↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東京から人が消える。――二十五日働いた者だけが消失する現象を追う特別班の記録  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
49/312

境目の名簿

夜明け前、品川のビルへ規制線が張られた。消失者は全員、対象業務へ通算二十五日以上入っていた。二十四日以下の社員は同じ室内にいても残っている。 真壁は到着直後に階段とエレベーターを封鎖し、入館者名簿を確保する。班員は必ず二人一組で動いた。


二十五という数字は、別業種と別階の事例を加えても動かなかった。班は断定でなく、避難に使う暫定規則として公表する。


短時間勤務のアルバイトも正社員も同じ境目に並ぶ。雇用形態より、その日の業務参加が共通していた。


真壁は二十五日目を迎える者へ業務停止を勧告した。規則を確かめるために勤務を続けさせる案は退けられた。


会議室の壁には、消えた人の写真ではなく確認済みの条件だけが貼られた。家族へ返せる答えがないことを、真壁は毎晩思い知らされる。


廊下の時計が日付を越えても、通報は止まらなかった。班員は勤務回数を互いに確認し、同じ業務へ固定されない交代を続ける。


消失者はチームの外にいる。班員は現場へ入るたび滞在と作業内容を記録し、同じ役割へ二十五日固定されないよう交代した。


原因を示す物質も装置も信号もない。規則らしきものが増えるほど、それを誰が何のために数えているのかという空欄だけが大きくなった。


特別班は現象を再現する実験を行わない。危険が疑われる人を検証のため勤務させることは、捜査ではなく犠牲を選ぶ行為になる。


消失者はチームの外にいる。班員は現場へ入るたび滞在と作業内容を記録し、同じ役割へ二十五日固定されないよう交代した。


原因を示す物質も装置も信号もない。規則らしきものが増えるほど、それを誰が何のために数えているのかという空欄だけが大きくなった。


(本文実測:690字)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。