第23話 自由の代償
夕暮れの森に、冷たい風が吹き抜けていた。
木々の隙間から差し込む西日が足元の落ち葉を赤く染め、遠くでは鳥たちが巣へ帰る声を響かせている。
ユウキはバルドに肩を借りながら、その景色をぼんやりと眺めていた。
空が見える。
それだけのことが、まだ信じられなかった。
鉱山では朝も夜も薄暗い岩壁に囲まれ、空の色さえわからない日が続いていた。今は風が吹き、木々が揺れ、好きな方向へ歩いていける。
だが、手首に残った鉄の枷が、その感覚を現実へ引き戻した。
「そろそろ休んだ方がいい」
バルドが言った。
ユウキは小さく頷いたものの、歩みを止めなかった。
「集落まで、まだ遠いですか?」
「ドランの話では、古い作業道を越えれば見えてくるはずだ。ただ、今も人が住んどるかどうかはわからん」
先頭を歩くドランが、振り返らずに答える。
「昔は炭焼きや木こりが暮らしていた。鉱山の監視が厳しくなってから、近づく者は減ったがな」
その後ろで、トーマが心配そうにユウキを見つめた。
「ユウキ、少し休もうよ。さっきから顔色が悪い」
「うん。そうだね」
今度は素直に答えた。
バルドに支えられたまま、ユウキは道端の倒木へ腰を下ろす。
座った途端、身体の奥から痛みが広がり、思わず息を詰めた。
岩牙獣との戦闘で傷ついた脇腹には、乾いた血がこびりついている。背中にも鈍い痛みが残り、腕を持ち上げるだけで筋肉が震えた。
戦いから逃げ延びた代償は、想像以上に大きかった。
「傷を見せろ」
バルドが膝をつく。
ユウキは頷いて上着を少し持ち上げた。
傷口を見た瞬間、トーマが息を呑む。
「ひどい……」
バルドも眉間に深い皺を刻んだ。
「これでよく歩いてきたものだ」
「みんなが支えてくれたからです」
ユウキが答えると、バルドは小さく首を振った。
「なら、今度はその助けを無駄にするな。傷を治すことを第一に考えろ」
その言葉に、ユウキは静かに頷いた。
仲間を守りたい。
その思いは変わらない。
けれど、自分が倒れれば誰かが背負うことになる。
そう理解した今は、無理を重ねることが勇気ではないとわかっていた。
◇◆◇
ドランが森の奥から戻ってきたのは、それからしばらくしてだった。
「道を見つけた。もう少し先に、小さな橋がある」
「橋?」
バルドが顔を上げる。
「ああ。昔の運搬道に架かっていた木橋だ。そこを渡れば集落へ続く道に出られる」
トーマの表情が明るくなった。
「じゃあ、もう少しで着くんだ!」
「その可能性はある。ただし、喜ぶのはまだ早い」
ドランは険しい顔で続けた。
「橋の近くに新しい足跡があった。馬の蹄の跡もある」
ユウキは顔を上げた。
「帝国兵ですか?」
「わからん。だが、鉱山から逃げた奴隷を探すなら、街道へ出る場所を見張るのは当然だろう」
森に沈黙が広がる。
自由を得たはずなのに、追われる立場は変わらない。
むしろ今は、発見されれば逃亡者として扱われる。
ユウキは手首の枷へ視線を落とした。
これがある限り、誰の目にも鉱山の奴隷だとわかってしまう。
「ドランさん」
「何だ?」
「この枷、まだ外せませんか?」
ドランは難しい表情になった。
「お前の枷は移送隊用の認証に切り替えられとる。解除具を持たない今、魔封石の術式を無理に触れば警報が鳴る可能性がある」
「じゃあ、今は外さない方がいいですね」
「ああ。少なくとも、安全な作業場と道具が必要だ」
ユウキは頷いた。
以前なら、早く自由になりたいという気持ちだけで、無理に外してほしいと頼んでいたかもしれない。
しかし、今は違う。
枷を外すことより、まず生き延びること。
その順番を間違えてはいけなかった。
「橋の近くを、確認してみませんか」
ユウキが言うと、ドランが眉を上げた。
「どうやって?」
「俺が鑑定で橋の状態を調べます。振動感知も使えば、人が近づいているか少しはわかると思います」
バルドがすぐに口を開いた。
「お前が歩く必要はない。橋が見えるところまで、わしが支えてやる」
「ありがとうございます」
ユウキは頭を下げた。
仲間に頼ることを、もう恥ずかしいとは思わなかった。
◇◆◇
木橋は、森の斜面を下った先にあった。
幅は荷車が一台通れる程度で、下には浅い川が流れている。橋の向こうには細い道が続き、さらに先には木々の間から煙が立ち上っているのが見えた。
「煙だ!」
トーマが小さく声を上げる。
「誰か住んでる!」
ドランも目を細めた。
「あの位置なら、昔の炭焼き小屋かもしれん」
ユウキの胸に希望が生まれた。
人がいる。
もしかしたら、治療を受けられるかもしれない。
しかし、すぐに橋へ向かうことはしなかった。
ユウキは近くの岩へ腰を下ろし、橋に意識を向ける。
「鑑定」
視界に青白い文字が浮かんだ。
【鑑定結果】
名称:旧運搬路・木橋
状態:老朽化
確認情報:
中央部の支持材に損傷あり。
重量の集中によって破損する危険あり。
ユウキは橋の中央を見つめた。
板の一部が歪み、支柱にも亀裂が走っている。
「橋の真ん中が弱っています。大人数で一度に渡るのは危険です」
ドランが頷いた。
「やはりな。昔から修理が必要な橋だった」
「渡るなら、一人ずつにしましょう」
バルドは橋の向こうを見つめた。
「それより、人の気配はどうだ?」
ユウキは地面へ手を置いた。
振動感知を使っても、遠くの細かな動きまでははっきりわからない。
それでも、橋の向こうから何かが伝わってきた。
――コツ、コツ。
規則正しい足音。
ユウキは顔を上げる。
「誰か来ます」
四人はすぐに木々の陰へ身を隠した。
やがて、橋の向こうから一人の男が現れた。
粗末な外套を羽織り、背中には薪を背負っている。
年齢は四十代ほどだろうか。
男は橋の手前で足を止め、周囲を見回した。
「誰かいるのか?」
低い声が響く。
ユウキたちは息を潜めた。
男はしばらく待っていたが、返事がないとわかると、橋を渡ろうとした。
その瞬間だった。
――ミシッ。
木橋の中央から、嫌な音が響いた。
男が足を止める。
「何だ……?」
足元の板が沈み込む。
ユウキは反射的に叫んだ。
「そこ、危ないです!」
男が振り返った。
次の瞬間、橋の中央が大きく軋んだ。
◇◆◇
――バキン!
古い支持材が折れ、橋の中央部が大きく傾いた。
男は咄嗟に欄干へ手を伸ばしたが、薪の重みで身体が引かれ、片膝をついてしまう。
「うわっ!」
ユウキは立ち上がろうとした。
しかし、脇腹の痛みで膝が崩れる。
今の自分が走っても、助けられない。
そのことを理解した瞬間、ユウキは顔を上げた。
「バルドさん! 橋の手前から声をかけてください! ドランさんは、ロープになるものを!」
バルドが動き出す。
「わかった!」
ドランもすぐに道具袋を開き、古い縄を取り出した。
トーマはユウキを支えながら、不安そうに橋を見つめている。
「どうするんだ?」
「橋に乗ったら、みんなまで落ちるかもしれない。だから、向こうから動いてもらうしかない」
ユウキは男へ向かって声を張った。
「背中の薪を捨ててください!」
男がこちらを見る。
「何だって!?」
「荷物を捨てて、橋の手前へ戻って! 真ん中はもう保ちません!」
男は迷った。
薪は、おそらく大切な仕事道具なのだろう。
しかし、今は命の方が大切だった。
「早く!」
ユウキが叫ぶ。
男はようやく背中の薪を外し、川へ投げ落とした。
身軽になった身体で、慎重に手前へ戻ろうとする。
しかし、足元の板がさらに沈み込んだ。
――ミシミシッ。
「駄目だ、動けねえ!」
そのとき、バルドが橋の手前から縄を投げた。
「これを掴め!」
縄は一度、男の手前へ落ちた。
届かない。
バルドがもう一度投げる。
今度は男の腕に引っかかった。
「掴んだ!」
バルドは太い腕で縄を引き、ドランも横から力を貸した。
男は欄干を掴みながら、少しずつ橋の手前へ身体を引き寄せる。
――バキッ!
中央の板が砕けた。
男の脚が隙間へ落ちる。
「うああっ!」
バルドが歯を食いしばった。
「離すな!」
ドランも縄へ力を込める。
二人の身体が後方へ傾き、男が橋の手前へ引きずられていく。
最後に、バルドが男の腕を掴んだ。
「もう少しだ!」
男は必死に身体を持ち上げる。
そして、二人がかりで橋の外へ引き上げられた。
直後、橋の中央が崩れ落ちた。
――ドォン!
木片が川へ落ち、水しぶきが大きく上がる。
男は地面に倒れ込んだまま、荒い呼吸を繰り返していた。
◇◆◇
「助かった……」
男はしばらく動けなかった。
やがて顔を上げると、バルドとドランを見つめた。
「ありがとう。本当に、死ぬところだった」
バルドは小さく頷いた。
「無事で何よりだ」
男は身体を起こし、ようやくユウキたちの姿を見た。
その視線が、手首の枷へ向けられる。
表情が変わった。
「お前たち……鉱山の奴隷か?」
空気が張り詰めた。
トーマが身を強張らせる。
ドランも警戒するように一歩前へ出た。
ユウキはゆっくりと息を整えた。
隠そうと思えば、嘘をつくこともできた。
しかし、枷を見られた以上、誤魔化しきれるとは思えない。
ユウキは男を見つめ、静かに答えた。
「はい。灰の鉱山から逃げてきました」
男の顔色が変わる。
「何だと……!」
ユウキは続けた。
「勝手なお願いだってわかっています。でも、俺たちは捕まったら、また鉱山へ戻されてしまうんです」
男は黙って聞いていた。
「それに、俺は怪我をしています。できれば、安全に休める場所を教えてほしいんです」
ユウキは頭を下げた。
「お願いします」
長い沈黙が流れた。
森の中で、川の音だけが響いている。
男はユウキの傷を見た。
そして、バルドやトーマ、ドランの顔を順番に見つめる。
「お前たち、あの鉱山から逃げてきたのか……」
その声には、驚きだけではない感情が混じっていた。
男はゆっくりと立ち上がった。
「俺の名前はロイドだ。この先の集落で炭焼きをしている」
ユウキは顔を上げた。
ロイドは、崩れた橋を見つめた。
「今、お前たちに助けてもらわなかったら、俺は死んでいた」
そして、少し困ったように笑った。
「見て見ぬふりをするわけにもいかねえな」
ユウキの胸が高鳴った。
「じゃあ……」
「ああ。ひとまず俺の小屋へ来い。傷の手当てくらいならできる」
トーマの顔が明るくなる。
「本当に!?」
「ただし、約束してくれ」
ロイドの表情が真剣になる。
「集落には帝国の役人も来る。お前たちを匿っていると知られれば、俺まで罰を受ける」
ユウキは頷いた。
「はい。絶対に迷惑をかけないようにします」
しかし、ロイドは首を振った。
「それだけじゃない」
男は森の奥へ視線を向けた。
「この辺りでは、最近、帝国兵の巡回が増えている。鉱山で何かあったらしいという噂もある」
ユウキの背筋が冷たくなる。
第三坑道の封印。
あの黒い影。
帝国は、すでに動き始めているのかもしれない。
「だから、長くは匿えない」
ロイドは静かに続けた。
「今夜だけだ。明日になったら、自分たちの進む道を決めてくれ」
ユウキは深く頭を下げた。
「ありがとうございます」
その声には、心からの感謝が込められていた。
◇◆◇
ロイドの小屋へ辿り着いた頃には、すっかり日が暮れていた。
森の奥に建てられた小さな木造の家。
壁には薪が積まれ、窓からは暖かな光が漏れている。
ロイドは周囲を確認してから扉を開けた。
「入れ。外から見えないようにしろよ」
四人は小屋の中へ入った。
室内には小さな暖炉があり、火が静かに燃えている。
ユウキはその光を見つめた。
暖かい。
ただ、それだけのことが嬉しかった。
ロイドは古い布と水の入った桶を持ってきた。
「傷を見せてみろ」
バルドがユウキの上着を脱がせる。
傷口を見たロイドは、思わず眉をひそめた。
「おいおい、これはひどいぞ」
ユウキは苦笑した。
「ちょっと、魔物に襲われて……」
「ちょっとで済む怪我じゃねえだろ」
ロイドはそう言いながら、傷口を慎重に洗い始めた。
冷たい水が触れるたびに痛みが走る。
ユウキは歯を食いしばった。
「この傷なら、本当は治癒魔法を使える者に見せたいところだが……」
ロイドが呟く。
「この集落には、そんな立派な魔術師はいない」
バルドが顔を曇らせた。
「なら、どうすればいい?」
「今夜は清潔な布で傷を覆って、できるだけ安静にするしかない。熱が出たり、血が止まらなかったりしたら、村の外へ連れていく必要がある」
ユウキは黙って聞いていた。
鑑定で自分の状態を調べても、治療方法まではわからない。
力を手に入れたからといって、すべてを解決できるわけではないのだ。
そのことを、改めて思い知らされた。
◇◆◇
夜が更ける頃。
ロイドは四人に簡単な食事を用意してくれた。
薄い野菜のスープと、少し硬い黒パン。
それだけの食事だったが、ユウキには驚くほど美味しく感じられた。
「美味しい……」
思わず呟く。
トーマも夢中でパンを頬張っていた。
「こんなに美味しいの、久しぶりだ!」
バルドは静かに笑った。
「ゆっくり食え。誰も取り上げたりせん」
その言葉に、トーマは少し照れたように笑った。
ドランも久しぶりに肩の力を抜き、暖炉の前へ腰を下ろしている。
ユウキは三人の姿を見つめた。
こうして、同じ食卓を囲めること。
誰かに急かされずに食事ができること。
眠る場所を自分たちで選べること。
そんな当たり前のことが、今は何よりも大切に思えた。
けれど、食事を終えたあと、ユウキは静かに口を開いた。
「みんなに、話したいことがあります」
三人が顔を向ける。
「これから、どうするかです」
バルドが頷いた。
「聞こう」
ユウキは一度だけ息を整えた。
「俺は、まず怪我を治したいです。今のままじゃ、みんなの足を引っ張ってしまうので」
トーマがすぐに首を振る。
「そんなこと――」
「ありがとう。でも、自分の状態はちゃんとわかっています」
ユウキは穏やかに答えた。
「それから、枷を外す方法を探したい。ドランさんにも、安全な場所で作業してもらいたいです」
ドランが頷く。
「道具さえ揃えば、試せることはある」
「そして、そのあと……」
ユウキは少しだけ言葉を止めた。
脳裏に、リナの顔が浮かぶ。
初めてこの世界で出会った、鎖に繋がれた少女。
助けようとしたのに、途中で引き離されてしまった。
今も、どこかで苦しんでいるかもしれない。
「俺は、探したい人がいます」
バルドが静かに頷いた。
「前に話していた娘か」
「はい。リナという子です」
ユウキは俯いた。
「まだ、どこにいるのかわかりません。でも、助けたいんです」
しばらく沈黙が続いた。
やがて、バルドが口を開く。
「なら、まずは生き延びろ」
ユウキが顔を上げる。
「誰かを助けるには、自分が立っていなければならん。今のお前が無茶をしても、誰も喜ばん」
ユウキは静かに頷いた。
「はい」
その言葉を、しっかりと胸に刻んだ。
◇◆◇
深夜。
小屋の外では、冷たい風が木々を揺らしていた。
ユウキは暖炉の近くに敷かれた毛布へ身体を横たえ、静かに目を閉じていた。
久しぶりに、鉄格子のない場所で眠れる。
それなのに、心は落ち着かなかった。
第三坑道で見た少女。
エルヴィンから奪った鑑定。
そして、鉱山の奥から現れた黒い影。
すべてが、まだ終わっていない。
ユウキはそっと魂盤を呼び出した。
魂盤【STATUS】
名前:ユウキ・コバヤシ
年齢:17
種族:人間(異界者)
職業:無職
レベル:2
HP:2 / 36
MP:3 / 8
STR(筋力):8
VIT(耐久力):7
AGI(敏捷性):9
MAG(魔力):3
MND(精神力):12
DEX(器用さ):11
【固有権能】
略奪 Lv.1
【習得技能】
嗅覚強化 Lv.2
身体強化 Lv.2
採掘 Lv.1
振動感知 Lv.1
鑑定 Lv.2
【状態】
重傷・極度疲労
魂蝕値:上昇中
ユウキは表示された数字を見つめた。
レベル二。
技能は五つ。
確かに、鉱山へ連れてこられた頃よりも力は増えている。
それでも、身体は限界に近かった。
今日、一つだけわかったことがある。
どれほど便利な技能を手に入れても、仲間の力がなければ生き残れない。
そして、誰かを助けることは、自分一人が傷つけば済む話ではない。
助けた相手にも、守ろうとする仲間にも、それぞれの人生がある。
そのすべてを背負えるほど、自分はまだ強くない。
けれど、少しずつ変わっていきたい。
いつか、本当に頼られる人間になれるように。
ユウキは静かに目を閉じた。
そのとき。
頭の奥で、か細い声が響いた。
『ユウキ』
少女の声だった。
ユウキは目を開ける。
『まだ、聞こえる?』
いつもより弱い声だった。
「聞こえるよ」
小さく答える。
『よかった』
少女は安堵したように呟いた。
『お願いがあるの』
ユウキは胸の奥がざわつくのを感じた。
「何?」
しばらく沈黙が続いた。
そして、少女の声が震えた。
『あの人たちが、私を探し始めた』
「誰が?」
『帝国とは、違う人たち』
ユウキは息を呑んだ。
帝国ではない。
では、いったい誰なのだろう。
『もし、あの人たちが私を見つけたら……』
少女の声が途切れかける。
ユウキは身を起こそうとしたが、脇腹の痛みで動けなかった。
「大丈夫? 何が起きてるの?」
しかし、返事はない。
代わりに、最後の言葉だけが頭の奥へ届いた。
『誰も、信じちゃ駄目』
その直後、声は完全に消えた。
ユウキは暗い天井を見つめた。
帝国とは違う人たち。
第三坑道の封印。
そして、自分の持つ略奪の力。
何か大きな出来事が、知らない場所で動き始めている。
そんな予感がした。
ユウキは拳を握りしめた。
それでも、今は動けない。
だから、まずは傷を治そう。
そして、仲間と一緒に、これからの道を考えよう。
自由を得たことは、物語の終わりではない。
むしろ、これから始まる新たな試練への第一歩なのだ。
暖炉の火が小さく揺れた。
その光の中で、ユウキはようやく眠りについた。
――第23話 完。




