65.ノラ
「いやだ!」
礼二が抵抗するも闇は振りほどけない。
「俺はまだ!」
礼二の体からノラが滲み出てくる。
「まだ!父上!」
頭が、何かが流れ込んで。
【聞いてください、あの力があれば!】
!?
「いやだ!父上ぇぇぇぇぇ!」
ノラをすべて吸収し終わる。
全ての光輪が瓦解する。
「おわったのか?」
「アロガン!目大丈夫?」
「礼二も戻ったか…」
自我が戻った礼二を見て安堵し、これまでの緊張が一気に解放される。
「アロガン!」
海に落下する体を隊長がお姫様抱っこで支える。
「村上さん」
「行け!カスミ、まだやることがあるんだろ?」
カスミがブラではなくナノの能力を、今まで使ったことがないのに使っていることが不自然なこと。
まだ余力を残して魔王と戦っていたこと。
(考えたくはないがブラは…)
「ごめん!君、ついてきて」
「輪だ」
「リン!力を貸して」
「あぁ」
【お前は本当に良い弟だな】
またしてもなにかが頭に描写される。
――!?
「大丈夫?」
「あ?あぁ問題ない、行こう」
「ワープ」
カスミの光輪にはひびが入らなかった。
「リンは能力の使い方分かるの?」
ワームホールの中で輪がちゃんと戦力になるかを聞く。
「記憶は無くても感覚はある。体は覚えてるってやつだな」
「じゃあ私が何個か教えるから頑張って覚えて」
「いや、大丈夫だ。新鮮なままで行きたい」
「そう?」
【ほんとうにだいじょうぶか?】
やりとげてみせる。
「今から戦うやつから、さっきの闇で吸収する奴をやってもらいたい」
「わかった」
ワームホールの出口が見えてくる。
「私が前で行くから、行けると思ったタイミングで」
「ほかに注意事項はあるか?」
「え?注意事項…んーアドリブで!」
【ぜったいむりだ】
そして外へ――――
「あら?思ったより早かったのね」
「ーカオスインパクトー」
「閃光弾」




