84話
「ところでなんだが……」
「なんじゃ?」
「いまの俺たちの実力、どんなもんよ?」
レティと二人きりなのは久し振りなので、気になっていたことを聞いてみた。
実際のところ、どうにかなるレベルなのか相手にもならないのか、そこんとこは重要だ。
「ワシの全盛期と比べると……」
「比べると?」
「全員でトントン……いや、ちょい上じゃろうな」
「ほぅ」
まずは及第点、セーフ! そこ割ってたら、かなりキツかった。
さっきまで偉そうに言ってたことを全部撤回して逃げるレベル。むしろ、全員で元の世界に戻る方法を全力で探してたわ。
「ワシら、かなりバランスの取れた闘い方しとるからの。前に出られるのが三人おるし、そのうち二人はかなり頑丈じゃ。一方が倒れてもリカバリが効くのはかなりデカい」
「回復のローザに補助のニナがいて、お前が純粋な攻撃役に徹することができているしな」
「うむ。メイとレズンにまとわりつかれながら、ヌシを抜いて後衛に攻撃を仕掛けるのは至難の業じゃろうな」
「なかなか評価高いじゃねぇか」
「読み合いの勝ち負けを五分とすると、六対四ぐらいつけられるんじゃないかのぅ」
「おぉ、かなりだな!」
自称最強だったレティにワンチャンどころか五分以上の戦いができるなら……
「じゃが……」
「逆説の接続詞!」
「ヌシも見ておったと思うが、アヤツ魔法使ってたじゃろ? あれを魔法と呼んでいいのかは置いとくとして」
「あぁ、あのフザケた極太ビームな」
「前に説明したが、本来魔法は魔力を出力できる形に変換するから、色んな属性をもたせることができるんじゃ。 それをアヤツはできないんじゃろうな、純粋な、変換すらもされておらん魔力をゴリ押して出力しとる」
「は?」
「じゃから、魔法と言えるかどうかわからん」
「なんじゃそら」
「まぁ、それはそうとして、それだけでも十分に強い。いや、強すぎるんじゃが……」
「まだ何かあんのかよ……」
「忘れとらん? アヤツ、剣士じゃぞ?」
「……」
「遠距離でも近距離でも最強キャラの出来上がりじゃ」
そういやそうだった。
帝国軍の中で唯一の魔導部隊だから忘れてた……
「多分苦手な魔法だったら自分に勝ち得るヤツがいるかもとか考えたんじゃなかろうか」
「結果、世界最高の魔導師と名高いロザリカ・ナザリカと並び立つ魔導師として名を馳せると」
「まぁ、世界最強の魔導師はワシじゃがな」
「偉ぶるのはいいが、乳を隠せ」
「クク、そんなにチラチラ見られたらワシ照れてしまう」
「見てねぇわ! いや、嘘だけど。気にはなるだろが!」
「まぁ、こっから勝率がどれだけあがるかわからん。とりあえず宗近とかいう職人に期待じゃな」
「もともとリファインファンタジーは装備ゲーだったからな! そういう側面がこの世界にもあることを期待するしかねぇな」
「あとは、ワシらは6人おるからの」
「人数の利点を最大限いかさんとな」
「うむ」
「ちょっぴりやる気出たわ、さんきゅー」
「一蓮托生なんじゃろ? 生き延びて愛でてもらわんとな」
「生きてたらな!」
どこまで勝率を上げられるかわからんけど、頑張ってみよう。
これからは敵を探すよりも、内々で鍛えたほうが良さそうだ。
レティが言ってたみたいに、俺かレズンが落ちた時の対応やら、あらゆる組み合わせを事前に想定して戦術を組み直そう。
技術の向上やフィジカルを鍛え直したり、まだまだやれることはある。
打倒シリウスだ!




