7.第4次世界大戦
「リン、風太君はどうだった?」「元気だったよ」「そうか」
少年の目の下には掻いた跡があった。
「ところでなんでこんなに片付いてるんだ?」「そそそれはっすね、今日ここここに」
新人研究員が部屋の片付いてる理由を少年に怯えながら言う。
「アメ、アメリ、アメ」「飴?大阪のおばちゃんでもくんのか?」
「五十嵐さん来ましたよ」「ほんとに虎柄なんかな」「きたあぁぁああぁ」
ウィーン
「It's been a long time, Professor Mt.Igarashi.」「お久しぶりです、アメリカ大統領」
「・・・は?」
「Are you his son?」
「え?yes?」「あーそうだリンに渡し忘れてたよ」「イヤホン?」「自動翻訳機さ英語にはもう設定してあるあとは着けるだけ」
そうお父さんに渡されたのは1個だけのワイヤレスイヤホン。
「こうか?」「こんにちは、君がリン君だね」
「おーあ、yes.I'm Rin」
「あはははこっちも翻訳機着けてるから日本語でいいよ」
「あそっか」
「じゃあ本題に入ろうか」
そういうとアメリカ大統領は眉間にしわを寄せながら少年に尋ねる。
「未確認生物は君が持ってるのかな?」
「あ、えーっと」「僕ノラ?」「それとも俺の事か?」
少年が大統領の質問に答えるより先にバッグから飛び出てノラとイヨが喋る。
「おーこいつらが」「こいつとはひどいノラ僕はノラノラ」「俺はこいつで大丈夫だおっさん」
「おま」「はははよい」
新人研究員が真っ青になりながらイヨに注意しようとするも大統領が止める。
「ところでなんで大統領がこちらに?」「いやなにただ君のお父さんが新しく分かったことがあると言ってね、それの成果を見に来たんだよ」「四次元空間の事ですか」「そうそう」
別にわざわざ日本に来なくてもいいのではと聞いてみたが機密情報を一般人に知られるかもというリスクはできる限りなくしたいと、父の目を見ていっていた。
そこから少年の父は今までにあったことの報告をしていく。
未確認生物のこと、今まで調べていたことは空間転移ではなく時空間転移だったこと。
そして、自分の息子が強力な力を手にしたこと。
「ほうそれは軍事力で使えそうよな」「うちの息子に人を殺せと?」「冗談だよ冗談アメリカンジョーク」「二度とそんなセンスの欠片もないこと言わんでください」「ひどいな」
自分の父がアメリカ大統領に強い言葉を使うのが怖くて仕方ない。
「でも使えそうなのは事実だよ」
そう大統領が言うと現実味のないことを喋っていく。
「半日壊滅ノ災で軍事力トップの日本、韓国、朝鮮が軍事力を失った今新たな強大な力は持っといた方が世界大戦で植民地として使われるようなことはないだろう」「世界大戦?」
「あぁそうだ」「それはもうなくなったんじゃ」「なくならんよ、あれは朝鮮が死んだから猶予ができたに過ぎない、まだロシア、インド、ギリシャがまだ生きている」「でも戦争はだめだよ」「そんなきれいごとは世界では通用しない、安心せい君がその力を軍事で使えば家族や友達は奴隷にならずに済むぞ」
「それに日本だって核を買ったではないか」「!?」「おい!」「すまない今のは大人気が無かった」
このおっさんは何を言ってるんだ。
困惑する少年の横でイヨは呆れノラはーーーー
「やっぱ人間ノラ」「あぁ我々は人間だ」
「帰ります」「リン!」
少年は天才だから戦争が生む利益を知っている。
少年は天才だから戦争に必要な力がどのようなものかを知っている。
少年は天才だから戦争が生んだ悲劇を知っている。
少年は天才だから戦地での生存確率を知っている。
少年は人間だから命の尊さを知っている。
少年は子供だから世界の汚さを知らない。
大人の汚さを知らない。
「どうして戦争なんかをやるんだ、あいつは歴史の勉強をしてこなかったのか」
独り言をつぶやきながら大統領の意見に反対の意をみせつつそれと同時に仕方のないことだという思いもあった。
「だがそれは国のトップが馬鹿なだけで国民は」
少年は考えた自分にできることはないか。
「父さんに手伝ってもらってなんとか説得をいや多分ムリだ」
少年は諦めた自分にできることはないと。
「いっそ世界滅亡の危機でも起きたらみんな協力するのかな…」
少年はひらめいた自分にしかできないことを。
「僕が悪者を演じたら僕が生きてる間は戦争なんて起きないんじゃないか?」「それは名案ノラ」
「だよな」「君ならできるノラ」
ここぞとばかりに少年の背中を押すノラ。
「僕が地球を侵略すると世界に教えたら世界は一致団結するんじゃないか?」「間違いないノラ!」「そうと決まれば計画を立てよう!ノラ」「分かったノラ」「そうだなミッション名は地球いまから解体!なんてのはそうかな」「ネーミングセンスが終わってるけど行けるノラ!」
「よしじゃあまずネットを使ってー
少年は気づいていない自分がどうしよもない馬鹿ということに。




