第十話 ギルド②
Jr.がふと思い出したように言った。
「ターニャには確認しなくていいのか」
ビアンカが「あ」と声を漏らす。
「たしかに」
「忘れてたネ」
「ターニャさんって?」
「うちのパーティのヒーラーヨ、今日は別の仕事でいなかったけどネ」
「へぇ…ヒーラーさん」
「そう、腕もいいし、顔も広いし、ちょっと騒がしいネ」
「ポポに言われたら終わりよ」
ビアンカが笑う。
ポポは気にせず続けた。
「ターニャはOKすると思うけどネ、ギルドのことは6人で話してたから、話は通しておかないといけないヨ」
ロックは少し不安そうに肩をすぼめる。
「入るなって言われたりするかも…」
「それはない」
Jr.が即答した。
ソロも短く続ける。
「ないな」
ビアンカも頷く。
「ないわね」
ポポも笑った。
「ないネ」
「えっ、なんで」
Jr.は呆れたように言った。
「あいつが一番気に入ってるからよ、可愛い〜、話したい〜ってはしゃいでたぜ」
「かわ…」
ロッキーが困った顔になる。
気づいたらバイオレットが端末を操作していた。
「ターニャに連絡したわ」
全員の視線が向く。
「仕事は終わって、いつもの酒場にいるらしい」
ポポが立ち上がる。
「合流するネ」
「酒場…」
ロックが少し緊張したように呟いた。
それをみてビアンカが笑う。
「大丈夫よ、怖いところじゃないわ」
「ターニャの方が怖ぇかもな」
「えっ」
「冗談だ」
ポポがロッキーの背中を軽く叩く。
「行くヨ、ターニャに会ったら、たぶんもっと賑やかになるネ」
ロックは少し迷って、それから頷いた。
「はい」




