5.四次元の仮説
「よよよよん?」「四次元なんてこちらからの観測は不可能では?」「観測は一応できると思う」「リン君?」「観測というより干渉かな」「なるほどな」「五十嵐さん何かわかったんすか?」「いや話の流れ的に、空間転移と何か関係があるのだろう」「というと?」「俺も詳しくは分からんが、空間転移はずっと三次元の世界での空間のズレだと我々は推測してきたが、本当は四次元からの干渉による時空間転移だったというわけだ。」「つまり三次元だけで起きたバグじゃなく三次元から四次元への干渉でバグでもなんでもないってことっすか?」「んでその四次元とは何か...」
空間転移調査支部では人の転移つまり神隠しは空間のほつれが原因だと考えられていた。
空間を定着させている粒子など一定の数が起こすバグ、簡単に言うとアニメの背景を手違いで別の風景をへと変えてしまうこと、もっとわかりやすく言えば別の場所へのテレポート。
だがノラが出した『四次元空間』という単語によりその仮説は間違いだと気づき新たな仮説を立てた。
時空空間転移つまり三次元から四次元への渡航。つまり二次元のキャラが突如紙から我々の世界に出てくる、例を出すなら呪いのビデオに近い現象。
そう今まではありえそうなありえないことを調査していた彼らだが、今度のはありえないありえてはいけないありえることなど不可能なことがありえた理由を調査しなくてはならなくなった。
「そもそも三次元から四次元の観測は不可能だ」「それぐらいは分かるっすよ」
一次元とはxの線そこから90度の線を伸ばすy線を引いたのが二次元、その二つからさらに90度のz線を引いたのが三次元。四次元はその三本の線から90度に引いたα線、そうつまり無理である。
「そのα線の引き方をそこのなんか知ってそうな奴から聞けばいいのではないですか?」
(やっぱりこいつらは点でダメノラ)
「いや待ってくれ」「リン君?」
「そもそも四次元空間が別の何処かにあるという考え自体が間違いじゃないのか?」「それってどういうことっすか?」「そうか、三次元のこのイラストは二次元でこのイラストの中の線は一次元どれもx-1次元は自分の次元にある」「つまり四次元世界もここにあってここにない」
(やっぱりあんたの血は最高ノラ)
「さらに言うと」
(ノラ?)
「きっと次元が進めば進むほどに生きるために必要な要素、難易度は高くなるんじゃないか?」「?」
「一次元の線はそもそも生きるという概念があるかもわからないが、このイラストは少なくとも僕たちに必要な酸素、水、食料、寿命etc...が無くても生きるこっちから見たらこいつらは無敵でこっちはハードモードだつまり四次元空間でも一緒でこっちはスーパーイージーであっちはスーパーハードなんじゃないか?」「そう...か?」「あぁだが多分世界の脆さではきっとこっちが脆い、紙を火で燃やすのと一緒の原理で、いや待てよ次元世界の数はどうだ?紙はこっちでは大量だし線なんて無限だぞつまり数字が高ければ高いほど世界の数は減っていくのか?それに紙が一つの宇宙だと考えるならば僕たちがいるこの宇宙のほかにもたくさんの宇宙があるのか?それに三次元は四次元より脆いと言ったが一体何の衝撃でこの世界は崩れるのだ?」
少年は周りを置いて淡々と四次元の仮定を述べていく。
「あはははははは」
ノラが高笑いをする。
「やっぱアシュリンは最っ高ノラ」「へ?」「だいたいは合ってるノラ、と言っても実のところ僕もあまり知らないノラ」「それは何かのお笑いっすか?」「いやお笑いじゃなく事実ノラ、それに君たちは何か勘違いしてるノラ」
不敵な笑みをしながらノラは四次元の答え合わせをしていく。
「まずアシュリンも言った通り四次元空間はここにあってここにないノラ、それから脆いってのと生きずらいってのもまだいたいあってるんじゃないかノラ?あとそれから人物の神隠しは四次元空間からの干渉ってのも会ってるノラ、ただ一つだけ不正解があるノラ。」「なんすか?不正解ってのは」「それは」「それは?」「だららららららららららら」「どきどき」「だらららららららららららら」「わくわく」「ばん!」「きたっ」「三次元空間から四次元空間への観測は可能ノラ」「は?」
「そもそもの話ノラ」
そういうとノラはものすごいスピードで絵本を作った。
「こほん」
ノラの書いた絵本の話・「来たぞ魔王!」「よく来た勇者よだがもう遅い!世界の浸食は開始した!」「くそ、どうしたらいいんだ」「ふはは残念だったなだがもうお前たち人類にはどうすることもできない!ただ世界が朽ちるのを眺めておくんだな!まぁお前にはそんなものを見るより先にあの世に送ってやるがな!」「くそぉぉぉぉ」「せいぜい人類があの世に行った後のパーティーの準備でもして待ってるんだな!くらえ!凄い波動!」「おりゃー斬!」「ぐわーやられたー」「クソ魔王はやっつけたが浸食と止め方が分からない...そうだ!これを見ているそこのキミ、どうにかして浸食を消してくれないか」「分かったノラ消し消し」「やったー浸食が消えた!」こうして世界は平和になったとさめでたしめでたしー
「めでたしノラ~」「って何だこの駄作!」「ひどいノラ~」「いやそうじゃなくなるほどな」「分かったノラ~?」「あぁここの勇者が話しかけてくるのは確かに二次元から三次元への観測だそんでお前が消しゴムで消した行為自体が三次元から二次元への干渉」「でもこれってお前が作った駄作っすよね?そんなのに真面目に議論したとこでなんも進展はないっすよ」「そういうことか」「そこの木偶とは違ってアシュリンは分かったみたいノラ」「てめぇ」「いや詳しくは分からないが四次元空間から何らかのアクションがある時だけあちらへの観測が可能ということか?」「そういうことノラ!ただ四次元空間の景色や意思などは観測できないけどそこにいていない人との観測は可能ノラ」「それってつまり虚空と話すってことじゃ」「まぁ起きてることだけ言えばそうノラ」「は、」「ただ大小とはずこれも立派な観測ノラ」「屁理屈みたいっすね」
納得のいかない人やよく分かってない人、なんとなく分かった人から完全に理解できた人。それぞれの言いたいことはひとまず置いておいて、これにてノラからの問題四次元空間とは何?の答えを知ることができ、空間転移調査部と少年は一歩世界について知ることができたのだった。
後日、少年が父を尋ねようと空間調査支部に行くと看板の地球調査支部は消されていて代わりに殴り書きで時空調査支部になっていた。
「父さんこれは機密事項って」「だってお前以外の一般人は立ち入り禁止だからその唯一の一般人にはもうばれたんだし隠す意味無いだろ?」「そういうもんなのかな」
ポーン
「皆様お待てせしました。この飛行機は車輪を下ろし、最終の着陸態勢に入りました。シートベルトをもう一度お確かめください。」「Ladies and gentlemen, thank you for waiting. This aircraft has lowered its landing gear and is now in its final approach for landing. Please fasten your seatbelts once more.」
「The President's security detail has arrived.」
「What are the new achievements?」
アメリカ大統領を乗せた便がもうすぐ新潟に到着する。




