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女神と転生〜ポンコツ女神と父娘が最強へと至る道〜  作者: 荒頭丸


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68話

「お、来たようじゃ。 超慌てとるのぅ」

「何の情報もなく鳥の巣レティ城を見たら、そりゃあ大騒ぎするよね!」

「世紀の大発見だね」

古龍レズンの背中の上、俺たちはそこにベンチを作って、優雅にファングさん達が来るのを待っていた。

ランク5の人達と一緒になって動いていたのは色々と手間が省けて良い感じ。

だけど、俺が学生の頃だったら、なんで俺も誘わなかったんだよって怒ってるところだぜ。

寛大な心に感謝するがいい。


「よし、レズン、いけ!」

「何故我が貴様に命令されんといかんのだ」

「はいはい、行ってください。 これでいいか?」

「それでいいと思えるのか、貴様は?」

面倒くさいので、無視してレティに頼む。

「よし、チビ助、行くのじゃ!」

「オッケー! 任せて、レティちゃん!」

落差になかなかイラッとくるな。

コイツ、まだ自分に威厳があるとか思ってんだろうか?

相手すんの面倒なんだが。


レズンにファングさんたちの方へと近付いてもらうと、ファングさん一行がこちらに気付いた。


指をさして固まってる。

まぁ、ぱっと見は伝説の古龍さんだからな。

俺も初見の時は覚悟を決めたもんよ。

ファングさんたちも気合いれて良い感じに戦ってくれ。

俺はヒーローの登場シーンの定番、やられる寸前に助けに入るのをやるからさ。


「何か様子がおかしくありませんか?」

ローザがカップから口を離してファングさん達に目を向ける。

薄っすらと紅茶の香りが漂う。

なんかエロくて良いな。


ローザもニナもそういうの、似合うよな。

レティとか麦茶がいいとこだろ。

いや、麦茶先輩に失礼か。


それは置くとして、確かにファングさん達の様子が……

なんかガチでビビってねぇ?

ションベンチビリそうなほどガタついてるんだが。


レズンが小さく首を傾げた。

「とりあえず声をかけるが……よいか?」

「お、おぅ」


レズンがファングさんたちに問いかける。

「矮小な人間共が……我の住処に何のようだ?」


しかし、返事がない。

おいおい、人に話しかけられて無視するとかどういう教育を受けてきたんだよ。

それでも高ランク冒険者様か、んん?


「もう一回話しかける? レティちゃん」

「うむ、そうじゃの。 ちゃんと目を見て話すんじゃぞ? 自分に話しかけられたとわかってないのかもしれん」

「マヂかよ、その発想はなかったわ」


レズンはギラリと目を光らせ彼等を睨みつける。

「何のようだと問うている」

しかし、彼らは固まったままで返事をする気配がない。

「ねぇ、ミルズ。 これって本当にビビって動けなくなってるんじゃないか?」

「まさか? 帝国の超上澄みだぜ? アイツら」

「ですが、見上げたままピクリともしません。 このままではレズン様と戦うどころか、何も進まないのではありません?」

「ちょっと、もっかい聞いてみてもらえる?レズン」

「むぅ……仕方ないな。 ……答えるがよい」


雪原に響き渡る重低音。

腹の底から響くその声に彼らはすくみあがっている。


あ、駄目だわ、コイツら。

マヂでビビって動くことも出来ないっぽい。

「どうする、父ちゃん」

「どうするっつってもなぁ」


当初の予定通り助けに入るか?

こういうシチュエーションだと、俺たちに任せて先に行けパターンか?

合ってるようで違うような……


とりあえず話が進まねぇ。

「よし、いくぞ、皆! 俺のノリに合わせろ!」

古龍レズンの背中から飛び降り、震えて動けなくなったファングさん達の元へ駆けつける。


あんなに偉そうにしてたのに、この様はなんだ!

ちょっとお灸を据えてやる!

俺はポーチに入っているメリケンサックを力いっぱい握り込んだ。


「バカヤロウ! 何ぼぅっとしてんだ!」

ファングさんの右頬に狙いを定めて……パーンチ!

ずしゃあっと音を立てて派手に転ぶファングさん。


未だに状況が掴めてないらしい。


「早く逃げろ! 俺たちが時間を稼ぐ!」

俺の名演技に見惚れているのか、ファングさんは目を見開いてこっちを見てる。


何見てんだ、コイツ?

さっさと起きろって。


「早く逃げろって言ってんだ!」

どさくさに紛れてもう一発殴っておこう。

ファングさんに近付くと、どうやら正気を取り戻したらしい。


ちぃ!


「待て! もう大丈夫だ!」

いや、まだいける!

ワンチャンあるで、俺!


「おい、もう大丈夫って言ってるだろ、それ以上近づくな!」

「えっ? そう? そうか」

流石に駄目だった。

残念!


仕方ない、ここからはノリだけで突っ切ってやる!

「動けるなら早くここから離れるんだ! 俺たちがコイツを引きつける!」

「正気か?」

「誰かがこの事を帝国に知らせないと駄目だ! それは俺たちじゃなくて、お前たちがやるべきなんだ!」

ファングさんは何か感動したかのようにその目に涙を浮かべながら、俺を見つめている。


「モウサッサトイケヨ……」

何に心を打たれてるんだよ……意味分かんねぇ。

いいからさっさと動けよ、まったく。


「早く!」

仕方ねぇ、もう一発いっとくか!

仕方ないなぁ、うんうん。


「あぁ、わかった! 行くぞ、お前たち!」

俺の殺気を感じたのか、急に俊敏に動き出すファングさん達。

元気があってよろしい。


「さて、作戦は大失敗に終わったわけだが……」

「とりあえず戦おう!」

「だね!」

「お互いの力量は知っておくべきですね」

「よし、ではやるとするかの! お互い死なないようにぶち殺すんじゃぞ?」

「オッケー! レティちゃん! 僕は強くなったから気合入れてね!」

「ワシに勝つつもりとは辞められたもんじゃ。 来るがえぇ、チビ助!」

作戦は大失敗に終わったけど、エキシビションマッチは始まった。

シリウスの相手として認められた古龍の実力、見せて貰うぜ!


気合いれてかかってこい!

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