストの結果発表が始まった。



「今年のベストカップルコンテストはたくさんの個性豊かなカップルの方々が参加してくれました。今年のベストカップルはどのカップルになるでしょうか!?それでは5位から発表していきましょう」



俺は隣を見ると何やら祈っているような先生の姿があった。これは祈るほどのことがあるだろうか。



「第5位!エントリーナンバー21番。墨田、黒川カップル!」

名前が呼ばれると体育館に居る観客全員が拍手をし始めた。ステージ場には大学生カップルと思われるカップルが前に出て商品を受け取っていた。

隣の先生を見てみると先生はどこか残念がっているようなホッとしているような感じだった。





この後4位3位とカップルの名前が呼ばれていった。

5位から呼ばれているカップルを見るとどのカップルも美男美女で俺はこのカップルコンテストのレベルの高さを改めて知ったような気がする。



「それではいきましょう、第2位です!」


「綾人君ついに第2位だよ!でもやっぱり狙うは1位でしょ!」

「はは…そうですね」

先生はかなりテンションが上がっている。

でもさすがにこれで俺達の名前が呼ばれるはずは……




「エントリーナンバー8番!鳴海、遠藤カップルです!」

呼ばれた。まさかの俺と先生が呼ばれた…。


「綾人君!2位だよ、2位!あぁ、でも1位は見逃しちゃったかぁ」

「まぁまぁ。それよりもステージに行きましょう」

「先生、遥さんいってらっしゃーい」

俺は舞い上がっている先生を宥めてからステージ上まで一緒に歩いて行った。


「いやぁ、鳴海さん遠藤さん第2位おめでとうございます」

「あ、ありがとうございます」

司会の人から第2位のトロフィーと商品として何やら封筒が渡された。


「それでは今の気持ちをどうぞ鳴海さん」

司会の人が俺にマイクを向けてきた。


「いや、その、なんで俺達が選ばれたのかわからないんですけどともかく票を入れてくれた方々ありがとうございました…」

いきなりだったのでえらく緊張してしどろもどろで答えてしまった。


「いやぁ鳴海さん、だいぶ緊張していらっしゃいますね~。あ、ちなみに朝倉さんと遠藤さんに入った票は夫婦みたい、お似合いなどで最も多かった票が男の子が可愛いでした」

「お似合いだって、綾人君♪」

なんとも言えない。俺としては可愛いよりカッコいいの方が嬉しいんだが。


「さてさて、遠藤さんの方は今のお気持ちどうですか?」

「それはもう凄く嬉しいですよ!皆さんに投票してもらったこともそうですけどやっぱり綾人君と私の仲を皆さんに分かってもらえたことが一番嬉しいですね。でも、贅沢を言うならやっぱり1位になりたかったですね~」

悔しそうながらも俺と違って先生はかなり嬉しそうにしている。でも、ここまで嬉しそうにしていたら俺達の仲がどうとかツッこむ気にはならないよな。


「それでは幸せそうなお二人に賞品を贈呈します。おめでとうございます」

「あ、ありがとうございます」

俺は賞品を受け取った。賞品はえらく軽いけどなにが入っているんだろう?


「本当におめでとうございます。鳴海君、遠藤さんペアでしたー!」

会場の人達から大きな拍手を貰いつつ俺と先生はステージから下りていった。



ステージから下りて里枝ちゃんのところに戻るまでには1位の人の発表がしていた。

1位になったカップルの人達は両方とも美男美女といった感じの大学生の人だった。さすがにあれには勝てないよなぁ。

でも、俺達が2位になった方が意外なんだよな。




「先生、遥さんおかえりです」

「ただいま。やっぱり緊張したよ」

「あはは、綾人君緊張しすぎだよ。あ、それよりもその賞品って一体何なのかな?」

「そうですね。それじゃあ開けてみますか」


「本当におめでとうございます。朝倉君、遠藤さんペアでしたー!」

会場の人達から大きな拍手を貰いつつ俺と先生はステージから下りていった。



ステージから下りて里枝ちゃんのところに戻るまでには1位の人の発表がしていた。

1位になったカップルの人達は両方とも美男美女といった感じの大学生の人だった。さすがにあれには勝てないよなぁ。

でも、俺達が2位になった方が意外なんだよな。




「先生、遥さんおかえりです」

「ただいま。やっぱり緊張したよ」

「あはは、綾人君緊張しすぎだよ。あ、それよりもその賞品って一体何なのかな?」

「そうですね。それじゃあ開けてみますか」


俺は渡された賞品の封筒から中身を取り出した。


「お食事券?」

封筒の中にはここの大学の近くに最近できた結構おしゃれなレストランの5000円分のお食事券が入っていた。


「おー、いいですね。しかも5000円分もあるじゃないですか♪」

「確かにね。それにしてもこれどうしましょうか?」

「もちろん行くにきまってるじゃない。もちろん綾人君と私と里枝ちゃんでね」

「え、遥さん私もいいんですか?」

「いいに決まってるよ。それにこのお食事券別に人数も決められてないし全然大丈夫でしょ」

「わーい、遥さんありがとうございます!」

里枝ちゃんは遥さんに勢いよく抱きついた。里枝ちゃんって食べ物の事になると凄く嬉しそうだよな。

まぁでもこのコンテスト凄く恥ずかしかったけどこんな賞品も貰えたし二人にもこんなに喜んでもらえたし出場してよかったかな。


「さてと、2人ともそろそろ帰ろうか」

「あれ、先生。片付けのほうはいいんですか?」

「今日頑張ったから片付けの方はやらなくていいって皆が言ってくれてね」

「なるほど、じゃあ大丈夫ですね。それよりも先生」

「ん、どうしたの綾人君?」

「帰るのはいいんですけどさすがにその服装で帰るのはどうかと…」

俺はずっと気になっていた先生の服装のことについて言った。今日ずっと先生はメイド服姿のままだ。



「あ、そうだった!!私着替えてくるから二人ともここで待っててね!」

先生は思い出したように急いで更衣室の方まで走って行った。絶対にあの人メイド服姿だったということ忘れてたな。



なんにしても今回の大学祭で大学が見て回れたことは良いことだったな。

俺が大学生になったら順風満帆な大学生活を送りたいものだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。