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Aster Crown 〜100勝するのが面倒で100人乱戦に出たら優勝して、最強の仲間ができました〜  作者: 辛子高菜


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第二十話 始動



メレー連覇の祝勝会は、ポポたち行きつけの酒場で開かれた。


「ロッキーもっと食べるネ」


「はい!」


ロックの前に、また肉の皿が置かれる。

香ばしく焼かれた分厚い肉。

山盛りの芋。

濃いソース。

ロックは目を輝かせた。


「すごい…こんなにいいんですか?」


「今日は祝いネ」


ポポが豪快に笑う。


「ロッキー連覇、おめでとうヨ!」


「ありがとうございます!」


ロックは嬉しそうに肉を頬張った。


その横でJr.が伝票を睨んでいる。


「…で、なんで会計が俺なんだよ」


ビアンカが笑った。


「あなたが一番お金持ってるから?」


「賭けで儲けてねぇんだぞ、オッズ低すぎて全然うまくねぇ」


「でも払えるでしょ」


「そういう問題じゃねぇ」


ターニャが端末を見ながら言う。


「もう切り抜きが上がってるわよ」


画面にはロッキーがロブを場外へ落とす場面。

別の投稿ではロッキーが勝った後に照れ笑いしている。


『ルーキーマントまた勝った』

『ロッキー連覇マジか』

『ロブ、親切なお兄さん呼びされてて草』

『この子ほんと何者?』

『また肉食ってんのかな』


ロックは肉を食べながら言う。


「また話題になってるんですか?」


Jr.が呆れたように言う。


「なってるに決まってんだろ、メレー連覇だぞ」


「今日は応援してくれる人がいて嬉しかったです」


「感想が素直すぎるネ」


ポポが笑った。

その時バイオレットの端末が短く鳴る。

彼女は画面を確認して少しだけ目を細めた。


「認可が下りたわ」


ターニャが顔を上げる。


「ギルド?」


「えぇ」


ビアンカがぱっと笑う。


「ついに?」


バイオレットは頷く。


「Aster Crown、正式に認可された」


ロックが肉にフォークを刺したまま固まる。


「え、もう?」


Jr.が肩をすくめる。


「申請通ったなら今日から正式ギルドだな」


ターニャが端末を置いて、にやりと笑った。


「これはちょうどいいわね」


ポポが目を細める。


「何か企んでる顔ネ」


「ロッキーのメレー連覇の日にギルド設立認可が下りるなんてタイミングがよすぎるわ」


ターニャは楽しそうに言った。


「これはやりなさいっていう神の示しよ」


「何をだよ」


Jr.が嫌そうな顔をする。


「発表」


ターニャは即答した。


「今ならロッキーが一番注目されてるわ。Aster Crownの設立発表を出すなら今日よ」


ビアンカが頷く。


「いいんじゃない、話題性もあるし」


ポポも笑う。


「ロッキー効果ネ」


ロッキーは慌てた。


「俺が何かするんですか?」


「いつも通りでいいわ」


ターニャが微笑む。


「それが一番強いから」


「いつも通り…?」


ロックはよく分からないまま頷いた。




ーーーーーーーーーー




しばらくして、事前にターニャが作成していたAster Crownのアカウントから最初の投稿が行われた。


ギルド《Aster Crown》設立。


マスター

バイオレット・チャイムズ

@violet_chimes


メンバー

ペドロ・パウロ・ペレイラ・パウロ

@pppp4


ターニャ・モロゾーヴァ

@m_tanya


ソロ・シュトラウス

@sinobisolo


ビアンカ・クルス

@biancacruz


ヴィクター・C・エイプリル

@jr_vca


ロック・レオンハート

@leonhart_r


錚々たる名前が並ぶ。

その最後に、今日メレーで2連覇を果たした新星、ロック・レオンハート。

投稿は一瞬で拡散され始めた。



『は?』


『このメンバーでギルド!?』


『無所属組がついに組んだ!?』


『最後ロッキーいるんだけど!?』


『メレー連覇の日に加入発表は熱すぎ』


『狙ってたんか?』


『Aster Crownって名前かっこよ』


『ロッキー何者すぎる』


『バイオレットがついにギルド入ったぞ、てか作ったのか』



その数分後ロックがその投稿を引用した。


《メレー今月も優勝しました!

今日はギルドのみんなとお肉食べてます!

よろしくお願いします!》


添えられていたのは、肉の皿を前にニコニコと笑うロッキーの写真だった。

Jr.がそれを見て頭を抱える。


「お前、もっと他に書くことあるだろ!」


ロッキーはきょとんとした。


「え、だめでした?」


ポポは腹を抱えて笑っていた。


「最高ネ!」


ビアンカも笑う。


「ロッキーらしくていいじゃない」


ターニャは端末を見ながら満足げに頷く。


「ほら、もう伸びてる」



『肉食ってて草』


『もはや肉の報告なの好き』


『Aster Crownやばすぎ』


『ロッキー、マジでロッキー』


『よろしくお願いします!じゃないんよ』


『これは推せる』


『ルーキーマントの新星、Aster Crown入り確定』


『うちも声かけてたのにぃ』


『バイオレットが相手じゃ無理』


『ロッキー見る目ありすぎ』



ロッキーをスカウトしようとしていたギルドも少なくなかった。

メレー優勝後から取材も勧誘も断り続けていた彼が突然Aster Crownに加入したのだから、悔しがる声も多かった。

そして、その話題の中心にいる本人はーーロッキーは肉を頬張りながら、端末を見ていた。


「…なんかすごいことになってますね」


Jr.が呆れたように言う。


「お前のことだぞ」


「でも、俺まだブロンズですよ」


「そういう問題じゃねぇんだよ」


ポポが笑った。


「ロッキーはもう期待の星ネ」


ターニャが端末を眺めながら、満足そうに頷く。


「Aster Crown、最高の出発ね」


ビアンカも微笑む。


「名前負けしないようにしないと」


ソロが静かに言う。


「すぐ追われる側になる」


バイオレットはグラスを置き、ロッキーを見た。


「覚悟して」


ロッキーは一瞬黙って、それから少しだけ笑った。


「はい」




おまけ


ロッキー「Jr.さん、ヴィクターっていうんですか?


Jr.「…その名前は忘れろ


ターニャ「いい名前じゃないのよ、ねぇ


ロッキー「かっこいいですよ!勝者って感じで!


Jr.「だから嫌なんだよ

Jr.「成金の親がつけた名前なんだ

Jr.「俺のことはJr.ってよべ、ほら


ロッキー「Jr.さん


Jr.「よし


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