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Aster Crown 〜100勝するのが面倒で100人乱戦に出たら優勝して、最強の仲間ができました〜  作者: 辛子高菜


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第十三話 ギルド⑤



Jr.は工具箱の上で足を組み直す。


「じゃあ、マスターはヴィオで決まりだな」


バイオレットが何か言いかけるより先に、Jr.は続ける。


「異議あるやつはいるか」


ポポが即答する。


「ないネ」


ソロも頷く。


「ないよ」


ビアンカ。


「ないわ」


ターニャ。


「なしよ」


Jr.は最後にロッキーを見る。


「お前は?」


ロッキーは少し背筋を伸ばした。


「あ、ありません」


その返事にJr.は満足そうに頷いた。


「よし」


そして軽く指を鳴らす。


「じゃあ次はギルドハウスの場所だな」


ターニャが待ってましたとばかりに手を上げた。


「場所に関しては心当たりあるの」


「もうあるのかよ」


「当然」


ターニャは得意げだ。


「元々ギルドハウスに使われてた建物が隣街にあってね、部屋も10室、ラウンジも広くて、ガレージもあるし、訓練場とちょっとした庭もあるの」


ロッキーの目が輝く。


「庭も?」


「あるわ、走り回れるくらい」


「いいなぁ…」


ポポが感心する。


「さすがターニャ、顔が広いネ」


Jr.が身を乗り出す。


「決まりそうなのか?」


「金額次第ってとこね、でもほとんどOKよ、持て余してるみたいだったもの」


「じゃあ、買い取る方向で話し合いを進めてくれ」


「任せてちょうだい」


「場所まで見えてるなら、もう本当に作れそうね」


ビアンカが感心したように言う。

Jr.が最後の指を立てる。


「最後はギルド名だが……」


その場が少し静かになる。


「案、出すか」


ポポが腕を組む。


「強そうなのがいいネ」


「綺麗な名前がいいわ」


「詩的なのも好き」


「長すぎんのは却下な」


しばらく各々考え込んでいたが、バイオレットがふとロッキーを見る。


「ロッキーは、何かある?」


ロッキーは思いがけず振られて、少し慌てた。


「え、俺ですか」


「うん」


少し考える。

それから、ぽつりと。


「…Aster Crownはどうでしょうか」



ーー沈黙。



Jr.が最初に反応した。


「…それ、童話のか?」


ロッキーの顔がぱっと明るくなる。


「はい」


少し照れながら続ける。


「俺、あの童話好きで…」


「星座になれなかった小さな星々が集まって、空に大きな王冠を作るってやつです」


ガレージが静かになる。

Jr.がぽつりと言う。


「小さな星ってことか、俺らは」


ロッキーがぶんぶん手を振る。


「あ、いや、みなさんは大きい星ですけど!」


慌てすぎて声が裏返る。

ポポが吹き出した。


「慌ててるネ」


ロッキーは必死に言い直す。


「そうじゃなくて、その…ひとりひとりが集まって何かになるってのが、ギルドと似てるなって…1人じゃできないことでも、集まれば形になるっていうか…」


そこまで言って、自分で恥ずかしくなったのか、真っ赤にした顔を伏せる。


「…変ですかね」


ターニャが先に口元を押さえた。


「変じゃない」


ビアンカも柔らかく笑う。


「すごくいいわ」


ソロは短く言う。


「悪くないどころか、いい」


ポポが腕を組み、満足げに頷く。


「Aster Crown…響きもいいネ」


Jr.はしばらく黙っていた。

そしてぼそっと言う。


「…嫌いじゃねぇ」


「それ、かなり褒めてるわね」


ビアンカが笑う。

バイオレットはロッキーを見ていた。

少しだけ驚いたような、でも納得したような目で。


「Aster Crown…」


小さく繰り返す。

そして、


「私も好き」


ロッキーが目を見開く。


「ほんとですか?」


「えぇ」


バイオレットは静かに言った。


「逸れた星が王冠になる、悪くないわ」


Jr.が立ち上がる。


「じゃあ決まりだな」


「マスターはヴィオ」


「場所はターニャ案件で詰める」


「ギルドの名前はAster Crown」


ポポが拳を突き出す。


「記念すべき初会議ネ」


ターニャも続く。


「Aster Crownに」


ビアンカ、


「Aster Crownに」


ソロ、


「Aster Crownに」


拳を出しながら、Jr.がにやっとして言う。


「ほら、お前もやれ」


ロッキーは少し照れながら、拳を出す。


「…あ、Aster Crownに」


バイオレットが最後に締める。


「Aster Crownに」


バイオレットの掛け声に合わせて、7人の拳がぶつかった。




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